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3Dマトリック Research Memo(9):2022年4月期に製品売上高53億円、営業利益15億円を目指す

2019/7/18 7:59 FISCO
*07:59JST 3Dマトリック Research Memo(9):2022年4月期に製品売上高53億円、営業利益15億円を目指す ■中期経営計画 1. 中期経営計画の概要 スリー・ディー・マトリックス<7777>は毎年、3ヶ年の中期経営計画を発表している。今回発表した計画では、2022年4月期の業績目標値として、事業収益で5,305~7,255百万円、営業利益で1,539~3,489百万円を掲げている。レンジ形式としているのは、ライセンス契約一時金・マイルストーン収入の有無などによるものとなっている。 2022年4月期における事業収益の内訳を見ると、製品売上高(止血材、癒着防止材)で5,305百万円となり、ライセンス契約一時金がなくても営業利益段階で黒字化する計画となっている。2019年4月期が328百万円だったことからするとハードルは高いものの、ドイツやイギリス、オーストラリアでは「PuraStat®」が成長ステージに入ったと見られるほか、欧州全域における独占販売権契約をFUJIFILMと締結し、その他の欧州各国での売上拡大も期待できること、日本や米国での販売開始が見込めることなどから、目標を達成する可能性はあると考えられる。 製品売上高原価率については量産効果によって、2020年4月期以降は大幅に低下する見込みとなっている。また、研究開発については財務状況を見ながら、優先度の高いテーマに絞り込み進めていく方針となっている。今後3年間の計画としては止血材(日本、米国)、次世代止血材(欧州)、粘膜隆起材(日本)、DDS材料(日本)等を中心に開発を進めるが、年間の研究開発費としては2019年4月期の786百万円を下回る水準で計画している。販管費についてはオーストラリアや米国での営業体制強化に伴う人件費増を見込んでいるものの、その他の費用を見直すことで全体では抑制傾向が続く見通しとなっている。 2. 2021年4月期の業績前提 2021年4月期の事業収益は2,574~3,774百万円、営業利益は250百万円の損失から949百万円の利益を目標としている。製品売上高1,774百万円を地域別で見ると、欧州で前期見込み比83.1%増の956百万円、アジア・オセアニアで同77.6%増の531百万円、中南米・カナダで同117.5%増の87百万円、米国で200百万円となっている。 欧州ではFUJIFILMを通じた欧州全域での販売拡大を見込んでおり、各エリアでの売上予測値や発注概算量を積み上げた計画となっている。増収要因としては、ターゲット医療施設の約250件が期初よりフル稼働する想定で、年間を通じて1.5倍の375件まで増加することを前提としている。このため、医療施設数の開拓ペースが想定を下回れば、売上高も下振れする可能性がある。 アジア・オセアニア地域については、主にオーストラリアにおけるENT領域、内視鏡及び腹腔鏡領域の医療施設数の増加による販売増を見込んでいる。その他の国では、香港、タイ、ベトナムでの販売を若干程度見込んでおり、韓国については販売承認取得時期が流動的であるため、計画に織り込んでいない。 中南米・カナダでは、主にカナダ、ブラジル、メキシコでの販売増を見込んでいる。各販売パートナーや代理店へのヒアリング(営業規模、医療施設獲得スピード、1施設当たり売上予測等)及び新規代理店への初期製品ロット数の交渉を実施し、医療施設数の増加により売上を伸ばす計画となっている。 米国については、2019年4月期における癒着防止材の売上見込みをベースに、想定市場規模から需要予測や浸透ペースを勘案して販売計画を作っている。 契約一時金については、欧州での販売提携(内視鏡手術領域を除く)における契約一時金として1,000百万円を見込んでいる。契約一時金については他社事例との比較や同社における日本・アジアでの過去実績、並びに中国でのライセンス許諾契約も考慮し、対象地域の市場規模や想定シェア等も勘案して算定しているが、FUJIFILMとの契約のように一時金がないケースも想定される。また、残り1,000百万円については日本における止血材及び粘膜隆起材の製造販売承認取得に伴う販売提携先である扶桑薬品工業からのマイルストーン収入となる。日本においてもマイルストーン収入の金額については確定しているわけではなく、今後の協議次第では見込み額よりも少なくなる可能性がある。 3. 2022年4月期の業績前提 2022年4月期の事業収益は5,305~7,255百万円、営業利益は1,539~3,489百万円を目標としている。製品売上高5,305百万円の地域別内訳は、欧州で前期見込み比213.8%増の3,000百万円、アジア・オセアニアで同89.3%増の1,005百万円、中南米・カナダで同244.8%増の300百万円、米国で同150.0%増の500百万円、日本で500百万円となっている。 欧州では前年までの計画値をベースに販売パートナーを通じた各エリアでの売上予測値や発注概算量を積み上げた数値となっている。増収要因は、ターゲット医療施設の約375件が期初からフルに稼働し、年間を通じて約1.5倍の550件まで増加する計画を前提にしている。 アジア・オセアニア地域では、主にオーストラリアにおいて、既存分野に加えて一般外科分野や心臓外科分野での医療施設数増加を見込んでいる。その他の国では、香港、タイでの販売を若干程度見込んでおり、韓国については販売承認取得時期が流動的であるため、計画に織り込んでいない。 中南米・カナダでは、主にカナダ、ブラジル、メキシコでの販売増を見込んでいる。各販売パートナーや代理店へのヒアリング及び新規代理店への初期製品ロット数の交渉を実施し、医療施設数の増加により売上を伸ばす計画となっている。 米国については、癒着防止材の想定市場規模から需要予測や浸透ペースを勘案して販売計画を作っており、2022年4月期も直販を前提とした計画となっている。 日本では消化器内視鏡分野での想定市場規模から需要予測や浸透ペースを勘案して、止血材で500百万円の売上を見込んでいる。なお、同数値には販売提携先への初期製品ロット数も見込んだ数値となっているが、製造販売承認の取得時期が2021年4月期の中頃であれば、前倒しで2021年4月期から売上に計上される可能性もある。 契約一時金については、合計で1,950百万円を見込んでいる。このうち、1,800百万円は米国における癒着防止材の独占販売権契約締結に伴う契約一時金となる。契約金に関しては他社事例との比較や同社の過去実績との比較、対象地域の市場規模や想定シェア等を勘案して算定している。また、残り150百万円についてはその他パイプラインの提携による契約一時金等となる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《MH》
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時価総額 10,727百万円
自己組織化ペプチド技術を用いた医療製品を開発する。外科領域、組織再生領域、ドラッグ・デリバリー・システム領域で事業展開。消化器内視鏡領域の止血材は欧米で好調。欧州で次世代止血材の製造販売承認申請。疑義注記。 記:2024/09/19