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Jストリーム Research Memo(7):一般企業向けはライブ/ビジネス動画ソリューションを強化

2019/6/17 16:07 FISCO
*16:07JST Jストリーム Research Memo(7):一般企業向けはライブ/ビジネス動画ソリューションを強化 ■市場・事業戦略 2. 一般企業に対する事業戦略とEVC領域(1) EVC領域Jストリーム<4308>は一般企業の動画配信ニーズに対して、制作から配信までのワンストップサービスやセキュリティ対応、現場対応力などの強みを持つ。既に販売促進用にWebサイトや各種コンテンツの制作~配信を一括して行っており、トップメッセージの共有や研修など社内コミュニケーションに使われる事例も増加している。欧米では企業の社内外向けの動画活用が一般化しているが、今後日本でも大企業を中心に、顧客や株主、従業員などステークホルダーとの円滑で効率的なコミュニケーションを図るため、動画を活用する機会がより一層増えていくことが予想される。また、5GやIoT、VRなど次世代のインターネット環境が整備されつつあり、更なる大容量動画に対するニーズも急激に拡大することが予測されている。加えて、社内コミュニケーションにおける動画活用は、コスト削減、効果の可視化、同報性といったメリットも大きいため、利用機会はますます増えていくだろう。このため同社は、EVC領域でのサービスを強化していく考えである。具体的には、同社の「J-Stream Equipmedia」や「J-Stream MediaLize」に、自社でのコンテンツ制作やWeb講演会機能など、企業担当者が手軽に扱える新機能を実装する一方、大口顧客による社内コミュニケーションの活性化ニーズに対しては、企業向けCDNサービス「Kollective SD ECDN」を提供していく方針である。また、顧客別では、医薬関連でWeb講演会をさらに拡販するとともに各専門医学会への普及展開を図り、双方向配信や4Kなどの新たなニーズを開拓していく一方、金融向けにはPR用コンテンツ制作や社内利用動画、代理店向けの教育・情報発信などのサービス充実を訴求していく計画である。 (2) EVC関連市場と方向性動画配信プラットフォームの市場は、動画配信の能力と動画配信の目的の2軸で構成される。その中での現在の同社の役割は、内製支援やライブ配信を目的に単純な動画を配信することにある。ユーザーの利便性を高めるため同社が業容拡大を狙うのであれば、残りの領域への拡大を図ることになるだろう。しかし、インタラクティブな動画を配信するだけのライブ配信基盤市場は既に寡占状態のため、また、インタラクティブ動画で業務課題の解決を図るWeb会議市場については既にレッドオーシャン化しているため、同社として参入する気はなさそうである。同社はBusiness Video Apps市場と言われる、Web講演会や遠隔研修会、オンライン授業、販促ライブなどのビジネスライブソリューション市場、及び動画マニュアルといった用途特化型やコンサルテーションを付加した動画配信サービスなど、ビジネス動画ソリューション市場へのドメイン拡張を狙っている。なかでも、同社にとって売上高構成比の大きい医薬業界と金融業界には積極的にアプローチする考えである。医薬業界向けには、引き続きWeb講演会の深耕を継続するとともに、デジタルマーケティングへと領域を拡張する方針である。2018年度前半に一時ライブ配信が弱含んだが、医師への情報提供の多くは依然高コストのMRが担っているため、メーカーのMRから動画配信など低コストの販促へとシフトするニーズは強く、動画配信の拡大余地は依然大きいと考えられる。金融業界向けには、SIerとの代理店協力を進めながら、動画による社内情報共有といった「働き方改革ソリューション」を展開する考えである。また、運用・広告サービスやセキュリティ強化の需要にも応じ、統合型セキュリティソフト「Incapsula」など商材も提案していく方針である。 メディア向けにサイマル放送関連サービスを展開3. メディアに対する事業戦略とOTT領域スマートフォンが普及し次世代インターネット環境が整備されつつあるなか、NTTドコモ<9437>など通信事業者による動画配信サービスに加え、OTTを利用して様々なコンテンツホルダーによる配信が広がっている。そこで注目されるのが、キー局や地方局など通信事業者以外のコンテンツホルダーの動向である。OTTでは継続的な開発やシステム運用が必要になるため、すべてのコンテンツホルダーが配信サービスを構築できるわけではなく、コンテンツホルダーは現状、影響力の大きいAmazonプライムビデオやNetflixなどを利用している。しかし、プラットフォームをそうした企業に依存していては、コンテンツホルダーとして効率的・効果的な戦略が取れず、同業との差別化もできないため、独自のコンテンツ配信サービス(IPサイマル放送)を構築する必要に迫られる。キー局や地方メディアといったコンテンツホルダーのこうしたニーズに対して、広告展開などコンテンツビジネスの収益化を図り、セキュリティや運用、保守などの問題を取り除くことで、彼ら自身のオウンドメディア※1のごとくOTTを利用できるサービスを、同社は展開することができる。このため同社は、IPサイマル放送需要をグループ全体で取り込むべく、24時間365日体制やマルチCDNの導入など制作・開発・サービス体制を整備している。また、スキニーバンドル※2やOTTビジネス需要に対して、サービスをパッケージ化した対応も進めている。IPサイマル放送向けにサービス基盤を構築提供するサービス事業者でもある子会社イノコスのリソースを利用し、足がかりとして地方局においてマイナースポーツなどで実績を蓄積していく方針である。さらに、放送同時配信、ファイル編成配信、Live To File、災害時向けライブといったIPサイマル配信用機能を「J-Stream Equipmedia」とシームレスに連携することで、「J-Stream Equipmedia」の上位サービスメニューとして展開、極力カスタマイズが発生しない形でターゲット顧客へ提供する考えだ。 ※1 オウンドメディア:広報誌やパンフレット、Webサイト、SNSなど企業自らが所有し、消費者などに向けて発信するための媒体。※2 スキニーバンドル:通常のCATVなどに比べて限定されたチャンネルを低価格で提供するサービス。CATVの低料金プランの意味にも、同様のストリーミングサービスの意味にも使われる言葉。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《MH》
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