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ダイナムジャパンHD Research Memo(1):2022年3月期も営業利益を確保していく方針

2022/1/7 16:01 FISCO
*16:01JST ダイナムジャパンHD Research Memo(1):2022年3月期も営業利益を確保していく方針 ■要約 ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>は、店舗数で国内第1位の日本最大級のパチンコホール運営企業である。チェーンストア理論に基づいて練り上げられてきたローコストオペレーションに強みと特長がある。また、顧客第一主義や情報開示、コンプライアンス経営の徹底など質の高い経営を実践し、業界初の株式上場を果たしたパイオニア企業でもある。 1. 2022年3月期中間決算は2年ぶりの増収増益に 2022年3月期中間決算の連結業績は営業収入で前年同期比10.7%増の50,897百万円、営業利益で同141.4%増の6,714百万円と2年ぶりの増収増益となった。営業収入については、パチンコ事業において2020年4月、5月に緊急事態宣言下で実施した店舗休業がなく、営業日数の増加が増収要因となった。ただ、2021年も新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)が続いたことで客足の戻りは鈍く限定的な回復にとどまった。一方、事業費用は店舗業務の見直しによる人件費の削減に取り組んだほか、会計処理の変更※もあって前年同期比3.4%減と抑え込むことができ、営業利益の大幅増益につながった。 ※遊技機の平均使用年数が2年を超えている状況のため、購入時に一括費用計上する方法から、資産計上し2年均等償却する方法に変更した。この結果、減価償却費を含めた遊技機関連費用は前年同期比210百万円減少の5,483百万円となっている。 2. 2022年3月期の事業方針 2022年3月期の業績については増収及び営業利益は引き続き黒字の確保を目指していく方針だ。コロナワクチン接種が進み感染者数は一時的に減少しているものの、客足の回復はまだ鈍いままで、コロナ禍以前の水準まで戻るにはまだしばらく時間が掛かると見られる。また、費用面では遊技機の減価償却費が下期は上期比で増加する見込みとなっているため、稼働率が同じ水準にとどまるようだと下期の収益は厳しくなる。このため同社では客層に合わせた商品戦略を推進し、販促施策にも取り組むことで稼働率の向上を目指す。また、費用面では引き続き店舗オペレーション改革による人件費を中心としたコストマネジメントを推進していく方針だ。 3. パチンコ事業の成長戦略 同社はパチンコ事業の成長に向けて、「多店舗展開」「低貸玉営業」「商品開発」「データドリブン」「コストマネジメント」の5つをテーマに取り組んでいく。コロナ禍が長引くなかでパチンコホール数の減少傾向が続き、業界環境は逆風が続いているものの、逆の見方をすればシェア拡大の好機とも言える。店舗数トップと言っても市場シェアは約5%の水準であり、シェア拡大による成長余地は大きい。当面は既存店舗の収益力向上を優先して取り組むが、収益の安定化が見えた段階で出店やM&Aを再開していくものと予想される。また、店舗の収益力強化についてはオペレーションの見直しやPB(プライベートブランド)機の設置比率拡大、データドリブンによる遊技機の品揃え戦略等によって進めていく。今後1~2年でパチンコホール業界の淘汰が一段と進み、勝ち残った企業にシェア拡大による成長への道が切り開かれるものと弊社では予想している。 ■Key Points ・2022年3月期中間期は営業日数の増加及びコストマネジメントにより増収増益に ・パチンコ事業は店舗オペレーション改革とPB機の導入によるコストマネジメントに取り組み、2022年3月期通期も営業利益の確保を目指す ・コロナ禍で業界全体が逆風を受けるなか、ローコストオペレーションで収益を確保しつつコロナ収束後のシェア拡大を狙う (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《EY》