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まさかのスタグフレーション懸念浮上のなかファンダ重視の理想的な相場に

2021/7/7 12:15 FISCO
[日経平均株価・TOPIX(表)] 日経平均;28363.82;-279.39TOPIX;1938.42;-16.08 [後場の投資戦略]  本日の日経平均は、朝方はオーバーシュート気味に下落したが、さすがに28000円が近づいたところでは下げ渋った。そこから一時28400円台にまで戻したところを見る限り、28000円がボトムとして強く意識されている様子。  米ISM非製造業景況指数が市場予想を下回ったことで景気鈍化が意識され、世界の景気敏感株とも呼ばれる日本株が売られているとの市況解説もあるが、米ISM非製造業景況指数はそれでも好不況の目安である50を大幅に上回る60超えを4カ月連続で記録している。また、ISMの“製造業”の方の指標鈍化と日本株売りを結びつけるのならまだしも、“非製造業”と結びつけるのは若干の違和感を抱く。、また、鈍化とはいえ、60超えの高水準であることから、これが日経平均の500円近くの急落要因と考えるのもやや違和感。  一方、原油高で企業のコスト増が意識されるなか、米長期金利が2月下旬以来の1.3%台にまで大幅に低下したことには目を引く。原油価格の上昇基調が強まるなか、再びインフレ懸念が強まる可能性も想定されたが、期待インフレ率の指標とされる米10年物ブレークイーブン・インフレ率は6日、2.31%と、前週末の2.33%から低下。5月10日に記録した2.54%をピークとした下落トレンドが継続している。  景気の先行きが強いときには、通常、期待インフレ率が上昇しながら長期金利も上がるが、前日は、期待インフレ率が低下するなか、長期金利は4カ月半ぶりの安値を記録した。原油高によるコスト増の懸念も踏まえると、市場は、将来のスタグフレーション(物価上昇と景気後退の併存)を織り込みにいっているかのようにも見受けられる。この解釈であれば、製造業を中心にグローバルな景気敏感株の多い日本株が売られることとも整合性がつく。  ただ、材料不足、人手不足で供給が追い付いていない需給ひっ迫の状態は当面続く見込みで、経済指標もモメンタムでは鈍化しても、ヒストリカルで見た際にはかなりの高水準が当面続くと想定される。もし、上述の動きがスタグフレーションを織り込みにいく動きだとするならば、さすがに、行き過ぎの印象も受ける。少なくとも、日経平均の500円超の下落要因としてはやや説明不足な印象だ。  それはよりは、日本特有の需給イベントを前に、米経済指標の鈍化をとっかかりに短期筋が先物主導で売りを仕掛けているといったところではないだろうか。東京市場では、明日から週末にかけては上場投資信託(ETF)の分配金捻出に伴う売りが7000~8000億円規模で発生する見込み。かねてから、相場の短期的な下落要因として多くの場所にて言及されていただけに、これを直前に警戒感が高まっているところに、短期筋が仕掛けてきても不思議ではない。  実際、個別株の動きをみると、信越化学のような値がさ株の下落幅が大きい。その後下げ渋っているが、ファーストリテやソフトバンクGといった指数インパクトの大きい銘柄も朝方の下落率は大きめだった。また、個人が手掛けることが少ないキッコーマン<2801>が大きく下げているところを見ると、インデックスに絡んだ売買も嵩んでいると思われる。  ただ、これだけ指数が下落している中でも、キーエンス、SMC<6273>といったFA関連株のほか、村田製作所、イビデン、日本電産、レーザーテックなど、主力株でもしっかりとした動きのものが散見される。決算シーズンが近くづくなか、業績が好調ながらも株価の調整期間が長かった分、戻りが期待できるものなどを対象に選別物色が進んでいる様子。  また、新興市場では直近IPOが引き続き賑わっており、OPS<7699>、アイドマHD<7373>、ベイシス<4068>、アルマード<4932>などを筆頭に大幅に値上がりしているものが多い。ただ、IPOの中でも、業績が好調で引き続き高い成長が見込めるものなど裏付けがある銘柄は買い進まれる一方、そうでない銘柄は放置されている印象で、IPOに対する投資家の目線も甘くはないようだ。  昨年はほとんど需給主導の相場だったが、今年は徐々にファンダメンタルズを重視した理想的な形に移ってきている。これは、投資家目線では本来喜ばしい出来事ではないだろうか。 《AK》
関連銘柄 6件
2801 東証プライム
1,909
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時価総額 1,850,615百万円
しょうゆメーカー最大手。しょうゆに加え、つゆやたれ、トマト加工品、缶詰等の食品、野菜飲料や豆乳の飲料、酒類を製造、販売する。今期3Q累計は国内のしょうゆや食品が堅調に推移した。海外も食品が堅調だった。 記:2024/04/07
4068 東証グロース
1,239
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時価総額 2,298百万円
携帯電話基地局の設置工事や保守・運用を行うエンジニアリング会社。IoTエンジニアリングサービスに経営リソース集中。24.6期2Q累計はIoTエンジニアリングサービスが増収。サービスの拡充等が奏功。 記:2024/02/25
4932 東証スタンダード
1,455
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時価総額 15,123百万円
独自開発の卵殻膜原料を配合した女性用化粧品・サプリを開発・販売。直販主体にTV通販やOEMも。24.3期3Q累計は直販の新規客獲得が増勢に。新規育毛サプリ貢献などでTV通販も伸長。通期二桁増収増益を計画。 記:2024/03/12
6273 東証プライム
84,850
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時価総額 5,716,260百万円
空気圧制御システムメーカー。空圧機器、自動制御機器、各種濾過装置を製造。エア漏れ可視化技術に定評。国内外で製品供給体制の強化図る。半導体業界向け販売は足踏み。販管費は増加。24.3期3Qは業績伸び悩む。 記:2024/04/09
1,713
5/7 13:12
+25(%)
時価総額 26,026百万円
中小企業の営業や業務を支援する法人向けサービスを展開。在宅ワーク特化の求人サイト等も手掛ける。業務効率化の支援等の育成図る。営業支援は売上堅調。24.8期1Qは2桁増収。販管費の増加等が収益面の重し。 記:2024/01/28
530
5/7 12:30
+1(%)
時価総額 0百万円
シンガポールに拠点を置く機能性樹脂の販売会社。開発・製造も。売上の大半が東南アジア向け。伊藤忠商事と親密。24.3期上期は汎用樹脂、機能性樹脂ともに需要が冴えず。金利上昇に伴う金融費用増も最終益の重石に。 記:2024/01/17