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Jストリーム Research Memo(7):市場別戦略も時代の変化を反映する必要

2022/6/2 16:17 FISCO
*16:17JST Jストリーム Research Memo(7):市場別戦略も時代の変化を反映する必要 ■事業戦略 3. 市場別戦略 ターゲット市場における市場別戦略も、大きな方向性は従来と変わらないが、新たな時代の顧客ニーズや中期経営の方向性を取り込んだものへとバージョンアップしている。 (1) EVC(医薬系)の事業戦略 EVC領域のなかでJストリーム<4308>が最も重視しているのが、同社売上高で最も大きな割合を占める医薬業界である。医薬業界の中長期的課題は、国の医療費削減策への対応、高コストのMR※からのプロモーションチャネルの変更、マーケティングのデジタル化などである。これに対して同社は、従来得意にしていた本社開催のWeb講演会だけでなく、中規模の支社(エリア)開催のWeb講演会やホテルなどでリアル開催されていた全国規模の学会などを、ネット配信と併せて開催するハイブリッド化の需要を新たに狙っていく考えである。また、Web講演会の支援に加え、次世代の医薬デジタルマーケティングのパートナーとして、リアルとデジタルで差のない顧客体験を提供していく方針である。そのために、講演会のオプションメニューや追加サービスの開発、ハイブリッド化への対応を強化し、新規顧客の開拓にもつなげていく考えである。さらに、Webinar AnalyticsによるWeb講演会視聴履歴データ分析やデータ連携の支援、「Veeva」を軸にしたオリジナルソリューションの開発、新たなチャネルとしてオウンドメディアのノウハウ蓄積といった施策を中心に、製薬企業のマーケティングにまで踏み込んだデジタル化を支援、製薬企業のコストダウンやマーケティングをサポートする方針である。 ※MR (Medical Representatives):医薬情報担当者(医師などに向けた製薬企業の営業担当者)。 (2) EVC(一般企業)の事業戦略 「J-Stream Equipmedia」のさらなる機能向上を通じて、動画を活用する企業に対しベストソリューションを提供していく考えである。具体的には、「J-Stream Equipmedia」ポータルや動画eラーニングサービス「ミテシル」を、教育・トレーニングや社内外情報共有などの用途へ向けて拡販するほか、バーチャル株主総会のプラットフォーム化や展示会など大規模イベントへのプラットフォーム提供などを推進する。特に注目されるのが、業界特化型ソリューションの動きである。例えば、これまで業種特性や個社のニーズによってカスタマイズしていた「J-Stream Equipmedia」など主力商品を、業種を超えてニーズが強い用途別にカスタマイズしていく。セミナー/イベント、社内情報共有、教育/トレーニングの3分野が主力領域となる。この領域では、後述する「WEBINAR STREAM」との連携を強く打ち出す考えである。 (3) OTT領域の事業戦略 OTT領域では、新技術と新技術から生まれる新たなニーズへの対応が急務となっている。本格スタートした放送同時配信、デジタルライブなどエンターテインメント(以下、エンタメ)業界で必要に迫られる新たな配信ビジネスのあり方、海外OTT業者のプレゼンス拡大、動画配信技術のコモディティ化(大手顧客の内製化と取り残される中小顧客)、通信環境の5G化、VRなどマルチアングルによる新たな表現、双方向通信によるコミュニケーションの変化といった様々な課題が急速に浮上しているからである。ニーズも、固有のビジネスや技術、運用課題に絞った市場特化型のプロダクトやソリューションの提供、動画配信機能を核に動画周辺機能も網羅したトータルソリューション、新技術へのスピーディな対応といった面で強まっている。これに対して、メディア・コンテンツ市場における動画ビジネスのトータルテックパートナーを目指す同社は、主要放送局に対し配信機能からCDN、SI、運用までを統合的に提供するとともに、マルチCDNやクラウドベースの動画編集サービス「Grabyo」、運用サービスを展開していく方針である。一方、地方局に「J-Stream Equipmedia」のブロードキャスティングプラン、エンタメ業界には既存サービスに付加したエンタメ特化ソリューション、CS/BS局には配信マスターシステムとリモートプロダクションを提供していく考えである。 (4) 先端技術を背景とした新たなサービス 以上のような戦略のなかで注目されるのが、「METAGO」と「WEBINAR STREAM」である。「METAGO」とは、メタバース上の会議室や企業のオフィスを模したWebミーティングを管理するサービスで、社員同士のコミュニケーションや各種ミーティング、社外ゲストとの商談などを行うことができる統合型コミュニケーション・プラットフォームである。Web会議と異なり仮想空間では担当者常駐が可能で、ゲストにとってはコンタクトが容易となる。アバターが相対することで人間同士のつながりを感じることもできる。「WEBINAR STREAM」は、「J-Stream Equipmedia」と連携してウェビナーを行うシステムである。「J-Stream Equipmedia」がライブ配信やオンデマンド配信の管理をする一方、「WEBINAR STREAM」がウェビナーに必要なページの管理や認証、課金を行う。フレキシブルな「J-Stream Equipmedia」をプラットフォームにしているため、医薬系の大小各種学会をはじめ、イベント・セミナー、株主総会など、様々な形態に対応することができる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《EY》
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時価総額 10,101百万円
動画配信プラットフォーム「J-Stream Equipmedia」、ライブ中継サービスが主力。大規模コンテンツの安定配信技術に強み。トランスコスモス傘下。M&Aを通じて事業領域の強化、拡大を追求。 記:2024/06/03