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アクセル Research Memo(6):2024年3月期は増収減益を見込むも保守的な印象

2023/8/4 12:06 FISCO
*12:06JST アクセル Research Memo(6):2024年3月期は増収減益を見込むも保守的な印象 ■今後の見通し 1. 2024年3月期の業績見通し アクセル<6730>の2024年3月期の連結業績は売上高で前期比6.7%増の15,440百万円、営業利益で同6.5%減の1,510百万円、経常利益で同15.6%減の1,530百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同18.8%減の1,100百万円と増収減益を見込む。LSI開発販売関連、新規事業関連ともに増収となるものの、LSI開発販売関連における製品ミックスの変化や仕入コストの上昇による原価率の悪化が減益要因となる。 売上総利益率は前期比2.0ポイント低下の29.4%となり、売上総利益はほぼ横ばいの4,540百万円を見込む。販管費は研究開発費が同1.4%減と減少するものの、人件費を中心にその他販管費が増加し、全体では同3.4%増を計画している。また、営業外で前期計上した助成金収入114百万円や投資事業組合運用益77百万円が無くなるため、経常利益段階では減益となる。 事業セグメント別で見ると、LSI開発販売関連の売上高は前期比5.7%増の14,640百万円となる見通し。同社が開示している売上構成比から試算すると、G-LSIは同22%増の約49億円、メモリモジュールを含むその他LSIで同1%減の約97億円となる。 計画の前提となるパチンコ・パチスロ機の出荷台数は前期の158万台から150万台と約5%の減少を想定している。G-LSIの販売個数は業界シェア約50%を維持し、リユース率が前期の30%から20%に低下することを前提に、前期の51万個から53万個に販売個数が増加する見通しとなっている。一方、メモリモジュールの販売個数は業界シェア約80%を維持し、リユース率が前期の10%から20%に上昇することを前提に、前期の103万個から84万個に減少する見込みとなっている。 ただ、前下期から新たに導入されたスマートスロット機が人気となっており、遊技機メーカーの市場見通しではパチンコ機の減少をスロット機の増加でカバーし、全体では前期比1ケタ台の増加になるとの見通しが主流となっている。今後の動向を見極める必要はあるものの、前期並みの水準を維持する可能性は十分にあると弊社では見ている。また、前期末の受注残高が24,184百万円と高水準となっているが、このうち2025年3月期納品分が100億円程度含まれているものと見られる。前期もサプライチェーンリスクの高まりにより、遊技機メーカーが先行発注する動きが続いたためだ。逆に見れば残りの受注残高分で今期の売上計画を達成できることになる。ヒット機種が登場し、追加増産となれば売上高の上振れ要因となる。 一方、新規事業関連の売上高は前期比28.6%増の800百万円、セグメント損失に関しては、NEDO公募事業に係る開発費用が無くなることもあり前期比で2億円程度の縮小を見込んでいる。 機械学習/AI、Web3.0(ブロックチェーン技術)領域にリソースを傾注し、アライアンス・M&A戦略も推進しながら売上規模を拡大していく方針だ。2023年5月にはAI音声認識ライブラリ「ailia AI Speech」をリリースし、自動音声入力ソリューションの拡販活動を開始した。製造ラインで手を使わずに音声入力だけで操作できるソリューションや、医療分野における問診やカルテの音声入力など様々な利用シーンでの活用が期待される。 また、同年5月にはWeb3.0関連の要素技術を取り入れたコンテンツ流通基盤ソリューションを展開する&DC3及びその親会社のセルシス<3663>と戦略的パートナーシップを締結した。同社が保有するアプリケーション暗号化技術を使用したライセンス管理ソリューションを共同開発し、&DC3のコンテンツ流通基盤に組み込むことで、同プラットフォームのセキュリティ向上を図り、幅広いコンテンツの流通を可能とすることで、Web3.0ベースの流通プラットフォームの価値を高めていく戦略だ。同社は今後も高いセキュリティ技術を強みにWeb3.0領域への展開を進めていく予定だ。 そのほかにも潤沢な手元キャッシュを生かしながら、シナジーが期待できる企業とのアライアンスやM&Aを積極的に進めていく方針だ。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《SI》
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