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エバラ食品工業 Research Memo(5):「黄金の味」を価値重視へリニューアル

2019/7/2 15:05 FISCO
*15:05JST エバラ食品工業 Research Memo(5):「黄金の味」を価値重視へリニューアル ■業績動向 1. 2019年3月期の業績動向 エバラ食品工業<2819>の2019年3月期の業績は、売上高51,306百万円(前期比1.8%増)、営業利益2,392百万円(同62.7%増)、経常利益は2,488百万円(同60.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,649百万円(同40.4%増)となった。前中期経営計画「Evolution 60」のファイナルステージに当たり、「黄金の味」の価値浸透による収益拡大やポーション調味料の更なる拡充、業務用事業の収益改善、海外事業を含めた新規事業開拓に取り組んだ。 「黄金の味」がリブランドタイミング、鍋物調味料「すき焼のたれ」が暖冬の影響でやや低迷したが、TVCMや消費者キャンペーンなどのプロモーション施策や、2018年の夏以降の野菜相場の下げによる野菜まわり調味料「浅漬けの素」などの好調、特注品や海外事業などの業務用の貢献、輸送や保管に対するニーズを取り込んでリピートが増加した物流事業、ポーション調味料「プチッとごはんズ」などでのラインアップ拡充——などが奏功し、増収を確保した。利益面については、ポーション調味料の増収効果や業務用商品の収益改善により売上総利益が増加、「黄金の味」の価値訴求による拡販費の圧縮などにより、大幅増益を達成した。この結果、「Evolution 60」の数値目標をすべての項目で達成することができたのである。なお、期初計画に対して売上高で905百万円の未達、営業利益300百万円、経常利益312百万円、親会社株主に帰属する当期純利益255百万円の過達となった。売上未達は競争激化、利益達成は業務用の収益改善とポーション調味料の増収効果が背景と思われる。 食品事業の収益改善が進む 2. 事業別の状況 セグメント別の業績は、食品事業が売上高43,492百万円(前期比0.5%増)、セグメント利益2,719百万円(同58.2%増)、物流事業が売上高5,963百万円(同12.4%増)、セグメント利益171百万円(同2.3%減)、その他事業が売上高1,850百万円(同1.4%増)、セグメント利益35百万円(同50.7%減)となった。食品事業の大幅増益は、「黄金の味」の価値訴求や各ブランドの収益改善が要因である。 (1) 家庭用商品 肉まわり調味料群については、「焼肉のたれ」やボトル入りメニュー専用調味料である「プルコギのたれ」、「生姜焼のたれ」が好調に推移したものの、主力の「黄金の味」の売上が前年を下回った。鍋物調味料群については、ラインアップを拡充した「プチッと鍋」のほか、新たな鍋カテゴリーとなる「なべしゃぶ」がTVCMや精肉売場を連動したプロモーション施策により売上を伸ばしたが、暖冬などの影響により「すき焼のたれ」や「キムチ鍋の素」などが前年に届かなかった。野菜まわり調味料群については、野菜相場の低下により「浅漬けの素」のほか「キムチ漬けの素」などが売上を伸ばした。その他群については、ラインアップを追加した「プチッとごはんズ」のほか、シリーズを一新した「プチッとうどん」が店頭プロモーションの充実により売上を伸ばした。以上の結果、家庭用商品全体の売上高は34,229百万円(前期比0.3%減)となった。 (2) 業務用商品 海外事業の売上拡大や業務用事業の収益改善が進展した。商品構成の見直しでスープ群の売上が前期を下回ったものの、「黄金の味」など肉まわり調味料群が好調に推移、その他群も特注品の増加などにより売上を伸ばした。その結果、業務用商品全体の売上高は9,263百万円(前期比3.8%増)となった。 (3) 物流事業、その他事業 既存顧客の保管・輸送ニーズに対応したことで継続取引に加え新規受注による取引量が増加し、物流事業の売上高は5,963百万円(前期比12.4%増)となった。人材派遣事業が前期を下回ったものの、広告宣伝事業で顧客ニーズを取り込んだ企画提案が既存顧客の深耕ばかりでなく新規顧客の獲得にもつながり、その他事業の売上高は1,850百万円(同1.4%増)となった。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《ST》
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調味料メーカー。「焼肉のたれ」や「すき焼きのたれ」などで国内トップシェア。鍋物調味料や野菜まわり調味料、物流事業等も手掛ける。総還元性向50%以上目標。外食需要の改善などにより、業務用商品は売上順調。 記:2024/06/13