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アンジェス Research Memo(7):高血圧DNAワクチンは安全性及び抗体産生を確認
2021/6/11 15:07
FISCO
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*15:07JST アンジェス Research Memo(7):高血圧DNAワクチンは安全性及び抗体産生を確認 ■アンジェス<
4563
>の主要開発パイプラインの動向 3. 高血圧DNAワクチン プラスミドDNA製法を用いたワクチンの1つとして、高血圧症を対象としたDNAワクチンの開発を進めている。同ワクチンは大阪大学の森下竜一(もりしたりゅういち)教授の研究チームにより基本技術が開発されたもので、血圧の昇圧作用を有する生理活性物質アンジオテンシンIIに対する抗体の産生を誘導し、アンジオテンシンIIの作用を減弱させることで長期間安定した降圧作用を発揮するワクチンとなる。 現在、主力の治療薬としてはARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬(経口薬))があるが、毎日服用する必要があるため、長期的に見れば患者1人当たりの治療コストは高い。このため、発展途上国では医療経済上の問題から使用が限定的となっている。同社が開発するDNAワクチンは既存薬よりも高薬価になると想定されるが、1回の治療で長期間の薬効が期待できるためトータルの治療コストは逆に低くなる可能性もあり、開発に成功すれば発展途上国も含めて普及拡大が期待される。 同社は2018年4月よりオーストラリアで第1相/前期第2相臨床試験(プラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験、予定症例数24例)を開始し、2020年3月にすべての患者への投与を完了した。二重盲検下で6ヶ月間の安全性と有効性(血圧の低下等)を評価し、その後6ヶ月の非盲検下での長期安全性及び有効性を評価する試験となっている。 同プロジェクトに関しては、投与後6ヶ月間の経過観察期間における中間報告を2021年2月に発表している。結果としては、重篤な有害事象は無く、安全性に問題がないこと、また、アンジオテンシンIIに対する抗体産生が確認できたとしている。現在は投与後12ヶ月間での安全性、免疫原生及び有効性に関するデータを纏めている段階にあり、纏まり次第公表する予定となっている。 高血圧症に関しては市場規模も大きく、最終報告の内容が注目される。なお、高血圧DNAワクチンに関して、2020年6月に日本で、7月に米国でそれぞれ製剤特許及び用途特許を取得している。 先進的なゲノム編集技術を用いて、遺伝子治療薬の開発を進める 4.Emendoのゲノム編集技術 新たに子会社化したEmendoでは、先進的なゲノム編集技術「OMNITM(オムニ)」を用いて遺伝子治療薬の開発を進めている。ゲノム編集とは、特定の遺伝子(DNA配列)をDNA切断酵素(ヌクレアーゼ)によって特異的に切断、編集、改変する技術のことで、ゲノム編集により特定の遺伝子の機能を失わせたり、疾患の原因となっている遺伝子の異常を修正することが可能となる。これまでも複数のゲノム編集技術が開発されており、なかでも、CRISPR/Cas9は従来技術よりも短時間で簡単に標的となるDNA配列を切断できる革命的な技術として評価されており、その開発者であるエマニュエル・シャルパンティエ教授とジェニファー・ダウドナ教授が、2020年のノーベル化学賞を受賞したことは記憶に新しい。 Emendoでは、これまで一般に用いられてきた既存のCas9ヌクレアーゼとは異なる新規のRNA誘導型ヌクレアーゼ(ガイドRNAがゲノム上の標的配列にCas9ヌクレアーゼを誘導する)を探索し、これらをゲノム編集に応用する独自の技術プラットフォームを確立し、それを「OMNITM」と呼んでいる。Emendoが開発するOMNITMヌクレアーゼの長所は、ターゲット遺伝子ごとにヌクレアーゼが最適化されるため、高い効率と精度を持ってゲノム編集ができる点にある。ヒトでの遺伝子疾患治療薬の開発では、ゲノム編集を高精度に行う必要があったが、「OMNITM」はそのブレイクスルーとなる技術として注目されている。想定される適応症としては、血液系や眼科、がん疾患以外にも、神経系、免疫疾患、循環器系や、治療法のない常染色体顕性遺伝子疾患、厳密な発現調節を要する遺伝子疾患など多岐にわたり、潜在的な市場規模は1.1兆円規模になると同社では推計している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《AS》
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アンジェス
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時価総額 14,128百万円
大阪大学発の研究開発型バイオベンチャー。遺伝子医薬、DNAワクチンの研究開発などを行う。開発パイプラインにHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン」など。早老症治療薬「ゾキンヴィ」を24年5月に発売。 記:2024/08/06
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