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8月のくりっく365、ドル・円はじり安、ユーロ・円は弱含みか

2024/8/2 15:33 FISCO
*15:33JST 8月のくりっく365、ドル・円はじり安、ユーロ・円は弱含みか 東京金融取引所(TFX)が手掛ける取引所為替証拠金取引「くりっく365」は、7月の取引数量が前月比18.7%増の274万7854枚、1日の平均取引数量は11万9474枚と前月比で増加した。月末時点の証拠金預託額は5479.49億円と前月比で5.78億円減少した。取引通貨量では、米ドル、トルコリラ、メキシコペソ、南アフリカランド、豪ドルの順となった。一方、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」は、7月の取引数量が前月比43.8%増の520万9549枚、1日の平均取引数量は22万6501枚と前月比で増加した。月末時点の証拠金預託額は1078.49億円となり、前月比で106.26億円の減少となった。 取引数量トップは米ドル・円で77万416枚(前月比55.8%増)であった。月初めは1ドル=160~161円台で推移していたが、7月11日の米消費者物価指数(CPI)発表が行われた数分後に、ドル・円が一時1ドル=157円台まで下落。さらに、12日の卸売物価指数(PPI)発表後にも円が急騰し、政府・日銀の為替介入実施とみられる動きに市場では警戒感を強めた。さらに米大統領選で優勢とみられているトランプ前大統領が円安けん制発言を行ったほか、日本の与党政治家から追加利上げを求める発言が続いたことにより月末の日銀金融政策決定会合での利上げ実施への警戒感が高まり、投機筋による円売りポジションの巻き戻しが急速に広がった。30-31日に開催された日銀金融政策決定会合では国債購入減額計画の決定とともに利上げ実施が決定。植田日銀総裁は会見では年内追加利上げも辞さないタカ派的姿勢を示したため、更にドル・円は下落し1ドル=150円を割れた。 トルコリラ・円は60万7921枚(前月比90.2%増)であった。円キャリートレードの巻き戻しにより、トルコリラ・円も連れ安となった。中央銀行の金融引き締め方向への転換を好感し、7月19日に格付け会社ムーディーズはトルコの格付けを「B3」から「B1」へ格上げ。23日にはトルコ中央銀行が政策金利据え置きを決定しタカ派的な姿勢を表明しているなどはリラ買い材料となったが、ドル・円大幅下落の影響が大きくリラ・円の下落基調は止まらなかった。また、エルドアン大統領が28日にイスラエルへの軍事介入を示唆する発言を行ったことで地政学的リスク上昇への警戒感がリラ売りにつながり、月末には史上最安値圏となる1リラ=4.5円台へ突入している。 8月のドル・円はじり安か。植田日銀総裁は年内追加利上げへも前向きな姿勢を示していたため、投機筋の円売りポジションが再び積み上がる展開は想定しにくい。また、7月30-31日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に開かれたパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の会見では、9月の利下げ実施について言及され、市場では米国の9月利下げ実施がほぼ完全に織り込まれた状況となったため、基本的にドル安・円高基調となりそうだ。一方で、円高転換を待っていた輸入企業によるドル買いや新NISA(少額投資非課税制度)を通じた円売りがドル・円を下支えするとみられる。また、強い米経済指標発表などで米利下げ期待が後退するとドル買いの巻き戻しが起きる可能性も否定できない。 ユーロ・円は弱含みか。円キャリートレードのポジション巻き戻しの影響で、円高主導の動きがベースとなるだろう。7月18日に欧州中央銀行(ECB)は政策金利の据え置きを決定したが、市場では9月か10月にも追加利下げを行うとの見方が浮上してきている。日本は年内追加利上げ観測も出てきているため、ユーロ安・円高となりやすいだろう。ただ、ユーロ圏の経済指標はまちまちな結果となっており、材料不足の状態ではドル・円の値動きの影響を強く受けることとなりそうか。 《CN》