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NexusB Research Memo(6):2023年12月期に営業収益250億円、営業利益50億円を目指す

2021/7/5 15:16 FISCO
*15:16JST NexusB Research Memo(6):2023年12月期に営業収益250億円、営業利益50億円を目指す ■今後の見通し 2. 中期経営計画について (1) 中期経営計画の概要 Nexus Bank<4764>は2021年2月に3ヶ年の中期経営計画「Nexus Growth Plan 2023」を発表している。同社グループの“Growth(成長)”を基本テーマに、2023年度における業績目標の達成と、より強固なグループ経営基盤の構築によりさらなる事業拡大を目指していく方針となっている。2023年12月期の業績目標としては、営業収益250億円、営業利益50億円を掲げ、「海外Fintech事業の安定成長」「国内Fintech基盤の再構築」「グループ経営に向けたコーポレート・ガバナンスの強化」の3点を基本戦略として取り組んでいく。 海外事業については安定成長により2023年12月期の営業収益構成比で92.5%、金額ベースで230億円強を見込んでいる。一方、国内事業はFintech基盤の再構築により営業収益構成比で7.5%、金額ベースで18億円強となり、2020年12月期から3倍以上の成長を目標としている。また、営業利益目標の50億円という水準は、JT親愛貯蓄銀行の2020年12月期の営業利益に相当するため、韓国における市場環境が今後悪化しなければ数値目標を達成する可能性は高いと弊社では見ている。最大のポイントは、この3年間で国内Fintech事業をいかに成長事業に育成していくことができるかにある。 (2) 基本戦略 a) 海外Fintech事業の安定成長 韓国のJT親愛貯蓄銀行については、外部環境の変化に柔軟に対応した営業戦略、Fintech技術への継続的な投資活動、顧客分析の徹底によるマーケティング活動を有機的に結び付けることで高い競争力を維持し、財務健全性の維持と量的成長を基に安定した収益拡大を目指していく。 営業戦略としては、貸付資金のポートフォリオの見直し(中金利帯の貸付拡大)を推進していくほか、柔軟な金利政策と金融環境変化に対応した審査・モニタリングの強化を図っていく。韓国では金融政策によって、2021年7月に個人向け貸付金利の上限を24%から20%に引き下げる予定となっているが、JT親愛貯蓄銀行は平均貸付金利で10~15%台を顧客ターゲットとしているため、上限金利引き下げの影響は殆ど受けないものと思われる。また、JT親愛貯蓄銀行の強みの1つに、審査・モニタリングが厳格で貸倒率が極めて低いという点が挙げられ、こうした強みをより強化していく。 また、Fintechへの投資としは業界に先駆けた最新技術を取り入れたFintechサービスの提供により、非対面チャネルでの金融取引拡大や金融プラットフォームの構築を推進していくほか、Fintech事業者との提携による競争力の確保に取り組んでいく。同行には約30名のIT技術者が在籍しており、継続的なシステム開発によるサービス品質の維持向上を社内で完結できることも強みの1つとなっている。また、マーケティング戦略としては、ブランド価値・認知度向上に向けた広告・PR活動の継続的な実施と、徹底した与信審査・マーケティングにより優良顧客の獲得に注力し、収益基盤となる貸付残高の積み上げを図っていく方針だ。 貸付残高※については、個人向けを中心に2020年12月末の1,694億円から、2023年12月末は2,500億円まで積み上げることを目標としている。また、自己資本※も同様に202億円から300億円に拡大し、BIS比率に関しては13.1%と、12%以上の水準を維持していく。 ※いずれも(K-GAAP)に基づく実績・計画値。 b) 国内Fintech基盤の再構築 国内では主にキャッシュレスをテーマとした既存サービスの再構築・成長に加え、グループシナジーが期待できる事業への投資を行い、相互連携によるシナジーの創出に取り組んでいく。 Nexus Cardでは本格的なキャッシュレス社会到来により、多様なニーズに応えるデポジット型クレジットカードサービスを国内外で強化していくほか、コロナ禍で減少した個別クレジット(個別信用購入あっせん業)の債権残高を積み上げ、収益力を高めていく戦略となっている。デポジット型クレジットカードとは、デポジット(保証金)と同額の利用可能枠を付与したクレジットカードで、在留外国人などを含め審査が通りづらい個人向けでの需要が見込まれている。利便性の高さがYouTube等のSNSで紹介されたことで、認知度が向上し発行枚数も伸びはじめている。 今後、営業体制の強化とグループ間連携により、個別クレジットにおける取扱加盟店や取扱業種・エリアの拡大を推進していく。また、2021年5月に「Nexus Card」へブランド名を変更し、SNSやWeb広告等によるデポジットカードのプロモーション活動をさらに積極的に展開していくことで、包括クレジット(包括信用購入あっせん業)の取扱高拡大を目指していく方針だ。2020年12月期におけるNexus Cardの個別クレジット、包括クレジットの取扱高は15億円水準であったが、2023年12月期にはこれを80億円まで拡大することを目標としている。 (3) コーポレート・ガバナンスの強化 同社は、中期経営計画を遂行していくため、グループ経営戦略機能の強化と各事業における自律的な専門性の強化を目的に、2021年4月より持株会社体制へ移行した。また、東京証券取引所の株式上場において、「合併などによる実質的存続性の喪失」に係る猶予期間からの早期解消と新市場区分への対応や、株主をはじめとしたステークホルダーへの適切な情報開示等にも注力していく。こうした取り組みを推進するため、経営戦略・経営管理・グループ事業推進のための体制強化を図るべく専門人材の採用を進めていくほか、社内における人材育成にも取り組みながらグループ全体の組織力を強化していく方針だ。加えて、事業の特性上、様々な顧客情報を有することから情報セキュリティ強化のための社内教育・研修のほか、継続的なシステム機能の追加を実施し、情報管理体制も強化していくことにしている。 なお、東京証券取引所が今後予定している新市場区分の見直し(2022年4月にプライム市場、スタンダード市場、グロース市場に再編)では、将来的なスタンダード市場への移行を見据えている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YM》
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ネットワーク高速化ミドルシェアの開発で出発。20年11月にクレカ会社と韓国貯蓄銀行を買収し、金融ビジネスが主力に。Fintech事業は好調。新規貸付増加の海外エリアが貢献。21.12期通期は最終黒字転換。 記:2022/02/15