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米中貿易摩擦の先行き懸念後退もハイテク株は手掛けづらく
2018/12/12 8:47
FISCO
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*08:47JST 米中貿易摩擦の先行き懸念後退もハイテク株は手掛けづらく 12日の日本株市場は、中国による米国車の輸入関税引き下げの検討が伝わったことを手掛かりに、買い先行の展開になろう。ただし、不透明感が払しょくされた訳ではなく、商いが膨らみづらい中、買い一巡後は次第にこう着感が強まろう。11日の米国市場はまちまちの展開。米中貿易摩擦の先行き懸念が後退し買いが先行したが、トランプ大統領がメキシコ国境の壁建設に関する予算確保を巡り政府機関閉鎖も辞さない構えを示し、政権運営への懸念から不安定な相場展開となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比215円高の21345円となり、朝方はこれにサヤ寄せする格好となろう。円相場は1ドル113円30銭台で推移している。 中国は米国製自動車に対する関税を現行の40%から15%に引き下げる案が国務院に提出されており、数日以内に検討されると一部メディアが伝えている。中国が譲歩する格好から米中貿易摩擦の先行き懸念が後退することは、一先ず安心感につながる。一方で、中国でカナダの元外交官が拘束されたと報じられており、ファーウェイの幹部を拘束した報復ともみられており、不透明感は根強い。また、メイ英首相は欧州連合(EU)からの離脱協定をめぐる下院採決を先送りし、EUと内容の変更について再協議する意向を示しており、英国のEU離脱の行方も手控え要因になる。 その他、世界の半導体製造装置の来年の販売額は、米国と中国の貿易摩擦の影響などで4年ぶりに減少するという予測が出ている。また、ソフトバンクグループが2019年の早い時期に画像処理半導体(GPU)大手エヌビディアの株式を売却する計画が複数の関係者の話として伝えられており、ハイテクセクターへの重石になるだろう。 さらに、週末に先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)が控えており、波乱のSQが警戒されやすい状況でもある。限月交代によるロールオーバー中心の商いとなり、仕掛け的な商いは限られるだろうが、振り幅の大きい相場展開でもある、ヘッジに伴う商いで振らされやすい面はある。ソフトバンクの上場を控え、一先ず2兆円超の資金が凍結されることから、マザーズなど中小型株の動向も不安定である。トレンドの強い銘柄などへは短期筋の資金が向かう展開も散見されているが、ソフトバンク購入のための換金売り等もあるようだ。 とはいえ、主力処は海外勢の資金流入も減少傾向に向かうとみられるほか、リバランス中心の商いとなり、中小型株に資金が向かいやすい状況ではある。IPOラッシュとなるなか、上場後の資金還流も意識されるところ。来週のソフトバンク上場後は大量の資金還流も期待されるため、調整局面の中で、成長企業等を冷静に拾いたいところだ。マザーズ指数は6営業日続落となり、一目均衡表では雲下限まで調整している。反転が期待されるタイミングではある。 《AK》
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