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オンコリス Research Memo(5):テロメライシンは中外製薬とライセンス契約を締結し、全世界で導出を達成(2)

2019/10/7 15:05 FISCO
*15:05JST オンコリス Research Memo(5):テロメライシンは中外製薬とライセンス契約を締結し、全世界で導出を達成(2) ■オンコリスバイオファーマ<4588>の開発パイプラインの動向 d) 頭頸部がん(免疫チェックポイント阻害剤、放射線との併用療法) また、コーネル大学、ジョンズホプキンズ大学を中心として局所進行または転移性の進行性頭頸部がん患者を対象とした免疫チェックポイント阻害剤及び放射線との併用療法による医師主導臨床第2相試験の準備も進められている。治験プロトコルを確定次第、2019年秋にもFDAに臨床試験計画届が提出される見込みだ。最大54例で安全性と有効性を評価する。既存治療法(放射線+化学療法)での部分奏効率は40%、転移がんの場合は20%となっており、これらの数値を上回る結果が得られれば、ジェネンテック等によって開発が進められる可能性がある。 e) 肝細胞がん(単剤) 台湾の提携先であるMedigenと共同で2014年より、ステージ3/4の肝細胞がん患者を対象とした第1/2相臨床試験を韓国・台湾で進めている。既に第1相の最終被験者への投与が開始されており、年内にも終了する見込みとなっている。今までの症例データでは腫瘍が投与後に大きくならなかったケースが全体の8割を占めており、腫瘍増殖を抑制する効果が確認されている。今後の開発については中外製薬の方針次第となるが、アテゾリズマブとの併用療法で開発を進めていく可能性がある。 f) ハンルイの開発状況 中国のライセンス供与先であるハンルイの開発状況について見ると、テロメライシンのGMP※製造に関する同等性試験がほぼ完了し、2020年末までにNMPA(国家薬品監督管理局)へのIND(臨床試験計画)申請を目指している。ハンルイでは自社開発の免疫チェックポイント阻害剤、Camrelizumabがホジキンリンパ腫を対象に中国で製造販売承認を取得しており、現在は食道がん、肺がんを対象とした第3相臨床試験、胃がん、肺がん、肝細胞がん、乳がんを対象とした第2相臨床試験を実施している。テロメライシンは今後、これら疾患での併用療法として開発が進められていくものと予想される。当初は市場規模が大きく、開発ニーズの高い肝細胞がんを対象に免疫チェックポイント阻害剤との併用療法で開発を進めていく方針であったが、海外でポックスウイルスを用いた肝細胞がんの第3相臨床試験が失敗する事例が出たことから方針を転換し、食道がんなど既にテロメライシンで効果が確認されているがん種から開発を進めていく可能性が高くなっている。 ※GMP(Good Manufacturing Practice):医薬品の製造及び品質管理に関する基準のこと。GMP認定のためには、製造工場ごとに構造や設備の運用・管理、製品の品質・衛生・製造管理などの細部にわたる審査・査察を受け、基準を満たすことが必要となる。創薬においては、GMP準拠施設で製造されたGMP製剤でないとヒトを対象とする治験に適用できない。 g) その他適応領域 その他、複数のアカデミアから他のがん種を対象とした共同研究に関する引き合いも増えている。具体的には、米国の大学からは乳がん(局所再発性乳がん、トリプルネガティブ乳がん)、国内の大学からは口腔がんで放射線療法との併用療法による開発の引き合いがきている。こうしたなかで、新たな対象疾患として同社では直腸がん、なかでも肛門がんを対象とした開発計画を進めている。肛門がんでは症状が進んだ場合、外科手術により人工肛門を付ける必要が出てくるが、身体的・精神的負担が重く、こうした患者に対してテロメライシンと放射線の併用療法により腫瘍を小さくし、肛門切除を回避するニーズがあると見ている。開発については海外で進めていく方針となっている。 h) メラノーマ(単剤) 米国でメラノーマ患者を対象に2017年7月より進めていた第2相臨床試験については、今回戦略的に中止する決定を行った。開始当初に比べて、メラノーマに関する臨床試験が米国で増加し、被験者のリクルートメントが困難になっていること、免疫チェックポイント阻害剤や分子標的抗がん剤など新たな治療薬が相次いで上市され、医療現場でのニーズが充足しつつあり、開発を継続していく意義が薄れたことが中止の理由となっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YM》
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ウイルス遺伝子改変技術を用いてがん治療薬を開発する「ウイルス創薬」バイオベンチャー。テロメライシンは富士フイルム富山化学と国内販売提携契約を締結。研究開発費は増加。23.12期通期は米国売上が増加。 記:2024/02/25