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MRO Research Memo(1):2020年12月期第3四半期は営業利益で25%を超える成長

2020/12/7 15:51 FISCO
*15:51JST MRO Research Memo(1):2020年12月期第3四半期は営業利益で25%を超える成長 ■要約 MonotaRO<3064>は、兵庫県尼崎市に本社を置く、インターネットなどを利用した工場・工事用、自動車整備用等の間接資材※の通信販売会社である。 ※間接資材とは、製造工程で使用される研磨剤やドリル、軍手など、事業者が自社内で使用し、再販を目的としない商品を指す。業種により個別性が高い。 同社のビジネスモデルの特徴は、同一の価格で間接資材を販売するという点である。市場の慣習により売り手から不公平な価格を強いられがちであった中小企業を中心に支持を受け、ニッチ市場における専門通販業者として確固たる地位を確立した。近年は大企業向け(大企業連携)も急成長している。5,189千口座(2020年9月末現在)の顧客に対して1,800万点を超えるアイテムを取り扱い、当日出荷対象商品59.0万点(うち自社保有在庫で47.1万点)を販売する。 1. 2020年12月期第3四半期の単体業績 同社の2020年12月期第3四半期単体業績は、売上高は前年同期比19.1%増の110,848百万円、営業利益は同25.6%増の14,777百万円、経常利益は同25.6%増の14,803百万円、四半期純利益は同23.6%増の9,915百万円となり、高い成長を維持した。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響によりプラス・マイナスがあるものの、売上高及び各利益において順調に期初計画を上回った。売上高に関しては、主力の事業者向けネット通販事業(monotaro.com、売上構成比は約83%)が前年同期比約17%成長、購買管理システム事業(大企業連携、売上構成比は約17%)で前年同期比29%成長といずれも順調に推移した。事業者向けネット通販事業に関しては、顧客セグメント及び商品セグメントにより好不調が分かれる傾向にある。一般個人顧客を含む新規顧客は年間獲得計画である918千口座増を第3四半期末で上回り、1,079千口座増となった。アルコール消毒薬などの感染管理商品や在宅ワーク向けの家具など新型コロナウイルス関連商品の需要増が増収に貢献した。一方で主要3業種(製造、建設・工事、自動車整備)の注文単価の低下傾向は依然として続いている。購買管理システム事業(大企業連携)では、大企業連携社数が前年同期比で339社増加したことにより、売上高で同29%増の185億円となり、期初計画を若干下回ったものの、高い成長を維持した。 2. 2020年12月期の連結業績見通し 2020年12月期通期の連結業績は、売上高は前期比19.0%増の156,468百万円、営業利益は同17.2%増の18,569百万円、経常利益は同17.0%増の18,584百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同18.3%増の12,997百万円と、売上高・各利益ともに高い成長を維持する予想である。予想数値は、期初の予想を据え置いている。この計画が達成されれば、19期連続の増収、11期連続の増益となる。売上高に関しては、コロナ禍のシナリオにより若干の違いはあるが、これまでの実績からコロナ禍においても順調に成長を維持できるビジネスモデルであることは証明されつつある。購買管理システム事業(大企業連携)ではコロナ禍の影響による経済活動減退での需要減には底打ち感があるものの、月次計画の未達幅は一進一退が続く。売上総利益率は通期予想28.5%に対して第3四半期は28.4%と若干の未達となった。個人顧客の構成比は足元で低下傾向であり、この傾向が続けば配送料率が減少するため、通期予想に近い着地となる可能性が高い。販管費率は通期予想16.7%に対して第3四半期は15.9%と費用は抑制されている。2020年12月期第4四半期にTVCM放映やカタログ製作等による広告宣伝費増加が予定されていないこと、商品情報管理システム等の費用(システム利用料、減価償却費)の本格計上が2021年12月期にずれる見込みであることなどから、弊社では通期予想より低い着地になると考えている。同社のビジネスモデルは、顧客数が積み上がり、購買歴の長い顧客ほど購入額が多くなるという優位性を持つ。このため、上期より下期の売上・利益が増加する傾向がある。弊社では、売上高では期初計画にほぼ近い値に着地、各利益では上振れての着地になる可能性が高いと考えている。 3. インド市場への参入 同社は、2020年9月18日の取締役会で、インドの工業用間接資材販売事業者であるEmtex Engineering Private Limited(以下、Emtex)のE-Commerce事業への出資を決議した。Emtexが既にインドで構築しているE-Commerceの事業基盤であるindustrybuying.comと、同社がこれまで日本及び世界各国での事業運営を通じて得た知見を活用し、今後成長が見込まれるインド市場において効率的に事業を展開することを目的としている。具体的な出資先は、Emtexが設立しE-Commerce事業を移管した新会社IB MONOTARO PRIVATE LIMITED(以下、IB MONOTARO)である。IB MONOTAROが実施する第三者割当増資及び強制転換社債を引き受ける。取得価額は計15百万米ドル(日本円で約1,565百万円)である。同社はIB MONOTAROの持分の51.61%を取得し、連結子会社化する。一方、同社は2020年9月18日の取締役会で、中国の子会社である卓易隆電子商務(上海)有限公司(ZORO SHANGHAI)を解散し、清算することを決定した。同子会社の業績は、当初の事業計画を下回る状況が続いており、今後も好転する目途が立たないため、グループ経営における資源配分の観点から解散・清算を決断した。 ■Key Points ・2020年12月期第3四半期は営業利益で25%を超える成長。コロナの影響により第3四半期時点で年度計画を超える新規顧客1,079千口座を獲得 ・2020年12月期通期は11期連続増収増益の確実性大。通期計画に対する第3四半期の営業利益進捗率は77.4%と前年同期を上回る ・インドの工業用間接資材EC企業に出資(連結子会社化)を決定。一方で中国子会社は解散・清算へ (執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫) 《EY》
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間接資材のインターネット通販最大手。工場・工事用、自動車整備用等の間接資材を販売。取扱商品は約2200万点。登録会員数は910万6521口座。購買管理システム事業は高成長。23.12期通期は2桁増収増益。 記:2024/04/15