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債務上限交渉は基本合意に達し、ショートカバーが相場を押し上げる格好に

2023/5/29 8:27 FISCO
*08:27JST 債務上限交渉は基本合意に達し、ショートカバーが相場を押し上げる格好に  29日の日本株市場は、ギャップスタートの相場展開になりそうだ。26日の米国市場はNYダウが328ドル高、ナスダックは277ポイント高だった。債務上限交渉で進展が見られたことから、デフォルト(債務不履行)回避への期待から買い優勢の展開。5月のミシガン大消費者態度指数(確報値)や4月の個人消費支出(PCE)物価指数が予想を上回り、経済の強さを示したことも株買いを誘った。また、追加利上げ確率の上昇にもかかわらずハイテクでは人工知能技術革命を期待した買いが続き、相場をさらに押し上げた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比540円高の31500円。円相場は1ドル140円70銭台で推移している。  シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、ギャップアップから始まることになりそうだ。債務上限交渉については、バイデン大統領と共和党のマッカーシー下院議長が27日、基本合意に達した。今後は市場の関心は6月半ばの米連邦公開市場委員会(FOMC)に向かうほか、今週も米雇用統計など重要な経済指標の発表を控えるなか、買い一巡後は次第に利益確定の動きを強めてくる可能性はありそうだ。先物にサヤ寄せして節目の31500円を捉えてくる局面では、達成感も意識されやすいだろう。  ただし、海外投資家による日本株選好の動きは継続するとみられる。先週の調整幅は浅かったこともあり、押し目待ち狙いの海外勢による買いは一巡していないだろう。先週末のリバウンド局面においては、先物市場でレバETFのショートヘッジのための調整買いとみられる商いも観測されており、過熱感や目先的な達成感からショートが入りやすいなか、その後のショートカバーが相場を押し上げる格好になっているようだ。テクニカル面ではボリンジャーバンドの+2σを捉えてくるなか、バンドの切り上がりに沿ったトレンドが継続しよう。  また、先週は指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均をけん引する格好だったが、米国ではマーベルテクノロジーが決算評価から30%を超える上昇となり、他のハイテク株へ買いが波及していた。東京市場においても買いが波及する可能性は高そうだ。また、為替市場ではドル円が1ドル140円70銭台と円安に振れて推移しており、輸出関連への物色が意識されやすいだろう。買い一巡後に調整が見られるようであれば、押し目狙いのスタンスに向かわせそうだ。 《AK》