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エバラ食品工業 Research Memo(4):前中期経営計画目標はすべて達成

2019/7/2 15:04 FISCO
*15:04JST エバラ食品工業 Research Memo(4):前中期経営計画目標はすべて達成 ■エバラ食品工業<2819>の中期経営計画 1. 前中期経営計画の振り返り 2019年3月期を最終年度とする前中期経営計画「Evolution 60」において、超高齢化や世帯人数の減少、ニーズの多様化などの社会環境の変化に対応して進化(Evolution)するため、国内安定収益や海外成長基盤の確保に向けたエバラブランドの価値向上、「ニッチ&トップポジション」の確立に向けて事業を推進した。国内では「黄金の味」のリニューアルやポーション調味料の市場拡大、海外では台湾やシンガポールの現地法人設立、そのほか、本社移転に東証1部指定、デジタルマーケティング推進など積極的に事業を展開した。その結果、営業利益率4%、海外売上高10億円、ROE 5%という目標をそれぞれ4.7%、11.6億円、6.9%とすべて上回って達成することができた。 なかでも、年間4,000万本を出荷する焼肉のたれのトップブランドである「黄金の味」のリニューアルは、同社にとって主力商品で初の本格的リニューアルであり、しかも新しい価値=「適正な利潤を伴った市場浸透」を狙っていたため、様々なリスクを想定する必要のある決断であった。結果的に、リニューアルを前に旧品在庫の消化率低下が起こったり、リニューアル後は小売サイドの“様子見”や競合製品の安値対抗などが起こったりと、売上面ではやや厳しい展開となったが、「黄金の味」の付加価値の向上と「適正な利潤を伴った市場浸透」の考え方は徐々に周囲に理解され、2019年3月期には拡販費を大幅に削減することができたのである。デジタルテクノロジーの進展やミレニアル世代等の新たな消費者層の拡大、アジアの成長、競合先のグローバル化といった新たな環境変化も起きるなか、「黄金の味」の価値訴求で認められた考え方は、他のブランドでも有効となる可能性があり、新中期経営計画「Unique 2023」では大きなテーマとして掲げられることになる。 エバラらしさを追究する「Unique 2023」 2. 新中期経営計画「Unique 2023」 同社は2020年3月期スタートの新中期経営計画「Unique 2023」を策定した。数値目標は2024年3月期に営業利益28億円、海外売上高20億円、ROE 6%である。数値目標へ向けての基本戦略は、コア事業による収益強化と戦略事業の基盤確立、及び“エバラらしく&面白い”ブランドへの成長である。家庭用食品事業、業務用食品事業、物流事業、広告宣伝事業、人材派遣事業という同社のコア事業については、グループの根幹を支える事業として収益を拡大し、戦略事業への投資原資を確保する役割となる。戦略事業は、海外やチルド製品、コンビニエンスストア、ECなど将来の成長ドライバーとして期待される事業で、規模を拡大するとともにエバラブランドを浸透させることを目的とする。中期目標は、家庭用食品事業、業務用食品事業、海外その他の事業、社内体制の4つに分け、第1フェーズ、第2フェーズ、最終フェーズと3つのステップが設定されている。コア事業の収益強化と戦略事業の基盤確立によって消費者や資本市場からの評価を得て、高品質な情報や“面白い”“便利”の発信、新価値を生み出す組織・人材、チャレンジ精神と自発的成長という文化、サプライチェーンの最適化、SDGs等を踏まえた社会的価値の創造によって、“エバラらしく&面白い”ブランドへ成長していく考えである。 「黄金の味」の売上伸長と基幹ブランド商品の収益力強化がカギ 3. 第1フェーズ:基本戦略に合わせた重要施策 「Unique 2023」の第1フェーズは2020年3月期−2021年3月期の2期間である。この間に基本戦略に従って重要施策を打つ。コア事業による収益強化と戦略事業の基盤確立において、「黄金の味」の売上伸長、ポーション調味料群の市場拡大、基幹ブランド商品の収益力強化、業務用事業の収益力強化、戦略事業の基盤確立に向けた取り組みの強化——である。また、“エバラらしく&面白い”ブランドへの成長においては、組織におけるチャレンジ精神と自発的成長文化の醸成、人事制度改革による職場環境の整備、環境変化を捉えたサプライチェーン全体の最適化、事業活動を通じてのSDGs等を踏まえた社会的価値の創造、デジタルコミュニケーションの発展——である。こうしたなかで最も重要な施策が、収益性が向上した「黄金の味」の売上伸長と基幹ブランド商品の収益力強化と思われる。この2施策をうまくスタートさせることが「Unique 2023」成功の大前提と言え、成功の程度によっては数値目標を超過達成するドライバーになる可能性もあると想定できる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《ST》
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調味料メーカー。「焼肉のたれ」や「すき焼きのたれ」などで国内トップシェア。鍋物調味料や野菜まわり調味料、物流事業等も手掛ける。総還元性向50%以上目標。外食需要の改善などにより、業務用商品は売上順調。 記:2024/06/13