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ミロク情報 Research Memo(4):顧客基盤の拡大によりストック型のサービス収入が順調に拡大

2021/1/7 15:44 FISCO
*15:44JST ミロク情報 Research Memo(4):顧客基盤の拡大によりストック型のサービス収入が順調に拡大 ■ミロク情報サービス<9928>の業績動向 2. 品目別・販売先別売上動向 売上高の内訳を見ると、システム導入契約売上高は前年同期比22.7%減の9,623百万円、サービス収入が同11.0%増の5,933百万円、その他(主に子会社の事業)が同5.5%減の966百万円となった。 (1) システム導入契約の販売先別・品目別売上高 システム導入契約売上高を販売先別で見ると、企業向けは前年同期比24.3%減の4,898百万円となった。このうち、既存顧客向けが同29.1%減の3,370百万円、新規顧客向けが同11.1%減の1,528百万円とそれぞれ減少した。コロナ禍の影響による景況感の悪化で顧客の投資意欲が冷え込んだこと、並びに営業活動の制約を受けたこと等が売上減につながった。ただ、こうしたなかでも新規顧客向けは前年同期から減少したとはいえ一定水準獲得できたことは評価される。これら新規顧客の獲得はストック収入となるソフト運用支援サービスまたはソフト使用料の積み上げ※につながるためだ。企業向け売上高のなかで新規顧客向けの占める比率は、前年同期の26.6%から31.2%に上昇している。 ※同社は2020年8月より従来のパッケージ販売に加えて、「Microsoft Azure」上で利用できるクラウドサービス(サブスクリプションモデル)での提供も開始しており、同サービスの売上はソフト使用料として計上している。 一方、会計事務所向け売上高についても、前年同期比19.1%減の3,445百万円と減少した。前年はWindos7サポート終了を前にしたパソコン等の買い替え特需があったことが大きく影響している。とはいえ、2019年3月期の水準と比較するとまだ高く、コロナ禍のなかでは健闘したものと評価される。その他は同25.9%減の1,280百万円となったが、子会社や販売パートナー経由の売上がコロナ禍の影響で落ち込んだことによる。 また、システム導入契約売上高を品目別で見ると、ソフトウェアが前年同期比20.3%減の5,694百万円、ハードウェアが同32.8%減の1,831百万円、ユースウェア(導入支援サービス)が同19.1%減の2,097百万円といずれも2ケタ減収となった。ハードウェアの減収率が大きくなっているのは、前述したように2020年3月期はWindows7のサポート終了を前にしてパソコン等のハードウェアも合わせて買い替えるケースが多かったことが要因だ。 ソフトウェアのうち、企業向けERP製品では中堅企業を対象とした「Galileopt NX-Plus」、中小企業を対象とした「MJSLINK NX-Plus」ともに減少したが、中堅企業向けの落ち込みが厳しかったようだ。また、会計事務所向け「ACELINK NX-Pro」に続いて、企業向けでもサブスクリプションモデルでの販売を開始しており、今後は販売形態もパッケージ販売からサブスクリプションモデルでのサービス提供型に徐々にシフトしていくものと予想される。なお、サブスクリプション型へのシフトのスピードが加速した場合には、中長期的には利益率が向上するが、短期的には売上高及び利益額が目減りする点には留意しておく必要がある。 (2) サービス収入 サービス収入の内訳を見ると、TVS(会計事務所向け総合保守サービス)が、前年同期比11.6%増の1,228百万円、ソフト使用料が同26.3%増の1,081百万円、ソフト運用支援サービス(企業向けソフト保守サービス)が同9.9%増の2,588百万円、ハード・NW保守サービスが同6.4%増の726百万円、サプライ用品が同12.0%減の308百万円となった。 TVSについては、顧客数が安定的に増加していることに加えて、2019年7月より料金改定を実施しており、その効果が2021年3月期第1四半期まで続いたことが主な増収要因となっている。四半期別で見ると第1四半期の増収率は前年同四半期比24.4%増に対して、第2四半期は同1.2%増となっている。第3四半期以降も安定的な成長が続くものと弊社では見ている。 ソフト使用料については、会計事務所の顧問先である小規模事業者向けの「かんたんクラウド会計」「かんたんクラウド給与」など各種クラウドサービスの顧客件数増加によって年率2ケタ成長を続けているが、2021年3月期第2四半期累計はこれらサービスに加えて、テレワークに対応したリモートツールの需要も伸長した。また、2020年8月より企業向けERPのクラウドサービスでの提供を開始したことで、同サービスの売上も若干ながら貢献したもようだ。ソフト運用支援サービス(企業向けソフト保守サービス)についても、新規顧客の積み上げによって着実に成長が続いている。唯一、サプライ用品についてはコロナ禍の影響でオフィスでの需要が落ち込み減収となった。 (3) その他 その他(主に子会社の事業)の売上高は前年同期比5.5%減の966百万円となった。落込みが少ないように見えるが、新規にトランストラクチャほか1社が加算されたことによるもので、既存子会社の売上高はコロナ禍の影響を強く受け、いずれも厳しい収益状況だったと見られる。 主要子会社の状況を見ると、ビズオーシャンについては、ビジネス情報サイト「bizocean」の広告収入が減少し、また事業承継サービスを展開するmmapについては、コロナ禍の影響で対面でのアドバイザリー業務が十分行えず、成約件数、売上高ともに減少した。人材紹介に特化した広告代理事業を行うアド・トップについても同様で、厳しい業績となった。新規連結したトランストラクチャについては年間売上規模で10億円強の事業規模のコンサルティング会社だが、コロナ禍の影響を少なからず受けたようだ。 財務状況は安定しており健全性を確保 3. 財務状況と経営指標 2021年3月期第2四半期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比3,955百万円増加の42,304百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金が1,621百万円減少したものの、売上債権等が1,543百万円、自己株式取得のための預託金が604百万円増加した。また、固定資産ではソフトウェア資産(ソフトウェア仮勘定含む)が676百万円、のれんが758百万円、投資その他の資産が1,698百万円それぞれ増加した。 負債合計は前期末比2,834百万円増加の22,152百万円となった。コロナ禍による景気の先行き不透明感から、手元キャッシュを確保する目的で銀行借入を実施し、有利子負債が2,931百万円増加した。また、純資産合計は同1,121百万円増加の20,151百万円となった。配当金支出1,170百万円の減少、並びに親会社株主に帰属する四半期純利益1,359百万円の計上により利益剰余金が122百万円増加したほか、保有株式の時価上昇に伴いその他有価証券評価差額金が1,434百万円増加した。 経営指標を見ると、有利子負債の増加を主因として自己資本比率が前期末の49.6%から47.6%に低下し、流動比率や有利子負債比率等もやや悪化したものの、ネットキャッシュは黒字を確保しており(ゼロ・クーポンの転換社債を除けば110億円以上)、財務の健全性は確保されているものと判断される。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《EY》
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財務会計・税務システムを中心とするERP(統合業務管理)製品の販売等を行う。会計事務所、中堅・中小企業向けが中心。会計事務所向け、中小企業向け各種業務システムは販売順調。2028年度売上高600億円目標。 記:2024/06/07