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ケアネット Research Memo(2):製薬業界向けインターネット活用販促支援が主力で、高品質なコンテンツが強み

2021/3/5 15:42 FISCO
*15:42JST ケアネット Research Memo(2):製薬業界向けインターネット活用販促支援が主力で、高品質なコンテンツが強み ■会社概要 1. 会社沿革 ケアネット<2150>は医師向けの医療情報の提供を目的に、1996年7月に現代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)の大野元泰(おおのもとやす)氏らによって設立された。当初は衛星通信放送「スカパー!」にて「ケアネットTV・メディカルCh.®」を放送していたが、2000年よりインターネットを使った医師(医療従事者含む)向けの無料会員制サイト「クラブ・ケアネット」(現 「CareNet.com」)を開設し、同サイトの会員を基盤としてインターネットを活用した製薬企業向けサービスへと展開していった。 2000年10月にはマーケティング調査サービスを、2001年11月には現在の主力サービスとなる医薬営業支援サービスを開始し、その後業績を拡大させていく。2014年以降は国内外企業との提携も活発に進めて既存サービスを強化するとともに、新規サービスの開発・育成にも注力している。なお、マーケティング調査サービスは2014年12月にマクロミル<3978>との合弁で設立した(株)マクロミルケアネット(2016年12月期に株式を一部売却し、非持分法適用関連会社となる)に事業移管している。 2017年3月には取締役で最高執行責任者(COO)であった藤井勝博(ふじいかつひろ)氏が代表取締役社長兼最高執行責任者(COO)に就任している。経営体制としては従前と大きく変わらないが、代表取締役会長となった大野氏は海外案件やM&Aなどの対外折衝を主に担当する。2018年5月にはメディカルインキュベータジャパンとベンチャー企業投資に関する業務提携を締結した。また、両社が中心となり、製薬・医療機器メーカーの臨床開発から販売までのプロセスをトータルで支援するコンソーシアム「SSI(Successful Support for Innovator)」を設立した。 2020年末時点の連結子会社は6社あるが、いずれも事業規模が小さく、現状では業績に与えるインパクトは軽微となっている。 2. 事業内容 同社の事業セグメントは、製薬企業向けの医薬営業支援サービスと医師向けの医療コンテンツサービスの2つで構成されている。主力事業は医薬営業支援サービスで、2020年12月期通期の構成比で見ると売上高で90.8%、セグメント利益で98.9%を占めている。 (1) 医薬営業支援サービス 医薬営業支援サービスとは、製薬企業の営業・プロモーション活動を効率化させる支援サービスである。製薬企業の営業活動は通常、MR(医薬情報担当者)が医師に面会し、様々な医薬情報を提供したうえで自社商品を販売する。そのため、医師のニーズを汲み取る必要があり、同サービスはそのための重要なツールとして機能する。同社の主力サービス「MRPlus」は、インターネットを通じて医薬品情報を動画などの形式で医師に配信するほか、視聴した医師と担当MRが情報交換できるプラットフォームであり、MRの営業活動の生産性を向上させる。情報配信先の医師は「CareNet.com」の登録会員であるため、同会員数を増やすことが「MRPlus」の価値を高めることにつながる。会員医師数を増やすため、同社は「CareNet.com」のサービス品質を継続的に高めている。具体的には、医療関係者に役立つ医療コンテンツ(手技動画や患者指導、ガイドライン解説など)や海外論文、最新の医療ニュースなどを掲載している。 「MRPlus」のサービスは販促対象となる医薬品が抱える課題によって支援方法が異なるため、金額や契約形態は案件ごとに異なる。また、製薬企業のプロモーション活動費用が年後半に偏重する傾向にあることから、同サービスの売上高も第4四半期(10月-12月)が最も高くなる傾向にある。 競合企業としてはエムスリー<2413>やメドピア<6095>のほか、最近は(株)日経BP(日経メディカルOnline)とも競合するケースが増えている。これら競合サイトの中における「CareNet.com」の差別化要因は、コンテンツの高い専門性・品質である。そのほか、製薬企業向けサービスには、Web講演会やコンテンツ制作サービスなどがある。 (2) 医療コンテンツサービス 医療コンテンツサービスは医師などの医療関係者に対して教育コンテンツを有償で提供する事業である。売上高の5割強は動画配信サービス「CareNeTV」(月額5千円(税抜))の利用料であり、残りはDVD販売やその他の収入(医師転職サポートサービスなど)で占められる。配信されている番組は2,000番組以上で、臨床の第一線で活躍する講師が実際の臨床で役立つ情報を解説している。PCだけでなくスマートフォンやタブレット端末でも視聴が可能で、利便性が高い。医師向けの教育用コンテンツを制作する企業は少なく、同社は市場におけるパイオニアとして圧倒的なポジションを築いている。 なお、コロナ禍によって医学生に対する臨床実習が中断されるなど教育現場で支障が出ていることを受け、同社は2020年4月より全国の医学生に対して「CareNeTV」の無料公開を開始した。同年12月末時点において全国に82ある大学医学部・医科大学のうち58大学3,900人の学生に向けて提供しており、終了時期も当初予定していた同年9月末から2021年3月末に延期した。無料公開と公開期限の延長を背景に知名度向上も加速すると思われ、医療系の学生という潜在顧客層に向けての効果的なアプローチともなっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希) 《EY》
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製薬企業の医薬情報を医師会員にネット配信するサービス「MRPlus」などを手掛ける医薬DX事業が主力。医師・医療従事者向け会員制サイトの運営等も。医薬DX事業では既存サービスの販売体制強化を進める。 記:2024/10/06
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