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MDNT Research Memo(3):「細胞加工業」「再生医療等製品事業」で“両利きの経営”を行う
2022/7/6 16:03
FISCO
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*16:03JST MDNT Research Memo(3):「細胞加工業」「再生医療等製品事業」で“両利きの経営”を行う ■会社概要 2. 事業概要 (1) 事業ポートフォリオ メディネット<
2370
>は、「細胞加工業」及び戦略事業として「再生医療等製品事業」を展開している。細胞加工業は特定細胞加工物製造業(2021年9月期の売上比76.1%)、CDMO事業(同14.9%)、バリューチェーン事業(同9.0%)から構成されている。主に、企業、大学、医療機関・研究機関から臨床用の細胞加工及び治験用の細胞加工物製造の受託、再生・細胞医療、細胞培養加工施設の運営管理、細胞加工技術者の派遣・教育システム等の提供を行っている。 再生医療等製品事業は同社の研究開発のほか大学病院等との共同研究を通じて、再生医療等製品の製造・販売承認取得を目指し、上市するための研究開発を行っている。また、国内外で行われている再生医療等製品の開発同国にも注目し、有望な技術・物資等を持つ企業等とのアライアンスによるパイプラインの拡充を視野に入れた活動を行っている。なお、同事業においては、再生医療等製品の開発段階にあるため、事業収益はまだ発生していない。同社の“両利きの経営”は緒に就いたばかりで、これからいくつも高い壁を乗り越えて行かねばならない。これからの同社の手腕に注目したい。 (2) コア事業としての細胞加工業 細胞加工業のうち特定細胞加工物製造業は、医療機関からの依頼に基づき、再生・細胞医療で用いる治療用の細胞(特定細胞加工物)を製造している。CDMO事業は、製薬会社などからの依頼に基づき、再生医療等製品及び治験製品を製造している。バリューチェーン事業は顧客との関係構築のために、細胞加工技術者派遣、細胞培養加工施設の製造品質体制に対する教育、新規細胞培養加工施設の設計・据付のコンサルティングなどを行っている。 2014年に施行された「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づき、2015年5月に品川細胞培養加工施設は「特定細胞加工物製造許可」を取得した。免疫細胞治療にかかる細胞加工に加え、体細胞・幹細胞・iPS 細胞などの多様な細胞加工の製造開発を受託することを視野に入れた特定細胞加工物の製造受託や、再生・細胞医療製品の開発から商業生産まで対応が可能となった。これに伴い、同社は医療法人社団滉志会※に対して3つの細胞培養加工施設(新横浜・大阪・福岡)を提供し、免疫細胞療法総合支援サービスを行っていたが、従来の「免疫細胞療法総合支援サービス」契約を終了し、2017年9月に「特定細胞加工物製造委受託」契約に切り替えた。医家向けの細胞加工から再生医療等製品の製造まで実施することとなり、細胞加工業における製造体制の効率化を図るため、2019年4月までに各細胞培養加工施設を品川細胞培養加工施設に統合した。 ※ 医療法人社団滉志会:国内初のがん免疫細胞治療の専門機関である瀬田クリニックグループの組織。 (3) 「がん免疫細胞治療」が越えなければならない壁 がん免疫細胞治療は現段階で保険適用になっておらず“自費診療”となっている。保険適用に至るためのエビデンスデータの不足・未整備は否めない。実際に、同社の業績にも医師の自費診療に対する拒否反応が大きく影響している。 抗がん剤(保険適用)は患者の費用負担を軽減させることができる。しかしリスクもあり、治療に用いればがんは小さくできるが、治療を継続するとがんに耐性ができることがある。耐性ができると徐々に治療の効果が薄くなり、がんは完全消滅せずにまた大きくなってしまう。すると2nd、3rdラインの抗がん剤投与が始まり、最後には使用できる抗がん剤がなくなってしまう恐れがある。一般的に、標準治療ではがんが細胞レベルで完全に消失することはないと言われている。しかし、がん免疫細胞治療は体内に残存するがん細胞を細胞レベルで攻撃し、再発・転移を抑制させることを目的とする治療法で、標準治療(手術、放射線治療、抗がん剤)と併用すれば相乗効果も得られる。 前述のとおり、がんの治療法は主治医が選択するため、患者自身ががん免疫細胞治療を希望するも、保険適用外となる治療は行わない方針の主治医は多い。がん免疫細胞治療は、保険承認を目指すため、有償で臨床試験しエビデンスデータを出していく必要がある。ただし、エビデンスデータの収集・蓄積には数年間に及ぶ時間を要する。最新の治療を保険診療として誰もが受けられるものとするためには、越えなければならない壁と言える。 (4) 戦略事業としての再生医療等製品事業 一般論として、「深化」は企業の事業収益の屋台骨を支えるものだが、「深化」だけを追求するとやがて成長の限界を迎えてしまう。そこに「探索」が加われば、自社が限界を迎える前に持続的成長を推進する選択肢を得やすくなる。企業総体としては、「深化」「探索」の両方(“両利きの経営”)があると良い。 同社は、2003年東証マザーズ株式上場のころから再生・細胞医療の研究開発に着手した。免疫細胞療法総合支援サービスだけでは事業拡大の限界を感じており、再生医療等製品の開発が不可欠という考えがあったためだと言う。2017年には「再生医療等製品の製造販売承認」の取得や、自家細胞培養軟骨(開発番号MDNT01)の日本国内での製造と販売のライセンス契約締結の事業化を目指し、再生医療等製品事業の原型ができあがった。現在は自家細胞培養軟骨を筆頭に、「慢性心不全治療を目的とした再生医療等製品の実用化」(九州大学との共同研究開発)、「HSP105由来ペプチドに関連したがん免疫療法」(国立がん研究センターとの共同研究開発)、「自己中和抗体産生に起因する病態に対する特異的B細胞除去」(京都府立医科大学との共同研究開発)などの研究開発を進めている。同社は、早期に製品化が可能な開発候補の選定を進める方針である。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司) 《EY》
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メディネット
41
11/26 15:30
-1(%)
時価総額 10,845百万円
体細胞や体性幹細胞など特定細胞加工物製造受託、免疫細胞治療用細胞加工受託、再生医療等製品・治験製品の製造受託等を手掛ける。再生医療等製品事業は開発加速で早期の収益化図る。特定細胞加工物の受託拡大に注力。 記:2024/08/02
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