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ネクスグループ Research Memo(5):2023年11月期は減収減益。早期黒字化に注力する(1)

2024/3/5 13:55 FISCO
*13:55JST ネクスグループ Research Memo(5):2023年11月期は減収減益。早期黒字化に注力する(1) ■業績動向 1. 2023年11月期の業績概要 ネクスグループ<6634>の2023年11月期の連結業績は、売上高が802百万円(前期比70.9%減)、営業損失が211百万円(前期は427百万円の利益)、経常損失が150百万円(前期は529百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失が657百万円(前期は806百万円の利益)となった。メタバース・デジタルコンテンツ事業では、主力作品である「静かなるドン」を中心に増売施策の実施と新規読者獲得に注力した。IoT関連事業では、新商品である5Gモデムの導入が計画に対して不芳となった。これは、MVNO事業者へのサービス開始時期や、ローカル5Gにおける基地局性能改善などの整備が当初予定に対して遅延したことが主な要因である。また、自動車の自己診断機能であるOBDII端末は、不具合対応が影響し、新規の端末調達受注が当初の予測を下回った。暗号資産投資事業では、取引の対象となる暗号資産の相場低迷や予定していた大型取引の見送りなどの理由により、当初見込んでいた売上高を下回った。また、同社が保有する投資有価証券の減損処理を実施したため、投資有価証券評価損を特別損失として計上した。2023年11月期は前期比で減収減益となるも、事業構造改革の実施により各セグメントの収益体質は確実に改善している。2024年11月期においても、収益力の強化に向けた各種施策を着実に進めており、各セグメントはもとより全社的な黒字化の蓋然性も高まっていると弊社では見ている。 IoT関連事業では、5Gデータ端末「UNX-05G」が、2023年4月に富士通<6702>のローカル5Gスタンドアロンシステム「Fujitsu Network PW300」との接続性を検証する「接続検証プログラム」を通過し、接続検証済製品として認定された。ローカル5G基地局の仕様は各企業によって異なり、その中で整合性や接続の可否を含めたテストを通過する必要がある。海外の5Gデータ端末の場合、各企業が提供する基地局ごとにカスタマイズすることは困難であるが、同社が提供する5Gデータ端末ではフレキシブルな対応が可能である。これは、モバイル通信機器に関する技術力を有する、同社の大きな強みであると弊社では考える。ローカル5Gを含む各通信事業者との相互接続性試験も並行して実施しており、引き続き認証取得を拡大する方針だ。 また、暗号資産・ブロックチェーン事業では、2023年3月にZaif NFT MarketplaceにおいてNCXCの取り扱いを開始した。2023年5月にはNCXCのライトペーパーを公開し、ブロックチェーンゲームに特化した「NCXC GameFiプラットフォーム」について訴求している。また、2023年9月には、NCXCのPolygonチェーン対応を完了した。Polygonチェーンは、拡張性が高いオープンソースのブロックチェーンプラットフォームである。高速かつ低コストのトランザクションを実現し、ユーザーは従来のイーサリアムチェーンよりも、迅速かつ効率的にNCXCの取引やNFTなどの交換が可能となった。これにより、NCXCのGameFiプラットフォームにおけるユーザビリティの向上や、GameFi分野での革新的な利用の推進が期待できると弊社では考える。 2. セグメント別動向 (1) メタバース・デジタルコンテンツ事業 売上高は148百万円(前期比57.8%増)、営業損失は1百万円(前期は13百万円の損失)となった。のれんの償却を加味していることで引き続き営業損失を計上しているが、損失額の大幅な減少が見られた。2024年11月期は想定通りに成長していることから、各種施策の継続推進により早期黒字化の期待が高まると弊社では見ている。メタバース分野については、持分法適用関連会社のワイルドマンで、VR上のアバターを操作するためのメタバースユーザー向けワイヤレス・モーション・トラッキング装置の開発案件や、VRゲームの自社コンテンツの開発が進捗している。 デジタルコンテンツ分野については、コロナ禍における巣ごもり需要が一巡したものの、電子書籍市場は引き続き堅調に推移しており、(株)実業之日本社のロングセラー作品である「静かなるドン」をはじめとする漫画の優良コンテンツが売上をけん引した。また、既存書店の増売施策として、主要電子書店でのポイント還元施策などを継続的に実施している。今後も、図書館・小学校向けサブスクリプションサービスや、「静かなるドン」のさらなるプロモーション施策などの取り組みを継続する。 トピックスとしては、主力作品である「静かなるドン」について(株)集英社とコラボレーションを実施、2023年5月17日発売の「グランドジャンプ」より、「静かなるドン-もうひとつの最終章-」の連載を開始した。また、マンガアプリを利用していない新たな読者層の獲得を目的として、マンガの各コマを再編集し効果音とセリフを入れ動画化する「ボイスコミック」という手法でYouTube公式チャンネルを7月にリリースした。 (2) IoT関連事業 売上高は549百万円(前期比15.6%減)、営業利益は31百万円(前期比37.8%減)となった。半導体の供給状況は改善されており、特定の部品に関して供給不足が続いているケースもあるが、先行して手配をかけることで全体の納期に影響を及ぼさない体制を構築している。 製品別では、NVIDIA Corporation<NVDA>が提供するGPU※を利用したリアルタイム画像認識技術と、マルチキャリア対応の高速モバイル通信技術を搭載したNCXX AI BOX「AIX-01NX」は、AIプラットフォームのエッジ端末認定やAI開発ベンダーとのAIソフトウェア搭載検証、各通信事業者の動作確認済端末認定を進めている。同製品は、1台でカメラ・センサーなどから得られた情報をリアルタイムにAI分析し、分析結果をクラウドに連携できる。そのため、リテールテック、製造業、セキュリティ、介護見守り、測定・異常監視、分析やシミュレーションによる効率的なモノ作りから、都市レベルの課題解決に至るまで、その用途がますます拡大すると期待されている。さらに、デジタルツインなどを含めた幅広い分野においても活用が期待される技術であり、今後もこれらの技術をデバイス事業の新たな製品開発に活用していく。 ※画像処理やディープラーニングに不可欠な並列演算処理を行う演算装置。 トピックスとしては、AnyTech(株)との共同開発による「流体解析AIパッケージ」の販売を新たに開始した。これは、AI活用が期待される分野の1つである流体解析ソリューションにおいて、水処理場や排水ピットなどでの油面検知や濁度検知、異物検知などのエッジAIコンピュータと流体解析AIをパッケージ化したものである。従来のAIでは「異常データ」を大量に蓄積し学習させる必要があるなど、AI構築までの障壁が多く断念するケースが見られたが、ベースとなるAIモデルを用意することで、正常データを少量用意するところから利用を開始できるようになった。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司) 《SO》
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時価総額 3,604百万円
暗号資産・ブロックチェーン事業、メタバース・デジタルコンテンツ事業、IoTソリューションを展開。ブロックチェーン技術を活用した暗号資産ネクスコインに注力。IoT関連事業の遅れで、23.11期は足踏み。 記:2024/02/23
6702 東証プライム
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時価総額 4,860,890百万円
国内最大、世界有数のITサービス企業。通信インフラやストレージ、サーバー、電子デバイスを展開。官公庁、金融向けに強み。24.3期2Qは小幅増収。サービスソリューションが売上下支え。コンサル等の需要が拡大。 記:2024/01/16