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テクマト Research Memo(8):2021年3月期の会社業績予想は保守的。計画上回る可能性大

2020/12/11 16:18 FISCO
*16:18JST テクマト Research Memo(8):2021年3月期の会社業績予想は保守的。計画上回る可能性大 ■今後の見通し 1. 2021年3月期の業績見通し テクマトリックス<3762>の2021年3月期の連結業績は、売上高で前期比5.1%増の30,000百万円、営業利益で同9.0%増の3,300百万円、経常利益で同9.3%増の3,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同12.7%増の2,100百万円を見込んでいる。今後、コロナ禍によって、経済活動に深刻な影響を及ぼすような状況とならない限りは、会社計画は上回る可能性が高いと弊社では見ている。2021年3月期第2四半期までの通期計画に対する進捗率が売上高で48.3%、営業利益で51.0%とそれぞれ直近3年間の平均値(売上高49.0%、営業利益41.8%)を比較しても堅調であること、第2四半期末で豊富な受注残を抱えていること、下期に入ってからも情報基盤事業において大型案件の受注獲得が見込まれるなど、情報基盤事業の好調が続きそうなためだ。費用面では広告宣伝費等の営業経費が下期に増える可能性はあるものの、増収効果で吸収できるものと見られる。なお、人員体制については2020年3月期と同様のペースで増員を進めていく方針となっている。 (1) 情報基盤事業 情報基盤事業の売上高は前期比7.9%増の20,500百万円、営業利益は同0.8%増の2,300百万円を見込んでいる。引き続きリモートアクセスを実現するセキュリティ製品の需要拡大が見込めるほか、規模の大きい「SASE」関連の受注獲得に注力していく。また、年々高度化するサイバー攻撃に対応するため、最先端のネットワーク・セキュリティ関連技術の動向を先取りし、積極的に新規商材を発掘して自社サービス(運用監視サービス等)と組み合わせて提供することで、競合他社との差別化を図っていく戦略だ。通期計画から上期実績を差し引いた2021年3月期下期の見込みは売上高で前年同期比9.7%増、営業利益で同19.4%減となっており、利益の計画は保守的と思われる。 (2) アプリケーション・サービス事業 アプリケーション・サービス事業の売上高は前期比0.5%減の9,500百万円、営業利益は同33.8%増の1,000百万円を見込む。引き続き4分野においてクラウドサービスを加速度的に推進していく方針だ。 a) 医療分野 医療分野では、クラウドPACS「NOBORI」の成長が続く見通し。PACS市場全体におけるクラウド比率はまだ低く、オンプレミス型からのリプレイス需要が期待できるほか、小規模医療施設からの新規需要も見込まれる。また、エムスリーと共同で展開している医用画像診断支援AIプラットフォーム事業も、今後有料化への移行による売上増が期待される。規模的にはまだ小さく直接的な影響は軽微なものの、同サービスの利用をきっかけに「NOBORI」ユーザーが増える可能性がある。 海外展開を視野に入れた取り組みとして、医療用画像の診断支援AIを活用した遠隔画像診断クラウドプラットフォーム事業を手掛けるインドのベンチャー企業、DeepTek Inc.との資本・業務提携を2020年5月に発表している。直近はインドでも新型コロナウイルス感染症が拡大していることから具体的な進展はないが、感染拡大が収束すればNOBORIクラウドや医知悟との連携によるインドでの事業展開の可能性を探っていく意向だ。 また、BtoC領域の新規事業となるPHRサービスに関しては、利用できる医療機関を増やすため、まずはクラウドPACS「NOBORI」を導入している医療機関を対象に提案していくことにしている。未導入の医療機関でも専用装置の「NOBRI-CUBE」をレンタルすることで利用は可能だ。今後は個人がICTを活用して自身の健康を管理し、疾病を予防する時代になると言われており、PHRサービスもこうした新たな需要を取り込むツールとして成長が期待される。類似したサービスが多く出てくると予想されるが、既に1,000件を超える医療機関にクラウドPACS「NOBORI」を導入している強みを生かして、早期に利用可能な医療機関を増やしていくことが望まれる。 b) ビジネスソリューション分野 ビジネスソリューション分野では金融分野で、2020年7月より新たに開始した信用リスクの計測サービスが注目される。FinancialCAD社の金融商品評価・分析ツール「F3」を用いて行うマージナルCVA※計測サービスがそれで、2021年4月よりデリバティブ商品の時価算定において、CVAを時価に反映させることが求められるようになったことから、同サービスの需要も増加すると見ている。既に、大手銀行や地方銀行を中心に受注も進んでおり、下期以降の収益貢献が見込まれる。 ※CVA(Credit Value Adjustment):金融機関のリスク管理で使われる指標で、カウンターパーティの信用リスクに関する市場価値を表す。CVA=リスクフリーのポートフォリオの市場価値−カウンターパーティの倒産確率を考慮したポートフォリオの市場価値。 また、教育分野向けで新たに開発した学校向けのコミュニケーション・プラットフォーム「typhoon(タイフーン)」も注目される。2020年4月に学校法人軽井沢風越学園向けに学びの個別化を実現することを目的に開発したプラットフォームで、子どもが体験する活動やイベントなどあらゆるタッチポイントを統合的に管理し、スチューデントジャーニーを可視化するとともに、その情報を子ども・スタッフ・保護者が最大限に有効活用できる「統合コミュニケーション・プラットフォーム+校務支援システム」となる。子ども自身が自分の学習計画や学びの振り返り・記録を取り、スタッフと保護者がそれに伴走することで、学びの個別化をサポートする。コミュニケーション機能や出席管理等の校務支援機能も有している。2020年9月にはスマートフォンアプリもリリースしたことで、保護者とのオンライン・コミュニケーションがより活発化し好評を得ている。同社では運用状況が順調なことから、他の学校向けにも拡販を進めるべく、マーケティングの立ち上げ準備にも着手している。教育分野ではギガスクール構想などICTの活用が今後、ますます増えていくことが予想され、このようなコミュニケーション・プラットフォームの潜在的な需要は大きいと見られる。校務支援システムの領域は新規参入となるだけに、今後、どのように拡販を進めていくのか注目される。 c) CRM分野、ソフトウェア品質保証分野 CRM分野については足元、やや受注面で勢いが鈍化してきたが、今後も機能強化に取り組みながら成長を目指していく考えだ。なお、CRM分野では毎年、2月前後に東京と大阪で日本最大級のコンタクトセンター関係者向けイベントを開催してきたが、2021年は2月に3日間オンラインでの開催を予定している。 一方、ソフトウェア品質保証分野については低迷していたエンタープライズ系の受注が、直近は前年同期並みの水準まで回復しており、また、組込みソフトウェア開発向けも堅調に推移していることから、2021年3月期下期は上向きに転じるものと予想される。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《EY》
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クラウド型セキュリティ対策製品の提供等を行う情報基盤事業が主力。アプリケーション・サービス事業、医療情報クラウドサービス等の医療システム事業も。情報基盤事業は好調。中計では27.3期売上高750億円目標。 記:2024/06/11
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