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ダイナムジャパンHD Research Memo(6):店舗オペレーション改革とPB機導入によるコストマネジメントを推進

2022/1/7 16:06 FISCO
*16:06JST ダイナムジャパンHD Research Memo(6):店舗オペレーション改革とPB機導入によるコストマネジメントを推進 ■ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>の2022年3月期の事業方針 1. パチンコ事業 (1) 営業方針 2022年3月期下期の見通しとしては、当初の想定(2022年3月時点でコロナ禍以前の水準まで回復を見込んでいた)よりも客足の戻りが鈍いこと、下期は遊技機の減価償却費が中間期比で増加する見込みであることなどから、収益環境については厳しさが続くとの見方に変わりない。こうしたなか稼働率をいかに高め、また、店舗オペレーションのさらなる効率化を進めることができるかが収益動向を左右するポイントとなってくる。 2022年3月期下期の稼働率が中間期と同じ水準で推移したとすれば、通期の営業収入は前期比1ケタ増にとどまる可能性があり、稼働率を高めて営業収入を増やしていく必要がある。現状、コロナワクチンの2回目接種率が全人口の75%を超え、感染に対する懸念が若者世代を中心に若干和らいできたものの、欧州では感染者数が再拡大しているほか、国内においても3回目のワクチン接種の準備が進められるなど警戒モードは続いている。 こうしたなか、同社では客層に合わせた商品戦略や販促活動の推進、店舗での感染対策徹底を継続し、安心して遊技できる環境を整備することで高齢者層の再来店促進に取り組み、客数の回復並びに稼働率の向上に努めていく方針だ。 なお、旧規則機から新規則機への入れ替えについては、パチンコ機で予定どおり2022年1月末までに入れ替えを完了する見込みとなっている。一方、パチスロ機については、現在のところ顧客に支持される機種の販売が少ないことから、完全には入れ替えを行わず撤去にとどめ、高稼働が見込める新機種が発売された段階で導入を進めることも選択肢の1つとして検討している。 (2) コスト改善施策 同社は収益力強化施策としてコロナ禍以前から店舗オペレーション改革に試験的に取り組んできたほか、PB機の導入を積極的に進めてきた。店舗オペレーション改革については、2021年3月期よりその取り組みを本格的に展開し、店舗スタッフの総労働時間を削減したことが人件費の減少につながった。作業頻度や作業内容の見直しに加えて業務改善コンクールを定期的に開催し、店舗での作業改善意欲を高めている。こうした取り組みにより、店舗スタッフの1ヶ月当たり総労働時間は2期前の2019年3月期と比較して、約75%程度となっている。また、そのほかの固定費削減施策として、営業時間中の店内清掃の内製化により業務委託費の減額なども進めている。 2つ目のコスト改善策としては、店舗運営の2大コストの1つである機械購入費用の抑制が挙げられる。同社ではメーカーとの協力関係を構築し、2021年3月期までに79機種のPB機を導入してきた。直近3年間の実績ではPB機の価格はナショナルブランド機との比較で約15%の低価格化を実現している。機種は甘デジタイプが中心となるが、顧客ニーズにマッチした機種を自社ホールで提供できることや、自社開発による仕様設計の柔軟性など導入メリットは大きい。 ダイナムにおいて、パチンコ機設置台数に占めるPB機の比率は2020年3月期の9.5%から2021年3月期は12.7%、2022年3月期中間期は14.8%と年々上昇傾向にあり、設置台数全体が前年同期比で若干減少するなかで、PB機については同29.8%増の19,436台と増加傾向が続いている。今後もPB機の比率については引き上げていくほか、将来的にはPB機の価格を現状の半分程度まで引き下げていくことも目標として取り組んでいく。 航空機リース事業は、新たに3機の購入契約を締結 2. 航空機リース事業 航空業界はコロナ禍で厳しい状況が続いており、長距離国際線の需要回復時期は2023~24年になると見込まれているが、一方で短距離国内線の需要については徐々に回復しつつある。業界では今後20年間で旅客輸送量は年平均4.0%で伸長し、2040年までに短距離輸送で利用されるナローボディ機を中心に43,610機の新規機体の需要が発生すると見込まれている(2019年時点で25,900機が稼働)。このため、中長期的に航空機リース事業については安定成長が続くとの見方に変わりない。 こうしたなか同社では2021年10月、同事業を運営する子会社のDynam Aviation Ireland Limited(ダイナムアビエーション)がハンガリーのLCCであるWizz Airと航空機3機(エアバスA321Neo)をセール・アンド・リースバック取引により購入する契約を締結したことを発表した。航空機売買契約完了時に、それぞれの航空機がWizzまたはWizzの関連会社にリースされることになる。機体の引き渡し時期は2022年4~6月に2機、7~9月に1機の予定となっている。 2022年3月期業績についてはほぼ前期並みの水準が予想されるが、2023年3月期以降は順次、3機分のリース料収入が計上されるため増収増益が見込まれる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《EY》