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Jストリーム Research Memo(4):動画配信のインフラを提供

2019/12/13 15:04 FISCO
*15:04JST Jストリーム Research Memo(4):動画配信のインフラを提供 ■Jストリーム<4308>の事業概要 2. 配信事業 配信事業では、各種のインターネット動画配信用ソフトウェアを用いて、インターネット上で動画や音声などのコンテンツを配信するサービスを行っている。顧客は一般企業やメディア企業、コンテンツプロバイダーで、音楽・映画・イベント動画、企業説明会、教育動画、広告など、コンテンツの種類や配信先の端末を問わず配信が可能となっている。インターネットを使って多数の視聴者に動画や音声を配信するには、大量のアクセスに耐える回線やサーバーの確保、そして安定した運用が必要で、一般企業にはこうした投資は難しい。同社のサービスは、一般企業にとって多額の投資や運用コストをかけることなく、必要なときに必要なだけ配信することができるという利便性がある。また、同社は大量の視聴に対応できるCDNを自社で保有しており、イベントなど一度に数万人以上のアクセスがあるような場合でも、コンテンツを安定して視聴者に届けることができる。さらに、コンテンツ配信を行う際の付随的なサービスとして、配信対象を限定する認証機能や、DRM(Digital Rights Management:デジタル著作権保護)、コンテンツ販売に必要な課金決済システム、海外からのアクセスを制限できる国内外判別配信といったサービスも提供している。 (1) 動画配信プラットフォーム 同社は、コンテンツ管理やセキュリティなどの配信設定、あらゆる端末で視聴可能になるマルチデバイス対応、アナリティクス機能など、動画配信に必要な機能とワークフローをワンストップで提供している。その中心となるのが、ライブ機能など企業の動画活用に必要なあらゆる機能を装備する動画配信プラットフォームで、同社主力商品の「J-Stream Equipmedia」である。「J-Stream Equipmedia」の特徴は、利用者のスキルに依存しない使いやすい管理画面、他社システムと連携できる柔軟性、月5万円からというリーズナブルな価格設定など、一般企業でも手軽に動画を活用できる仕様になっていることである。さらに、同社が自社で保有し運営するCDNによって常に安定した動画配信を実現するだけでなく、アカウント営業と専任スタッフが両面からサポートする体制も取っている。このため、現在、国内最大規模の1,500アカウント以上(2018年2月時点)の利用実績を誇る。同社の動画配信プラットフォームには、「J-Stream Equipmedia」のほかに、プレミアム版で高度な拡張性やカスタマイズ性、マネタイズ機能を有する「J-Stream MediaLize」、Salesforce(セールスフォース・ドットコム<CRM>)向け動画アプリ「Equipmedia動画共有ライブラリ for Salesforce」、Microsoft Azureを活用したオーダーメイド型動画配信プラットフォーム「VideoAid」などがラインナップされている。 (2) CDN 動画や音声といったリッチコンテンツのファイルはサイズが大きく、インターネット上で配信を行うとネットワークに大きな負荷がかかる。特にデータが1ヶ所から集中して配信された場合、トラフィックが集中することでレスポンスの悪化や通信速度の低下、時には配信停止といった事態に陥ることもある。サーバーや回線を増強することで対応は可能だが、企業にとって非常に大きなコストがかかり、また増強してもアクセスが少ないときには余剰設備になってしまう。こうした課題を解決するのが、配信制御が可能な管理コンソールと顧客サポートがセットになったCDNサービス「J-Stream CDNext」である。特徴は、国内ISPやIDC(Internet Data Center)に配信用サーバーを分散配置した同社独自のCDNを利用できるほか、見やすい管理画面と詳細な設定による柔軟な運営、最新の高速プログラムや高性能サーバー、SSL※1処理の高速化と幅広く利用できるSSL機能——などである。CDNによってアクセス集中によるレスポンスの悪化や通信速度の低下といったトラブルを防止し、Webコンテンツを快適に閲覧・利用できるため、重くなりがちな動画やゲーム、インターネット通販、さらには一時的にピークを形成するキャンペーンなどのコンテンツを、一度により高速でより安定して数万人のユーザーに届けることができる。加えて、DDoS※2防御/WAF※3統合型セキュリティソフト「Imperva Incapsula」、企業の社内ネットワークの高速・安定化に黄河が大きい「Kollective SD ECDN」など、海外の優れたサービスも組み合わせて販売している。 ※1 SSL(Secure Sockets Layer):インターネット上で個人情報やクレジットカード情報などの重要なデータを暗号化して送受信する仕組み。 ※2 DDoS攻撃(Distributed Denial of Service Attack):複数のPCから1つのサービスに仕掛ける一斉攻撃。 ※3 WAF(Web Application Firewall):Webサイト上のアプリケーションに特化したファイアウォール。 (3) ライブ配信 撮影から運用、配信まで、同社はプロフェッショナルなライブ配信サービスを提供している。配信技術の進歩を背景に、株主総会・IRイベント、専門セミナー、スポーツ・コンサート、プロモーション、社内情報共有・研修など、インターネットを利用したライブ配信の活用範囲が急速に拡大している。また、モバイル端末の普及で視聴者が情報にアクセスする場所を気にしなくなったことも、ライブ配信の活用を後押ししている。しかし、「失敗できない生放送」であるライブ配信を成功させるには、現場での回線や機材の準備、ミスのないオペレーション、街頭ビジョンからスマートフォン、2DからVR(仮想現実)/360度動画までの多様な様式への対応、そして安定した配信ネットワークが必要である。特に現場での対応力は、他社にない同社ならではの魅力と言える。さらに、同社はカメラやエンコーダーなど機材、ライブ専門のディレクターやエンジニア、撮影クルー、ネットワーク技術者といったリソースを、ニーズに合わせ最適な構成にカスタマイズしてワンストップで提供、企画演出やライブイベントの進行などのサポートも行っている。このほか、アンケートや掲示板などを利用したイベント最中の視聴者とのコミュニケーション機能、ライブチャットなど視聴者の反応をリアルタイムに可視化する機能、追いかけ再生、スライド連携、セキュリティ、決済——等々、顧客や視聴者にとって便利な機能が充実している。もちろん「撮影のみ」や「配信の部分のみ」など、必要な機能を単独で提供することも可能である。このようなノウハウや技術力、現場対応力は、総合力となって非常に高い優位性を発揮している。このため、同社のライブ配信は年間1,800件以上の多さを誇っている (4) その他のサービス(動画eラーニング、コンテンツ保護・DRM、動画広告など) 同社は、動画eラーニングやコンテンツ保護・DRM、動画広告などのサービスも提供している。「J-Stream ミテシル」は、動画を取り入れた学習や情報伝達を手頃な導入費用で手軽に始められるeラーニングサービスで、eラーニングの実施に必要な学習管理システム(LMS:Learning Management System)の基本機能を始め、動画プレイヤーや視聴状況の確認、受講者個人別の到達度レポート機能、メールでの一斉連絡や修了証といった研修プログラムの管理運営支援機能も備えている。PCやスマートフォンに対応しており、接客方法の教育や店舗オペレーションマニュアルの共有、外国人労働者の技能習得促進、アルバイト社員へのコンプライアンス教育などに活用されている。なお、「J-Stream ミテシル」は、「未来の教室」の実証プロジェクト群の進捗状況や、学校・学習塾・個人学習で使える国内・世界のEdTechの最新動向などを広く情報発信する、経済産業省のポータルサイト「未来の教室 ~learning innovation~」にも情報が掲載されている。 コンテンツ保護・DRM関連サービスでは、「SecureCastPlus」がスマートフォン向け音楽・動画コンテンツのDRMサービスとして、アクセス制限や不正コピー対策などによって重要なコンテンツを守りながら、適切にユーザーに配信する機能を提供している。ほかに、会員制の動画配信サービスなどを手軽に始められる、ユーザー認証やコンテンツ視聴ログの機能が付いた認証・セキュリティサービスや、国内でのみ視聴・閲覧が許可されているコンテンツに対してIPアドレスを識別して海外からのアクセスを制限する国内外判別サービスなども提供している。広告関連サービスでは、広告の企画制作を始め、コンテンツマーケティングの支援、動画アドネットワーク「MovieAD」の提供などを行っている。中でも「MovieAD」のコンテンツシンジケーションはユニークなサービスで、広告挿入可能な動画コンテンツをコンテンツホルダーから調達し、「MovieAD」を経由してパートナーメディアに配信(シンジケーション)することができる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《MH》
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動画配信プラットフォーム「J-Stream Equipmedia」、ライブ中継サービスが主力。大規模コンテンツの安定配信技術に強み。トランスコスモス傘下。M&Aを通じて事業領域の強化、拡大を追求。 記:2024/06/03