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ケアネット Research Memo(6):スペシャリティ医薬品への展開と新規事業の育成により成長を目指す(1)

2020/4/17 15:06 FISCO
*15:06JST ケアネット Research Memo(6):スペシャリティ医薬品への展開と新規事業の育成により成長を目指す(1) ■ケアネット<2150>の今後の見通し 2. 今後の成長戦略 (1) 医薬営業支援サービス 医薬営業支援サービス事業では、製薬業界におけるプロモーション案件の主軸が生活習慣病薬からスペシャリティ医薬品へ移行するなかで、スペシャリティ医薬品領域でのサービス拡充に注力していく方針を打ち出している。がん領域など専門性の高い分野において質の高い情報メディアを確立し、より多くの専門医を集めることで競合他社と差別化を図り、成長を加速していく戦略だ。 a) 専門医向け新メディア「Doctors’ Picks」 スペシャリティ医薬品のプロモーション効果を上げるためには、専門医の会員を多く獲得していくことが重要となる。その施策の1つとして前述したとおり「Doctors’ Picks」を「CareNet.com」内にオープンしている。同サイトを活性化して、専門医のネットワークを拡大(=CareNet.comの会員数増加)することで、スペシャリティ医薬品領域におけるeプロモーションの受注件数を拡大していく。 b) 疾患啓発・教育系サービスの更なる強化 医師の生涯学習を支える次世代の臨床医学動画メディア「MEDuLiTe」のコンテンツを拡充していくことで、スペシャリティ医薬品のeプロモーション受注獲得に取り組む。前述したように、日本では自社商品名を出さずに販売プロモーションを行うという文化がまだ醸成されておらず、外資系製薬企業が顧客の中心であったが、厚生労働省による医薬品の販売プロモーションに関するガイドラインが施行されたこと、また、オンコロジー分野や再生医療分野など専門性の高い分野においては、最新治療法など質の高い情報が医師からも求められていることなどから、製薬企業にとっても高いプロモーション効果が期待できる。 また、動画配信だけでなく、Webカンファレンスで海外から著名な医師を複数人招いて、最適な治療法についてのパネルディスカッションを行うなどの取り組みも進めている。Webカンファレンス自体は従来も開催していたが、新たに双方向機能も取り入れ、参加医師にとってより質の高いサービスを提供する。スポンサーとなる製薬企業は1社または複数社とテーマによって異なる。 c) 手術手技動画メディア「がん@魅せ技」サイトをフェーズワンから譲受 2019年2月に医師会員連携したフェーズワンから、がん領域における手術手技を中心とした集学的情報メディア「がん@魅せ技」を2020年4月1日に譲受した。2019年秋に、フェーズワンと共同で乳がん領域における手術手技動画コンテンツと、同社が保有する関連情報(検査や薬物療法、再建術やその他関連情報等)及び医師へのインタビュー動画等のコンテンツを融合した共同サイト「乳がん診療 Front line」をオープンしたが、そのほかのがん種領域(食道がん、胃がん、大腸がん、肝胆膵がん、泌尿器がん、肺がん等)の手技動画チャンネルも含めて同社で運営していくことになる。 「がん@魅せ技」の登録医師会員数は3万人となっており、同社ではこれら会員に対してeプロモーションの配信が可能となる。今後、がん領域で新薬等のeプロモーション受注拡大につながるものと期待される。 d) デジタル戦略支援サービスを開始 製薬企業においてもデジタル経営に取り組む動きが活発化していることを背景に、オウンドメディアの構築などデジタル戦略における支援サービスを開始している。同社では長年、eプロモーションを手掛けてきた実績とノウハウを生かして、同サービスを計画していくことになる。オウンドメディアの構築だけでなく、同社の運営サイトから顧客オウンドメディアへの送客など、様々な支援サービスが考えられる。 (2) 医療コンテンツサービス 医療コンテンツサービスでは、より多くのニーズに応えるため、販売方式やコンテンツの多様化に取り組んでいく。 a) CareNeTVのPPV方式での販売を開始 「CareNeTV」では2018年11月より、プレミアムプラン(月額定額プラン)に加えて単品販売やシリーズ販売等、コンテンツごとに課金するPPV方式を導入し、潜在利用者の掘り起こしを進めている。また、プレミアムプランは、各種イベントへの招待やコンテンツのダウンロード利用など、付加価値を高めたサービス内容になっており、PPV利用者からの入会を促進していく戦略となっている。コンテンツについても前述したように、専門医試験対策などに役立つコンテンツなども充実させ、会員数を増やしていく方針だ。 b) VRコンテンツなど新たなコンテンツへの取り組み 2020年以降、超高速大容量通信が可能となる5G時代に移行することに伴い、新たなコンテンツ手法としてVR(仮想現実)技術を活用したコンテンツの制作・配信にも取り組んでいく予定となっている。具体的には、医師向けの教育用コンテンツとして、4K/8K等の高精細映像とVR技術を組み合わせた手術シミュレーション動画の提供を想定している。 そのほか、「CareNet.com」を2019年にリニューアルし、必要な学術情報にすぐにアクセス可能なPubMedCLOUDの日本語版サービスを開始している。「PubMed」は世界最大級の医学・生物文献データベース「MEDLINE」の検索エンジンで、日本語への自動翻訳だけでなく検索も可能とした。こうしたサービスの拡充により「CareNet.com」の会員数拡大に取り組んでいく。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《EY》
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製薬企業の医薬情報を医師会員にネット配信するサービス「MRPlus」などを手掛ける医薬DX事業が主力。医師・医療従事者向け会員制サイトの運営等も。医薬DX事業では既存サービスの販売体制強化を進める。 記:2024/10/06