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薬味多めで:ミックス係数を使って割安なバリュー株を探し出す時のポイント【FISCOソーシャルレポーター】

2020/1/16 9:55 FISCO
*09:55JST 薬味多めで:ミックス係数を使って割安なバリュー株を探し出す時のポイント【FISCOソーシャルレポーター】 以下は、フィスコソーシャルレポーターの薬味多めで氏(ブログ「個人投資家最前線」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。 ---- ※2020年1月12日7時00分に執筆 おはようございます。薬味多めでです。 私は昨年の秋から、これまで需給と値動きの軽さを見る短期トレードを主軸とした投資手法から、優良銘柄を中・長期間保有する投資手法に投資戦略を変更しています。 こうした中で、「いかに割安で、今後の長期的な成長(または繁栄)が望める銘柄なのか」をジャッジメントする自分なりのフィルターを検証しているのですが、アメリカの経済学者であるベンジャミン・グレアム氏が提唱した「ミックス係数」という指標に注目しています。 ■ベンジャミン・グレアム氏とは? ベンジャミン・グレアム氏は「バリュー投資の父」などと言われる経済学者であり、投資家でした。米バークシャー・ハサウェイの会長でもあるウォーレン·バフェットが投資家としての基礎を教わった師匠である事でも有名ですね。「証券分析」や「賢明なる投資家」などの名著も残しています。 ベンジャミン・グレアム氏は、「元本の安全性と満足できる利回り」を重要な投資ポイントとして挙げていますが、こうした銘柄を探す際の判断材料として提唱したのが、「ミックス係数」です。 ■ミックス係数とは? ミックス係数は、当期純利益と純資産から現時点の株価の割安性を評価していこうという指数になります。このミックス係数は、「PER(株価収益率)×PBR(株価純資産倍率)」で求めることができます。 参考までに、いくつかの企業のミックス係数を計算してみます。株価については1月10日終値で算出しています。 ▽トヨタ自動車<7203> 予想PER(20.3期):10.07倍 実績PBR(19.3期):1.12倍 ⇒ミックス係数:11.29 ▽三菱商事<8058> 予想PER(20.3期):8.54倍 実績PBR(19.3期):0.81倍 ⇒ミックス係数:6.89 ▽ソフトバンク<9434> 予想PER(20.3期):14.73倍 実績PBR(19.3期):5.67倍 ⇒ミックス係数:83.52 ベンジャミン・グレアム氏は、ミックス係数が22.5よりも小さな銘柄が割安株だと述べています。ただし、この22.5という数値は米国株に当てはめた時の数値ということで、日本株の場合にはこの更に半分の11.25が妥当という見方もあります。 単純に上記の3銘柄だけで考えると、ミックス係数上では、トヨタ自動車と三菱商事は割安、ソフトバンクは割高といえます。 おおよその目安ではあるのですが、この22.5という数値は、計算上、PERが15倍、PBRが1.5倍水準と考えても良いと思います。 ■バリュー投資を行う際にはミックス係数だけに頼らない事! 市場で放置されている割安な銘柄を適切な価格(安い価格)で先回り投資し、中·長期間に渡って株価の値上がりを待つバリュー投資。こうした手法を実践していく際に、ミックス係数は非常に重宝します。ただし、ミックス係数だけを用いて投資対象の選定をするのはおすすめできません。 先にも述べたように、ミックス係数は低ければ低いほど割安といえますが、あまりにも低い場合には注意する必要があると思います。 例えば、PERが極端に低い銘柄に関しては、成長力への期待値が低い裏返しと考えることができます。また、PBRが低い銘柄に関しては、赤字の会社(もしくは業績の先行きが不安視される会社)や利益率が極端に低いような会社である可能性が考えられます。単純にミックス係数が低いというだけで投資してしまうと、実は斜陽産業で今後の成長も期待できない赤字企業だった、などというオチがつくかも知れません。 長期間のEPS(1株あたりの純利益)やフリーキャッシュフロー、ROE(株主資本利益率)など他の指標と組み合わせて判断する事で、より自信を持って長期間ホールドできるような銘柄を探し出すことができるようになるでしょう。 毎日執筆中のブログでは、チャート画像付きで株式市場で注目されているテーマ株や個別株などの分析を行っています。 一度ブログの方も覗いて頂けますと幸いです。 ---- 執筆者名:薬味多めで ブログ名:個人投資家最前線 《SF》
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