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イノベーション Research Memo(3):「ITトレンド」と「List Finder」が主力サービス(1)

2024/3/29 13:13 FISCO
*13:13JST イノベーション Research Memo(3):「ITトレンド」と「List Finder」が主力サービス(1) ■イノベーション<3970>の会社概要 2. 事業内容 同社グループの主な事業内容は、法人向けのインターネットマーケティング支援事業である。つまり、法人営業における見込み顧客獲得(リードジェネレーション)や見込み顧客の育成(リードナーチャリング)、顧客獲得後のフォローアップまで、すべてのプロセスにおいてサービスを提供していることが特徴となっている。見込み顧客獲得のサービスとしてはIT製品の比較・資料請求サイトの「ITトレンド」、見込み顧客育成から顧客獲得後のフォローアップをMAツールの「List Finder」で、それぞれサービス提供する格好となっている。事業セグメントは、オンラインメディア事業、ITソリューション事業、金融プラットフォーム事業、VCファンド事業の4つに区分されている。 (1) オンラインメディア事業 オンラインメディア事業は、B2B商材のマッチングプラットフォームである「ITトレンド」を中心に展開している。また、B2B特化の動画プラットフォーム「bizplay」やB2B特化のイベントプラットフォーム「ITトレンド EXPO」も手掛けている。 「ITトレンド」は、勤怠管理システムや会計システムなどの法人向けIT製品やアウトソーシングサービスを提供する企業(以下、掲載企業)が見込み顧客の獲得を目的として自社製品・サービスを掲載するWebサイトである。掲載数や集客力は業界最大規模を誇っている。新たなIT製品やアウトソーシングサービスなどの導入を検討する企業が「ITトレンド」に来訪し、掲載されている製品・サービスの中から関心のある品目を一括して無料で資料請求できる仕組みとなっている。 ビジネスモデルとしては、資料請求が行われた段階で掲載企業から成果報酬(1件当たり12,000円が主流)が発生し、これが同社の売上となる。掲載企業から見れば、自社の製品・サービスに関心度の高い見込み顧客の獲得コストとして1件当たり12,000円を支出することになるが、最終的な成約率まで考慮すれば、検索エンジン広告や有力メディアへの広告出稿やSEO対策を実施するよりも費用対効果としては大きい。このため、大手企業だけでなく営業リソースが不足しているベンチャー企業や中小企業なども見込み顧客獲得のための有力ツールとして「ITトレンド」を活用しており、結果、多くの製品・サービスが同サイトに掲載されるようになっている。同社の費用としては、Webサイトを運営するためのサーバー費用のほか、掲載する製品・サービスの紹介文などの作成及び顧客対応に携わる人員の人件費、Webサイトの認知度を向上させ、来訪者を増やしていくためのインターネット広告費などとなる。費用としては広告費を除けばほぼ固定費となるため、限界利益率の高いビジネスモデルとなっている。 資料請求件数を増やすための施策としては、掲載製品数を拡充していくと同時に同サイトへの来訪者を増やしていくこと、CVRを高めていくことが重要となる。現在、来訪者の流入経路としては検索エンジンを経由したものが約7割を占めているため、検索エンジンで上位表示されるようなSEO対策が重要となる。 なお、競合する比較・資料請求サイトとしては、マネーフォワード<3994>が2019年11月に子会社化したスマートキャンプ(株)の「ボクシル」のほか、アイティメディア<2148>の「キーマンズネット」などがある。IT製品の比較サイトが複数あるなかで同社の強みとしては、「掲載企業を増やし維持するノウハウ」「見込み顧客を獲得するノウハウ」の2点が挙げられる。「掲載企業を増やし維持するノウハウ」としては、業界知識や組織的な営業力を生かした直接販売による新規開拓力を持つこと、また、掲載企業の見込み顧客獲得後の「フォロー方法」や「管理手段」まで踏み込んだフォロー体制を構築し、掲載企業の売上向上サポートにも注力している点が挙げられる。 「見込み顧客を獲得するノウハウ」については、サイトへの来訪者数をいかに増やせるかが重要なポイントとなるが、同社ではリスティング広告代理事業やSEO事業で培った検索エンジンからサイトへの集客力向上施策にノウハウ(キーワード検索で上位表示されるようなサイト構造の最適化など)を持っているほか、日経BPなどのパートナーを通じたサイト集客施策(メールマガジン配信など)も強みとなっている。また、長年のサイト運営で培った「問合せ率」向上のためのサイト最適化ノウハウも有しており、高いCVRにつながっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹) 《SO》
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