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リネットジャパン Research Memo(10):3つの事業を柱とした収益構造の転換と成長加速を目指す

2020/6/17 15:20 FISCO
*15:20JST リネットジャパン Research Memo(10):3つの事業を柱とした収益構造の転換と成長加速を目指す ■成長戦略 リネットジャパングループ<3556>の中長期的な成長軸は、「海外事業」の大幅な伸長、「小型家電リサイクル事業」での障がい者雇用及び業容拡大、「リユース事業」での安定収益確保の3つであり、更なる事業拡大と社会貢献に取り組むことにより、収益構造の転換と成長加速を目指している。特に、今後の成長に向けて、以下の項目に重点的に注力する方針である。 1. カンボジアと言えば、リネット(日本企業を代表する存在) 新たな事業(ブロックチェーンの活用など)への参入も視野に入れながら、成長著しいカンボジアにおいて、更なる事業拡大や社会貢献に取り組み、日系企業を代表する存在を目指す。 2. 人手不足問題解決への取り組みを加速(人材送出し事業の強化) 日本国内での人手不足が深刻化するなかで、カンボジアでの「人材送出し事業」を早急に軌道に乗せる方針である。すなわち、日本とカンボジアの架け橋になり、日本の人手不足問題をカンボジアが期待する就労支援で解決する役割を担いながら、同社の成長を実現する戦略と言える。今後は、送出し人数の拡大に向けて「対象職種」の拡大、「展開国」の拡大にも取り組む方針である。「対象職種」については、これまでの自動車整備士に加え、惣菜工場等の「食品加工」や「外食」「宿泊」「介護」等を想定している。また、「展開国」の拡大については、インドネシアやミャンマーへの展開に向けて具体的に動き出している。特に、自動車整備士と同様、日本での需要が高い介護人材に注力していく。 3. 障がい者雇用モデルの拡大(就業機会の創出とリサイクルの推進) 小型家電リサイクル事業におけるパソコン解体現場での障がい者の雇用促進を図ることで、障がい者雇用問題や人手不足問題の解決にも貢献していく方針である。特に、障がい者雇用を義務付けられている民間企業等との連携により、就業機会の提供(受け入れ先としての役割)とリサイクルの推進(パソコン回収ルートの確保)を結び付ける独自の事業モデルを展開していく。 弊社でも、今回のコロナ禍の影響により、事業ごとの成長戦略の進捗にばらつきが生じたものの、中長期的な方向性に大きな修正点はないものとみている。特に、経済成長が著しく、同社独自のネットワークやノウハウに優位性があるカンボジアでの「海外事業」が、これからの同社の成長を大きくけん引する見方に変化はない。また、「都市鉱山」として潜在市場が大きい上、参入障壁が高く、競合のない事業モデルである「小型家電リサイクル事業」についても、社会的な関心が高まっているリサイクルプログラムの支援や知的障がい者雇用の創出など、同社独自の取り組みにより成長の余地は大きい。特に、高収益モデルである「小型家電リサイクル事業」が成長軌道に乗ってくれば、同社の収益性が一気に向上する可能性がある。最大の注目点は、今後の事業拡大のペースや収益構造の転換、財務内容に及ぼす影響をどう読み取るかにある。その意味では、コロナ禍の影響が収束に向かうことを前提として、来期(2021年9月期)からの業績動向が、今後の成長加速に向けて重要なターニングポイントになる可能性が高い。ここ数年、相次ぐ買収や新規事業への参入により、業績の動きや事業構成の変化が激しいが、同社の収益基盤は基本的には小口分散化された積み上げ型となっていることから、ダウンサイドリスクは小さいと評価でき、今回のコロナ禍でもそれをある程度実証することができた。今後の売上高の伸び率や利益率の変動については、事業構成の変化や先行投資などの影響を受けるため注意が必要であるが、まずは当面の目標である経常利益10 億円の達成に向けて、いかにベース利益を積み上げていくのかが重要なテーマと言えるだろう。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《ST》
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ネット中古書店「ネットオフ」の運営、パソコン・小型家電の回収等を行うリユース・リサイクル事業が主力。障がい者グループホームの運営等も。ネットオフは会員数が500万人突破。ソーシャルケア事業に注力。 記:2024/07/05