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月末要因で底堅さを見極める相場展開に

2021/6/30 8:26 FISCO
*08:26JST 月末要因で底堅さを見極める相場展開に  30日の日本株市場は、月末要因への意識からこう着感の強い相場展開になりそうだ。29日の米国市場ではNYダウは9ドル高と小幅に上昇。住宅価格指数が過去最大の伸びを記録したほか、6月消費者信頼感指数もパンデミック前の水準を回復するなど経済指標の強い結果を受けて買い先行で始まった。しかし、四半期末を控えているなかで利益確定の売りに押されており上げ幅を縮小。シカゴ日経225先物清算値は大阪比85円高の28845円。円相場は1ドル110円50銭台で推移している。  シカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まることになろう。昨日の寄り付き直後の下落に対する自律反発も意識されやすいところか。しかし、米国では四半期末を控えて小動きだったほか、景気敏感株を中心に持ち高調整の動きが見られていた。東京市場においても同様な値動きになりやすく、積極的な売買は手控えられやすいだろう。特に昨年9月以降、月末は下落していることからアノマリーとして警戒されている面はある。下落に転じるようだと短期筋のショートの動きも意識されやすい。  そのため、日経平均は28800円辺りでの底堅さを見極める動きとなり、リバウンド機運も高まりづらいと考えられる。もっとも、米国では半導体株が総じて堅調であり、長期金利も低下傾向を続けている。VIX指数は16.02に上昇したが、一時14.10まで低下する局面も見られており、センチメントは悪くないだろう。指数インパクトの大きい値がさハイテク株などが底堅い値動きを見せてくるようであれば、昨日の下落に対するショートカバーの動きから切り返す可能性も想定されやすく、アノマリーを打ち消す展開も期待される。  一方で、新型コロナウイルス感染症では東京都の新規感染者数が前の週からの増加が続いているため、4回目の緊急事態宣言発出への懸念も高まっていると考えられる。報道等からショートを仕掛けてくる動きには注意しておきたいところ。ただし、月末の下落は想定していることから、調整局面に対しては押し目を狙うスタンスにも向かいやすい。また、インデックスに絡んだ影響を避けるうえでも、マザーズ銘柄など中小型株での短期的な値幅取り狙いの商いに向かわせやすいと考えられる。 《AK》