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政治情勢分析のコツ教えます【フィスコ・コラム】
2020/7/19 9:00
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*09:00JST 政治情勢分析のコツ教えます【フィスコ・コラム】 評判の芳しくない候補者が選挙で圧勝したり、政党の合流が進まなかったり・・・一体なぜ政治は想定通りに動かないのでしょうか。それを知るには一定の法則を理解する必要があります。正しい「分析」方法を知っていれば、スッと腑に落ちます。 「分析」といっても、エクセルやらパイソンやら、小難しいツールなど使いません。メモ帳やペン、いえいえ筆記用具さえ要りません。余計なことをせず、5分程度静かなスペースで考えるだけです。そう、トイレが最適な場所かもしれません。内閣支持率と与党第一党の政党支持率の合計が50を下回ると政権が倒れる、という有名な「青木の法則」ほどシンプルではありませんが、慣れればカンタンです。 その法則とは、リベラル的な合理性に基づく選択肢の正反対がその「解」になる、ということです。7月5日に行われた東京都知事選で現職の小池百合子知事が圧勝したケースを振り返ってみましょう。自称リベラルは小池氏について、選挙公約を守っていないとの批判を避けるためコロナ禍を理由にテレビ討論会を拒否したとの見方から、得票数を減らすか落選して当然と考えていたはずです。 しかし、見ての通り結果は真逆でした。選挙前、小池氏の過去を暴いた書籍などで学歴詐称疑惑が蒸し返されるとともに、書かれていることが事実であれば公職選挙法に抵触するばかりか、公約を平然と破るような人物像が浮かび上がりました。が、そうした話題はかえって同氏の「したたかさ」を際立たせ、得票数を失うどころか大幅な票の上積みにつながりました。 自分は政治学者や評論家でもなく、もちろん選挙参謀などでもありません。ただ、かつて国内の都市部や地方の選挙区に頻繁に足を運んだ際、有権者の本音をじかに耳にした経験を持っています。そこでは「親の代からの支持は変わらない」「野党は信用できない」という声が多く聞かれました。東京も地方の選挙区も大した違いはありません。合理的でないという点で、都知事選もほとんど同じ構図でしょう。 昨年の参院選もそうでした。合理的思考に基づけば、10月からの消費税率引き上げを控え与党は不利であるはずでしたが、「だからこそ」自民・公明が圧勝。そして、合理性を欠いた有権者に選ばれた政党や政治家は当然ながら、リベラル系の政党や政治家も、必ずしも合理的な判断していないのです。実際、旧民進党という受け皿が消滅すれば与党を利するのが明白であるにもかかわらず、「最大野党」は解党に突き進みました。 ではこの「分析」方法を使って、現在取りざたされる次期総選挙を占ってみましょう。旧民進党勢力を中心に野党がまとまり消費税引き下げを掲げれば善戦できるはずです。しかし、そうはならず与党をアシストするでしょう。また、河井前法相夫妻の買収事件などで有権者の怒りは頂点に達したので自公は下野する、と義憤にかられる気持ちはよくわかりますが、残念ながら正解はその逆です。 ※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。 (吉池 威) 《YN》
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