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テクマト Research Memo(4):情報基盤事業、アプリケーション・サービス事業、医療システム事業を展開(3)

2023/6/14 12:04 FISCO
*12:04JST テクマト Research Memo(4):情報基盤事業、アプリケーション・サービス事業、医療システム事業を展開(3) ■会社概要 (3) 医療システム事業 医療システム事業は、新生PSP及びその子会社となる医知悟、A-Lineが提供する製品・サービスで構成されており、売上収益の大半はPSPの事業となる。 新生PSPでは、医療機関向けに医用画像の統合管理システム「EV Insite」及びクラウドPACS「NOBORI」、医療機関を支援するサービスプラットフォーム「NOBORI PAL」等を提供している。国内PACS市場におけるテクマトリックス<3762>のシェアは、「NOBORI」及び旧PSPのオンプレミスPACS(以下、オンプレミス製品)を合わせて約22%と業界第2位だが、クラウド型PACS市場に限定すれば71%と圧倒的なシェアを握る。 クラウドサービスは初期導入コスト(サーバやストレージ等のシステムを構築するコスト)が不要なほか、データをクラウド上で安全に管理するため、病院側でデータバックアップ等のメンテナンス業務が不要になるといったメリットがある。また「NOBORI PAL」のオプションを利用すると個々の医療機関でファイアウォールなどのセキュリティ対策を講じることなく、データセンター経由で医師が自宅から安全に画像を参照することも可能となる。こうしたメリットを訴求しながら2012年のサービス開始以降、既存のオンプレミス製品を利用する中規模・大規模病院のリプレイスや、小規模医療施設の新規開拓などを進めてきた。その結果、2022年3月末時点で契約施設数は約1,180施設まで拡大し、現在もなお拡大を続けている。月額利用料は最低6万円からとなるが、料金は導入後5年間に蓄積される画像データの予想量に基づく従量課金制となっている。大学病院等のヘビーユーザでは月額利用料が最低利用料の数十倍となるケースもある(サービス契約期間は5年間)。サービス開始から12年目を迎えるが、顧客事由による解約(閉院等)を除けばサービス内容を理由とした解約は発生しておらず、顧客からも高い評価を受けている。旧PSPのオンプレミス製品を導入している約1,100の医療施設に対しても順次、クラウドの提案を進めていく。 新生PSPでは、そのほかにも個人(患者)向けのPHR※サービス(医療情報共有アプリ「NOBORI」)を提供しており、2022年5月には業界で初めて「マイナポータル」との連携を開始し、行政機関等で管理されている個人の医療情報(特定健診情報や薬剤情報、医療費情報等)を取得して「NOBORI」で確認・保存できるようにした。業績への影響は軽微だが、将来的には同サービスをベースにして様々なソリューションを展開することも可能になると見られる。また、複数の医療AI開発ベンダーと提携して、医用画像を用いたAI診断支援サービスをクラウドPACS「NOBRI」を通じて提供している。 ※PHR(Personal Health Record):個人の健康に関する様々な情報を指す。「NOBORI」は、患者の自己管理の下にクラウド上に医療情報を保存し、患者が自身の医療情報を参照できるスマホアプリを提供している。無料版と有料版(月額100円)があり、利用できる機能に差はないが、無料版はデータ保存期間が1年、有料版は無期限となる。患者に共有できる医療情報(カルテ情報、検査画像、薬歴情報等)やサービス内容(予約申込みやキャンセル等)は医療施設によって異なる。 「医知悟」は遠隔画像診断(読影)を行う放射線科医等の専門医と、画像診断を必要とする医療施設等をつなぐ情報インフラサービスを提供している。「iCOMBOX」と呼ばれる専用通信装置を送り手側・受け手側の双方に設置し、「iCOMSERVER(センターサーバ)」を介して送受信するプラットフォームである。現在、500施設以上の施設に導入され、利用専門医師数は1,650名以上(実質的に稼働している放射線科医の約3分の1が利用)、月間の依頼検査数は約31万件、市場シェアは約38%で第1位である。主な導入施設は、医療機関のほか大手健康診断事業者、衛生検査所、各種病院等である。また、「NOBORI」ユーザであれば専用通信装置を設置しなくても施設外の画像診断を行うことが可能である。 A-Lineは、クラウド型の医療被ばく線量管理システム「MINCADI」を開発・提供している。「MINCADI」は、医用画像検査装置より得られる情報を自動的に取得し、患者ごとの医療被ばく線量や検査ごとの撮影条件をクラウド上で管理し、最適化するためのソリューションである。PSPの線量管理システムを含めた導入施設数ベースの市場シェアは第2位(約500施設)である。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YI》
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クラウド型セキュリティ対策製品の提供等を行う情報基盤事業が主力。アプリケーション・サービス事業、医療情報クラウドサービス等の医療システム事業も。情報基盤事業は好調。中計では27.3期売上高750億円目標。 記:2024/06/11