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FOMCや雇用統計など各種指標に注目

2022/10/31 12:27 FISCO
[日経平均株価・TOPIX(表)] 日経平均;27529.33;+424.13TOPIX;1922.71;+23.66 [後場の投資戦略]  本日の日経平均株価は、大幅反発でスタートした後上値の重い展開が続いている。米株高の流れを受けて本日の日経平均は買いが先行。ただ、今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えている他、足元でのロシアの穀物輸出合意停止などもあって、買い一巡後は徐々に手掛けにくさが強まるとの指摘も市場からは聞かれている。そのほか、アジア市況は軟調に推移、米株先物も売り優勢の展開が続いている。  新興市場はもみ合い展開が続いている。マザーズ指数は上昇してスタートした後朝方にかけて急速に上げ幅を縮小、前場中ごろにかけてマイナス圏に転落した。その後プラス圏に浮上するもさえない展開。一方、グロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は上昇してスタートした後、日経平均と同様にプラス圏での堅調もみ合い展開となっている。ナスダックが大幅高となっており、米長期金利がピークに接近しているとの見方が広がったことは国内の個人投資家心理の改善に繋がっている。前引け時点で東証マザーズ指数が0.13%高、東証グロース市場Core指数が0.77%高で時価総額上位銘柄が堅調に推移している。  さて、先週は米国の大企業の決算発表が相次いだ。GAFAMはアップルが相対的にましな決算となったが、それ以外は総じて市場の期待値に未達で米ナスダック総合指数の大幅下落に繋がり、国内の投資家心理にもネガティブに働いた。  今週からは、重要なイベントが目白押し。11月2日には連邦公開市場委員会(FOMC)が最新の政策金利決定を発表する。イングランド銀行(英中央銀行)も金融政策委員会(MPC)を今週開催、いずれも75ベーシスポイントの利上げ決定が予想されている。FOMCでは、リセッションリスクの高まりにも関わらず、インフレ抑制に動く積極姿勢を引き続き示す見通しだが、今後の道筋についてヒントを与えるとみられ、積極的な利上げペースを緩和する方針を示唆することもあり得る。  2日後の4日には、10月の米雇用統計が発表される。失業率は前月比0.1ポイント悪化の3.6%、非農業部門就業者数は前月比20.0万人増(9月は26.3万人増)程度と予想されている。雇用ペースがどの程度鈍化しているかを見極める重要な指標となるため、注目が集まっている。8日には中間選挙が実施される。議会多数派の交代が決まる可能性があるため、政局の動向にも注意が必要だろう。  10日には、消費者物価指数(CPI)が発表される。現時点の市場予想は、いまだに8%を超える前年同月比8.1%の上昇。サマーズ元米財務長官は27日のツイートで、「8%のインフレ率を低下させる展望は非常に暗い」、インフレ率低下のコンセンサス予想は過去の実績から著しく逸脱していると述べている。ただ、仮に10日に発表されるインフレ率が市場予想を大きく下回ると株高材料となりそうだ。  毎週月曜日の当欄では、常々年末にかけて一旦の反発が起こる可能性があることを示唆してきた。GAFAM決算は大敗したものの、利上げペース鈍化を想定していることが追い風となっている。ただ、前述の今週の各種イベント後の値動きには注意しておきたい。今後も、筆者の想定に変化はなく、世界的に様々なリスクが散見されるなか年末にかけて一旦の反発があったとしても来年以降大きく下落する可能性があることを念頭に置いている。さて、後場の日経平均は、堅調もみ合い展開が続くか。米株先物の動向を横目に、個別に材料が出た銘柄中心に物色が継続して向かうか注目しておきたい。 《AK》