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クオールHD Research Memo(13):下期も堅調な推移が予想されるが、更なる上方修正期待には慎重なスタンスで

2019/12/13 16:17 FISCO
*16:17JST クオールHD Research Memo(13):下期も堅調な推移が予想されるが、更なる上方修正期待には慎重なスタンスで ■今後の見通し ● 2020年3月期通期見通し クオールホールディングス<3034>は第2四半期までの順調な進捗を踏まえ、通期見通しを上方修正した。新しい予想は、売上高170,000百万円(前期比17.4%増)、営業利益7,600百万円(同7.8%増)、経常利益7,600百万円(同5.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,050百万円(同3.6%増)となっている。 2020年3月期の業績について、弊社では予想を達成する可能性は十分あるとみている。しかしながら、上方修正の適時開示用件にかかるほどの上振れとなるかについては、慎重なスタンスで臨むべきだと考えている。 保険薬局事業に関しては、2016年4月に行われた調剤報酬及び薬価の改定の影響で2017年3月期決算は1ケタ台前半の営業増益率にとどまった。しかしその間、低下した調剤報酬(特に調剤基本料の算定部分)について順調に回復が進み、改定2年目の2018年3月期は、営業利益の期初予想7,500百万円に対して着地は9,091百万円と大幅に上振れた。 こうした実績を有する同社であるが2020年3月期が2018年3月期の再現となるかという点については、弊社は難しいと考えている。理由は、2018年4月改定で引き下げられた調剤報酬(とくに調剤基本料1の算定基準の厳格化の部分)では、2016年4月改定に見られたような回復策が封じられていることだ。さらには、かつて存在した基準調剤加算の制度が廃止され、代わって地域支援体制加算という制度が設けられたが、この算定を得るためには調剤基本料1の算定を得ることが実質的な必要要件となっている。調剤基本料1の算定なしに地域支援体制加算を得るには8項目にわたる基準をクリアする必要があるが、このハードルは非常に高い。こうした点を理解せずに前回の上振れを安易に期待することはリスクが高いと言えるだろう。 一方で同社は、薬機法改正が可決され、認定薬局制度がスタートすることを想定して着々と準備を進めている。同社が目指すのは、地域連携薬局の認定取得だ。その詳細な認定要件は明らかにされていないが、これまでの経緯から健康サポート薬局への取り組みが重要なカギを握るとみて、その拡大に注力している。 もう1つの注力ポイントはM&Aだ。前述のように、M&Aで取得した企業に対する同社のスタンスは、買われる側の経営陣にとって受け入れやすいものとなっており、それが優良案件の買収成功へとつながっている。こうしたことから、結果的にM&Aによって収益が上振れするという可能性は十分に起こり得ると考えている。ただし、M&Aの収益寄与を業績予想に織り込むことは、それこそリスクが高いと言える。 BPO事業については、中核のCSO事業が、下期も順調な拡大が続く見通しだ。製薬会社におけるMRのアウトソーシング化の流れは、巻き戻される可能性は小さく、同社はこの流れを加速させるべく、専門MRの育成に力を注いでいる。こうした需要と供給双方の思惑が一致し、CMRの需要は着実に増加を続けるとみている。医療系人材紹介派遣事業も安定的な拡大基調が続くと期待される。 藤永製薬による医薬品製造販売事業については、下期からは損益計算書も連結化されることになる。これが事業セグメントの中にどういう形で組み込まれるかは、まだ決定されていないもようだ。最もすっきりするのは医薬品製造販売事業セグメントという形で独立した事業セグメントを立てることだが、事業規模が小さいため当初は他の事業セグメントに含まれる形となる可能性もある。その場合には「BPO・その他事業セグメント」という形になる可能性が高いと弊社ではみている。収益貢献額としては、売上高で10億円弱、営業利益で数千万円程度と弊社では推測している (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之) 《SF》
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保険薬局を全国展開するクオールを中核とする持株会社。薬局事業が主力。店舗数は940店舗超。後発医薬品等の製薬事業、BPO事業も展開。第一三共エスファを子会社化。薬局事業ではM&Aや新規出店で規模拡大図る。 記:2024/10/11