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NYの視点:6月雇用統計で追加利上げの可能性判断へ、サービス関連雇用は強い

2023/7/7 7:43 FISCO
*07:43JST NYの視点:6月雇用統計で追加利上げの可能性判断へ、サービス関連雇用は強い 米労働省が発表する6月雇用統計の市場エコノミスト平均予想で、非農業部門雇用者数は前月比+22.5万人の伸びが見込まれている。失業率は3.6%と、5月3.7%から低下する見込みで労働市場の底堅さが再表明され、FRBの追加利上げを正当化すると見られる。 雇用統計の先行指標のひとつである民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の6月分は+49.7万人と、伸びは5月+26.7万人から縮小予想に反し拡大し昨年2月以降1年超ぶりの大幅な伸びとポジティブサプライズとなった。消費関連の雇用も強い。これに対して景気後退域にある製造業の雇用は低迷している。 全米供給管理協会(ISM)が発表した全米の製造業活動を示すISM製造業の6月雇用は48.1と3カ月ぶりに活動の縮小となる50割れに落ち込んだ。製造業は景気後退域に入っている。一方で、米国経済は消費が7割を占めるため注目となっていたISM非製造業の雇用は53.1と、49.2から活動の拡大となる50台を回復。FRBが懸念しているサービス業関連の雇用は依然強く、FRBの追加利上げ観測を後押しする結果となった。 コンファレンスボードが発表した消費者信頼感指数の現在の雇用状況でも十分は46.8と前年からは低下したが、5月43.3からは改善。不十分は40.8と、36.9から上昇も5月からは低下。困難も12.4と、5月から低下した。将来の雇用状況も雇用の増加すると見ている消費者は15.5と5月13.8から上昇。減少すると見ている消費者は16.0と5月21.1から低下した。全般的に引き続き強い雇用状況が想定される。 短期金融市場では7月の追加利上げをほぼ9割織り込み。続いて年後半にもさらなる追加利上げの思惑も強まりつつある。2年債利回りは16年ぶり高水準。前回2年債利回りがこの水準まで上昇した際、そのあと、2008年には住宅市場の混乱、金融危機、景気後退に陥ったことを考えると、警戒も必要。ドルも伸び悩んだ。 ■6月雇用先行指標 ADP:+49.7万人(予想:+22.5万人、5月:+26.7万人←+27.8万人) ISM製造業雇用:48.1(51.4) ISM非製造業雇用:53.1(49.2) NY連銀景況指数雇用者数:-3.6(-3.3) 週平均就業時間:-5.8(-3.5) 6カ月予想 雇用者数:+15.1(+7.5) 週平均就業時間:+1.0(+1.9) フィラデルフィア連銀景況指数雇用:-0.4(-8.6) 週平均就業時間:-8.2(-7.7) 6カ月予想 雇用者数:+13.1(+12.6) 週平均就業時間:+0.6(-0.2) 週次失業保険申請件数 07/01/23| 248,000| 12,000| 253,250| n/a 06/24/23| 236,000| -29,000| 256,750| 1,720,000 06/17/23| 265,000| 1,000| 256,000| 1,733,000 06/10/23| 264,000| 2,000| 247,250| 1,761,000 06/03/23| 262,000| 29,000| 237,500| 1,772,000 05/27/23| 233,000| 3,000| 229,750| 1,755,000 05/20/23| 230,000| 5,000| 232,000| 1,794,000 05/13/23| 225,000| -6,000| 231,750| 1,789,000 05/06/23| 231,000| -11,000| 237,000| 1,799,000 コンファレンスボード消費者信頼感指数 現在の業況 雇用 十分:46.8(5月43.3、前年同月51.5) 不十分:40.8(44.1、36.9) 困難:12.4(12.6、11.6) 6カ月後 雇用: 増加:15.5(13.8、15.9) 減少:16.0(21.1、22.2) 不変:68.5(65.1、61.9) 所得 増加:16.9(18.4、16.1) 減少:11.9(11.4、15.3) 不変:71.2(69.7、68.6) ■市場予想 ・米・6月非農業部門雇用者数:予想:+22.5万人、5月:+33.9万人) ・米・6月失業率:予想:3.6%、5月3.7%) ・米・6月平均時給:前年比予想:+4.2%、5月:+4.3%) 《CS》