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米雇用統計前のもみ合い継続、アフターコロナ関連にしばし脚光
2021/6/2 12:25
FISCO
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[日経平均株価・TOPIX(表)] 日経平均;28946.84;+132.50TOPIX;1942.50;+16.32 [後場の投資戦略] 前日に発表された5月のISM製造業景況指数は61.2と、前月の60.7から上昇し、市場予想の61.0も小幅ながら上回った。新規受注が64.3から67.0へと大きく上昇し、約17年ぶりの高水準となる一方、入荷遅延の指数は75.0から78.8へと上昇し、1974年4月以来の高水準に。仕入れ価格指数も89.6から88.0へ僅かに低下したが、依然、リーマンショックに端を発する景気後退局面入り直前の2008年半ば以来の高水準にあることを考慮すると、原材料市況の逼迫感が伝わってくる。そのほか、生産指数が62.5から58.5へ、雇用が55.1から50.9へとそれぞれ4ポイント以上低下したことなども踏まえると、製造業者が原材料不足や労働者の確保困難といった問題から、強い需要に対応した供給ができていない状況が引き続き窺える。 共和党が知事を務める州の多くでは、失業手当の延長を廃止する動きが出ていることや、週次の新規失業保険申請件数がパンデミック以降の最低水準を更新し続けていることを踏まえれば、今後、労働市場での需要と供給のバランスは取れてくると予想されるが、今回の、ISMの雇用項目の結果をみる限り、失業者の労働市場への復帰はまだまだ道半ばなのかもしれない。 次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、委員会メンバーの金利見通しを示すドットチャートの発表があるほか、テーパリング(資産購入縮小)議論への踏み込みがあるかどうか、など、非常に注目点が多い。ただ、これまでの雇用に関する指標には、バラつきがあり、改めて今週末の雇用統計への注目度が高まってきた。これを確認するまでは、どうにも方向感が掴みにくく、今週の株式市場は週末まで一進一退の展開にとどまりそうだ。 しかし、こうした中でも、物色が全く見られないわけではなく、前週同様、アフターコロナ関連株の戻り基調が鮮明だ。政府は新型コロナウイルスのワクチンに関し、高齢者向けの確保にめどがついたとみて12~64歳の一般向けの接種にも本格的に着手するとし、今月21日からは職場や大学でも接種できるように体制を整えていく方針と伝わっている。遅れていた国内でのワクチン接種スピードが一段と加速してきていることを窺わせるニュースフローが増えており、陸運、空運、旅行サービス、レジャーなど、関連銘柄の戻り基調が強まっている。 商品市況でのインフレ進展が小休止していることで鉄鋼や非鉄金属などの資源関連株については、これまでのように一本調子での上昇が見込みにくくなっている。また、半導体などハイテク株も、米雇用統計や次回のFOMCを確認するまでは動きにくい。これらを踏まえると、ワクチン接種の加速という確かな事実と、これまでの出遅れ感の解消が見込みやすい、アフターコロナ関連が脚光を浴びる展開が少なくとも今週いっぱいは続くと見ておきたい。 《AK》
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