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後場に注目すべき3つのポイント~底堅さによる「苦痛」と「意外高」への道筋

2020/7/8 12:42 FISCO
*12:42JST 後場に注目すべき3つのポイント~底堅さによる「苦痛」と「意外高」への道筋 8日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は小幅続落、底堅さによる「苦痛」と「意外高」への道筋 ・ドル・円は伸び悩み、買い一服後は日本株安を意識 ・値下がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位がファーストリテ<9983> ■日経平均は小幅続落、底堅さによる「苦痛」と「意外高」への道筋 日経平均は小幅続落。43.14円安の22571.55円(出来高概算5億2000万株)で前場の取引を終えている。 7日の米株式市場でNYダウは3日ぶりに反落し、396ドル安となった。新型コロナウイルスの流行が落ち着いたニューヨーク州やニュージャージー州が他州からの旅行者に対する一定期間の隔離要請を拡大する方針を示し、感染再拡大への懸念が強まった。また、上場投資信託(ETF)の分配金捻出に絡んだ売りへの懸念も根強く、本日の日経平均は133円安からスタート。日足チャート上で22400円台後半に位置する25日移動平均線水準まで調整すると押し目買いが入り、前場中ごろには小高い水準まで切り返す場面も見られたが、一段の上値を追う動きは乏しかった。 個別では、ソフトバンクG<9984>と任天堂<7974>が2%超下落し、サイバー<4751>は6%超の下落。前日買われた銘柄が反動安となっている。東エレク<8035>やレーザーテック<6920>、ファーストリテ<9983>は小安い。イオンモール<8905>は決算を受けて売り先行。また、ティアック<6803>などが東証1部下落率上位に顔を出している。一方、トヨタ自<7203>やアドバンテス<6857>が小高く、キーエンス<6861>、村田製<6981>、NEC<6701>などは堅調。神戸物産<3038>は商いを伴って4%を超える上昇となり、株式分割考慮後の上場来高値を更新した。子会社が暗号資産交換業者として登録されたマネパG<8732>は急伸。また、スマートフォン「iPhone」の有機ELパネル採用報道を受けて関連銘柄が賑わい、保土谷化<4112>はストップ高を付けている。 セクターでは、鉱業、その他製品、海運業などが下落率上位。半面、電気・ガス業、陸運業、水産・農林業などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の48%、対して値上がり銘柄は47%とほぼ拮抗している。 本日の日経平均は上値こそ重いものの、25日移動平均線レベルでの底堅さを見せる展開となっている。度々当欄でも触れているとおり、ETFの決算日に当たる8日や10日を中心に、分配金捻出に絡んで計7000億円規模の売りが出ているとみられている。差し当たり本日は3000億円程度の売り需要との観測があり、新型コロナ再拡大への懸念とともに上値の重しとなっているようだ。 売買代金上位はおおむね前日までの動きのリバーサル(株価の反転)的な様相だが、東エレクなどはここまでの上昇幅の大きさを考慮すればごく軽微な調整と言えるだろう。業種別騰落率では内需・ディフェンシブ系セクターが堅調、一方で景気敏感系セクターの一角が軟調となっている。ここまでの東証1部売買代金は1兆円に届かず、前日より減少。ETFの売り観測への警戒もあってか、売買はやや低調だ。 新興市場ではマザーズ指数が4日続伸。リボミック<4591>やセルソース<4880>といったバイオ・ヘルスケア関連株が根強く買いを集めている。マザーズ指数は1010pt台に位置する25日移動平均線に肉薄しており、戻り待ちの売りを押し返せるかの正念場だろう。前日にマザーズへ新規上場したBエンジニア<7352>はなお買い気配が続いている。 アジア株式市場では中国・上海総合指数や香港ハンセン指数がしっかり。ただ、足元で円相場の下落は一服してきた。前引けの東証株価指数(TOPIX)は0.06%の上昇で、日銀によるETF買い実施は期待しづらい。後場の日経平均も上値の重い展開となりそうだ。 さて、前日の先物手口を見ると野村證券が日経平均先物で、クレディ・スイス証券がTOPIX先物でそれぞれ売り越し筆頭となった。ともに上海総合指数が急騰した6日から一転しての売り越しであり、やはり商品投資顧問(CTA)や個人投資家が本格的に売り持ち高の解消に動いたわけではなさそうだ。また、6月半ばごろからTOPIX先物を売り越していたその他外資系証券も直近で買い戻した様子は見受けられない。一部証券会社はレポートで、マクロ系を中心としたヘッジファンドは足元でも新型コロナ再拡大、米中摩擦、米大統領選といった警戒材料を前に慎重姿勢を崩していないと指摘している。 それゆえに、株式相場が想定以上に底堅く推移していることはこれら投資家にとって「極めて苦痛」だろう。そもそもファンド勢は5月上旬までの戻り相場で売り持ち高を抱え、運用成績を大きく悪化させた。この際に著名投資家が相次いで敗戦の弁と「中央銀行に逆らうな」との教訓、それに戦略転換を表明したが、多くのファンドはこうした教訓を活かせていないようだ。システム系投資家も一時的に売り持ちに傾いているが、株価変動率(ボラティリティー)の落ち着きとともに再び買い持ちに転じてくるとみられている。もちろん株価位置は5月上旬までの戻り相場で高くなってしまったが、足元底堅く推移していることで、再びファンド勢の買い戻しを誘う環境が整いつつあるように見える。 今月下旬から4-6月期決算発表が本格化するため、賞味期限には注意する必要があるものの、ETFによる売りをこなした後の「意外高」の可能性を改めて指摘しておきたい。 なお、まだ投資論点としては注目されていないので詳細は述べないが、国内政治を巡り遠からず政局になる可能性が高まってきたと考えられる。国内政治情勢についても関心を払っておきたい。 ■ドル・円は伸び悩み、買い一服後は日本株安を意識 8日午前の東京市場でドル・円は伸び悩み。仲値にかけて国内勢による買いが強まり、107円半ばから後半に値を上げた。ただ、買い一服後はやや失速。日経平均株価は軟化し、日本株安を嫌気した円買いが重石となった。一方、中国株は上昇基調を維持し、円買いを抑制しているもよう。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は107円51銭から107円71銭、ユーロ・円は121円21銭から121円44銭、ユーロ・ドルは1.1265ドルから1.1283ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・買取王国<3181>、ジオマテック<6907>など、9銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップはソフトバンクG<9984>、同2位がファーストリテ<9983> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・日・5月経常収支:+1兆1768億円(予想:+1兆836億円、4月:+2627億円) <国内> ・14:00 6月景気ウォッチャー調査・現状判断(予想:24.3、5月:15.5) ・14:00 6月景気ウォッチャー調査・先行き判断(予想:39.3、5月:36.5) <海外> ・14:45 スイス・6月失業率(予想:3.4%、5月:3.4%) 《HH》
関連銘柄 21件
3038 東証プライム
3,580
11/22 15:30
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時価総額 979,488百万円
冷凍・加工食品など食品中心の「業務スーパー」を展開。デザート、菓子類に大ヒット商品多数。独自の輸入ルートに強み。業務スーパーの総店舗数は1070店舗超。中計では26.10期売上高5430億円目標。 記:2024/10/24
3181 東証スタンダード
640
11/22 15:30
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時価総額 2,345百万円
総合リユースショップ「買取王国」を展開。愛知県地盤。プロ向け専門店「工具買取王国」なども。ファッション商材の売上比率が高い。新しいPOSシステムは25.2期下期に開発完了予定。買取効率の向上等に注力。 記:2024/08/02
4112 東証プライム
3,915
11/22 15:30
+180(%)
時価総額 32,941百万円
1916年創業の化学メーカー。有機EL材料やイメージング材料などの機能性色素が主力。ウレタン塗膜防水材、過酸化水素等の工業薬品、農薬等も手掛ける。25.3期は増収増益計画。機能性色素などの販売増を見込む。 記:2024/08/01
4591 東証グロース
83
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 3,375百万円
東大発のバイオベンチャー。核酸医薬の一種であるアプタマーに特化した医薬品の研究・開発を行う。対象疾患「滲出型加齢黄斑変性」のRBM-007が先行パイプライン。東京大学と眼科疾患に関する共同研究契約を締結。 記:2024/08/13
4751 東証プライム
1,008.5
11/22 15:30
-4.5(%)
時価総額 510,648百万円
インターネット広告事業が主力。運用型広告で国内首位。検索連動型広告に強み。ABEMA等のメディア事業、ゲーム事業、投資育成事業等も手掛ける。ABEMAはスポーツコンテンツの拡充、マネタイズを強化。 記:2024/08/26
4880 東証プライム
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時価総額 20,871百万円
再生医療関連事業等を手掛けるバイオベンチャー。脂肪由来幹細胞加工受託サービス、血液由来加工受託サービスのほか、化粧品の開発・販売等も。卵子凍結あんしんバンクは福利厚生として上場企業中心に導入進む。 記:2024/08/26
6701 東証プライム
12,265
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時価総額 3,346,505百万円
大手ITサービス会社。1899年設立。システム構築等のITサービス事業、ネットワークインフラ等の社会インフラ事業が柱。顔・虹彩などの生体認証に強み。クラウド、モダナイゼーション、生成AIなどの強化図る。 記:2024/08/10
6803 東証スタンダード
84
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時価総額 2,430百万円
音響機器・情報機器メーカー。ハイエンドオーディオ機器、音楽制作・業務用オーディオ機器等を手掛ける音響機器事業が主力。計測機器等の情報機器事業も。戦略製品の導入及び事業領域の拡大等で収益力の向上図る。 記:2024/08/01
6857 東証プライム
9,447
11/22 15:30
+62(%)
時価総額 7,237,734百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6861 東証プライム
65,660
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時価総額 15,969,037百万円
センサや測定器、画像処理システム、制御・計測機器等を手掛けるFAの総合メーカー。製造は国内外の協力会社に委託。取引先は全世界に35万社超。グローバル直販体制が強み。販売力の強化などで海外事業の拡大図る。 記:2024/10/12
6907 東証スタンダード
572
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時価総額 5,235百万円
液晶パネル用帯電防止膜、自動車向けカバーパネル、半導体・電子部品向け薄膜製品の製造・販売を行う。薄膜・加工技術が強み。京セラ、シャープ等が主要販売先。25.3期はタッチパネル用透明導電膜の受注回復見込む。 記:2024/09/03
6920 東証プライム
17,280
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±0(%)
時価総額 1,629,262百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
6981 東証プライム
2,562
11/22 15:30
-8(%)
時価総額 5,099,951百万円
大手電子部品メーカー。コンデンサやインダクタ、EMI除去フィルタ等を手掛ける。チップ積層セラミックコンデンサ等で世界トップシェア。海外売上高比率が高い。コンデンサはモビリティ向けなどで販売増を見込む。 記:2024/06/04
7203 東証プライム
2,664.5
11/22 15:30
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時価総額 42,085,743百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7352 東証グロース
791
11/22 15:30
-14(%)
時価総額 34,246百万円
フリーランスエンジニアと企業を繋ぐマッチングサービス「Midworks」が主力。マーケティングプラットフォームサービス等も手掛ける。エンジニアプラットフォームサービスでは新規案件の獲得などに注力。 記:2024/10/26
7974 東証プライム
8,166
11/22 15:30
-37(%)
時価総額 10,605,103百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
8732 東証スタンダード
474
11/22 15:30
±0(%)
時価総額 16,022百万円
外国為替証拠金取引大手。業界初となる5通貨ペアでのスプレッド0.0銭(売買同値)の提示を標準化。CFD取引やシステム開発業務等も。総口座数は37万口座超。配当性向50%目途。不採算事業の見直し推進。 記:2024/06/04
8905 東証プライム
2,000
11/22 15:30
+7(%)
時価総額 455,128百万円
国内最大級の商業ディベロッパー。イオンのショッピングセンターや商業施設の開発に加え、店舗の運営・管理等を行う。海外のモール開発でも実績。国内の既存モールは収益力回復。26.2期営業利益690億円目標。 記:2024/10/28
9983 東証プライム
49,020
11/22 15:30
+550(%)
時価総額 15,599,193百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17