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ブイキューブ Research Memo(3):売上高の6割強がストック型ビジネスモデルとなるクラウドサービス(1)

2020/4/14 15:03 FISCO
*15:03JST ブイキューブ Research Memo(3):売上高の6割強がストック型ビジネスモデルとなるクラウドサービス(1) ■ブイキューブ<3681>の事業概要 同社グループが提供するビジュアルコミュニケーションサービスは、「いつでも、どこでも、『だれでも』使える」をコンセプトに、ユーザーのPCあるいはスマートフォン、タブレット等のモバイル端末から、インターネットを通じて遠くの相手とお互いの顔や資料を共有しながら遠隔会議を行うWeb会議サービス、あるいはオンラインセミナー等に代表される、文字や音声だけでなく映像も含めたコミュニケーションサービスである。 事業セグメント別の売上高構成比(2019年12月期実績)を見ると、ビジュアルコミュニケーション事業が63.9%、ラーニングマネジメントシステム事業が16.5%、アプライアンス事業が19.6%となっており、ビジュアルコミュニケーション事業が主力事業となっている。また、販売形態別売上高構成比では、クラウド型が69.1%、オンプレミス型が10.1%、アプライアンスが14.5%、その他が6.3%となっており、ストック型ビジネスであるクラウドサービスが主力であることが特徴となっている。地域別売上高構成比では日本が83.9%、海外16.1%となっており、海外売上げの大半はシンガポール子会社のWizlearn Technologies (以下、Wizlearn)の事業となっている。 1. 事業セグメント別内容 同社では2019年12月期よりセグメントを変更している。この変更後セグメントに基づいて説明を行う。 (1) ビジュアルコミュニケーション事業 ビジュアルコミュニケーション事業では、同社及び海外子会社で、「V-CUBE」等の各種ビジュアルコミュニケーションサービスをクラウド型またはオンプレミス型で提供している。2019年12月期の実績ではクラウド型の売上高構成比が79.0%を占めている。クラウドサービスのうち、「V-CUBEミーティング」など汎用的なサービスは月額サブスクリプションサービスで提供しており、製薬業界向けセミナーなど「V-CUBEセミナー」による配信サービスについては、年間開催枠を設けて顧客の希望に沿った日時・場所で配信業務を行う年額サブスクリプションサービスで提供している。 ここ数年の傾向を見ると、月額サブスクリプションの売上が伸び悩んでいるのに対して、年額サブスクリプションの売上高は年率2ケタ成長と順調に拡大している。汎用サービスは外資系を中心とした競合との競争が激化しており、伸び悩みの要因となっている。一方、年額サブスクリプションについては、業界に特化した専門チームを組み、それぞれの業界の特性に合わせた付加価値の高いソリューション提案を行うなどして、需要開拓に成功していることが伸びの要因につながっている。特に、製薬業界向けWeb講演会の伸びが顕著となっている。一方、月額サブスクリプションは、競争が激化するなかでもサービス品質の維持向上、並びにカスタマーサポートの充実に取り組んでおり、解約率の改善が売上高の維持につながっている。 (2) ラーニングマネジメントシステム事業 2019年第1四半期末にアイスタディが連結対象から外れたため、現在はシンガポールの子会社Wizlearnの事業が中心となっている。Wizlearnでは、主にシンガポールの学校・企業向けにLMS/TMS(学習管理/教育研修管理システム)をクラウドサービスで提供している。 (3) アプライアンス事業 アプライアンス事業では、教育機関、官公庁、企業向けのテレビ会議システム「V-CUBE Box」や、企業及び公共空間向けの個室型スマートワークブース「テレキューブ」の販売のほか、「V-CUBE」各種サービスで利用する周辺デバイス(マイクスピーカー、ヘッドセット等)やソフトウェアなどの販売が含まれる。 2. ビジネスモデル (1) 積み上げ型のビジネスモデル 同社の売上高の7割弱を占めるクラウド型サービスは、解約がなければ新規契約分が純増する積み上げ(ストック)型のビジネスモデルとなる。月額利用料は利用規模によって異なり(例えば、5千円から数百万円までとかなり幅広い)、契約先を増やすことと、1社当たりの契約利用料(契約ポート数×契約ポート単価)を増加させることが売上高の増加につながる。スイッチングコストが高いため、大部分が契約を継続する長期利用となっている。 (2) コスト(費用)の構造 主なコストは、サーバー関連費用、通信回線(専用線)費用、ソフトウェア開発費用、営業費用などである。サーバーは外部のデータセンターを利用しているが、一部は同社グループ専用サーバーとして利用している。顧客(利用量)の増加に伴ってある程度サーバーを増強していく必要があるため関連費用は増加するものの、ボリュームディスカウントにより規模が大きくなれば売上高に対する比率は低下する構造となっている。また、通信回線費用も同様で、売上規模が拡大すれば利益率が向上することになる。このため、主力サービスの「V-CUBEミーティング」の限界利益率は約80%と極めて高くなっている。加えて、2017年12月期以降取り組んできた構造改革(事業の選択と集中)により固定費の削減が進んでおり、収益体質は筋肉質なものに転換しつつある。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YM》
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汎用Web会議システムの販売等を行うエンタープライズDX事業、セミナー配信プロダクトの提供等を行うイベントDX事業が柱。防音個室ブース「テレキューブ」等も。イベントDX事業は生成AI活用等で製品力を強化。 記:2024/10/05