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オンコリス Research Memo(6):次世代テロメライシン「OBP-702」は米国で2021年内にIND申請へ

2020/12/3 15:16 FISCO
*15:16JST オンコリス Research Memo(6):次世代テロメライシン「OBP-702」は米国で2021年内にIND申請へ ■開発パイプラインの動向 2. 次世代テロメライシン「OBP-702」 オンコリスバイオファーマ<4588>は次世代テロメライシンとして、テロメライシンに強力ながん抑制遺伝子であるp53を組み込んだアデノウイルス製剤「OBP-702」の開発を進めている。がん患者の30~40%でp53遺伝子に変異・欠損(悪化因子)があり、こうした患者向けの腫瘍溶解・遺伝子治療となる。テロメライシンと比べて間質細胞を破壊する能力の高いことが特徴となっており、がん細胞に対して10~30倍の活性を示すことが非臨床試験から明らかとなっている。 2017年度のAMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)の研究プロジェクトとして採択され、岡山大学において、ヒト型骨肉腫細胞株をマウスに移植した非臨床試験を実施、投与後28日目の腫瘍の大きさをテロメライシンやp53の単独投与と比較したところ、大きさを約半分に抑える効果のあったことが確認されている。また、2019年4月に米国で開催された癌学会において、膵管がん細胞の増殖に対して強力な抑制効果があり、膵管がん細胞の組織浸潤と転移を抑制できる可能性のあることが動物実験モデルにより示されたほか、神経芽腫細胞に対してがん関連遺伝子やテロメラーゼ活性を抑制し、非常に強い増殖抑制作用が示されたことなどが研究報告として発表されている。 「OBP-702」の開発方針としては、アンメット・メディカル・ニーズが強く、テロメライシンで効果が得られにくいがん種、あるいは既存治療法に抵抗を示すがん(p53遺伝子欠損・変異がん)や間質細胞の多い難治性がんなどで開発を進めていく方針となっている。具体的には、骨肉腫、直腸がん、トリプルネガティブ乳がん、膵臓がんなどを想定している。既に、GMP※1基準によるウイルス製剤のGMP製造※2とマウスを使った前臨床試験をスタートしており、2021年内にカルタヘナ議定書に批准していない米国でIND申請を行い、2022年の第1相臨床試験開始を目標としている。また、国内については岡山大学が引き続きAMEDの助成を受けて開発を進めていくことが決定しており(研究開発期間:2021−2023年度)、米国で第1相臨床試験におけるOBP-702の安全性が確認された後、2023−2024年を目標に、国内での治験申請、臨床試験入りを目指している。 ※1 GMP(Good Manufacturing Practice):医薬品の製造及び品質管理に関する基準のこと。GMP認定のためには、製造工場ごとに構造や設備の運用・管理、製品の品質・衛生・製造管理などの細部にわたる審査・査察を受け、基準を満たすことが必要となる。創薬においては、GMP準拠施設で製造されたGMP製剤でないとヒトを対象とする治験に適用できない。 ※2 ドイツのVibalogicsに製造委託。 COVID-19治療薬の開発を新たに開始、2021年の治験申請を予定 3. COVID-19治療薬「OBP-2001」 同社は鹿児島大学との共同研究の中で、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の原因ウイルスであるSARS-CoV-2に対して強い増殖抑制効果を有する低分子化合物を複数特定し、培養細胞を用いた実験では承認済みのレムデシビルと同等以上の活性が示されたことを確認し、同研究成果に基づいて鹿児島大学が出願中の抗SARS-CoV-2薬の特許譲受に関する契約を締結したことを2020年6月に発表した。今後、COVID-19治療薬の開発を進めるとともに、契約一時金や開発進展に応じたマイルストーン、第三者からの収入に応じたロイヤリティなどを支払っていくことになる。 現在、複数の候補化合物の中から有力と思われる化合物を「OBP-2001」として、開発に着手しており、軽度から中等症の患者を対象に、最終的には経口剤の開発を目標としている。今後、作用機序の解明や大量製造法の検討なども行いながら、2021年中の治験申請、早期臨床試験入りを目指していく。なお、治験申請については国内または米国で行う予定だが、開発の迅速性を重視していることから、米国で開発を進めていく可能性が高いと弊社では見ている。また、「OBP-2001」を改良したバックアップ化合物の探索も同時並行で進めており、2021年3月までに経口剤としての開発が可能な活性度の高い新規化合物が新たに見つかれば、同化合物に切り替えて開発を進めていく方針となっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《ST》
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時価総額 14,320百万円
ウイルス遺伝子改変技術を用いてがん治療薬を開発する「ウイルス創薬」バイオベンチャー。テロメライシンは富士フイルム富山化学と国内販売提携契約を締結。研究開発費は増加。23.12期通期は米国売上が増加。 記:2024/02/25