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ビジョン Research Memo(10):旅行関連サービスプラットフォームを育成することで成長を加速していく方針

2019/4/11 15:10 FISCO
*15:10JST ビジョン Research Memo(10):旅行関連サービスプラットフォームを育成することで成長を加速していく方針 ■今後の見通し 3. 今後の成長戦略について ビジョン<9416>は、中期経営計画・目標は公表していないが、「世の中の情報通信産業革命に貢献します。」という経営理念に沿って主要2事業の成長戦略を着実に実行し、また、両事業の顧客基盤を生かして新たな旅行関連サービスプラットフォーム事業を育成していくことで成長を加速していく戦略となっている。 グローバルWiFi事業では、市場を第1ステージ:アウトバウンド(日本から海外へ渡航する人)の展開、第2ステージ:インバウンド(海外から日本へ渡航する人)の展開、第3ステージ:海外から海外へ渡航する人の展開、の3つのステージに区分し、各ステージに応じたサービス展開を進め事業規模を拡大していく考えだ。 それぞれの市場規模について見ると、現在の主力となっている第1ステージのアウトバウンド市場については、日本人の海外旅行者数が2018年で1,895万人となり、今後も安定した水準で推移することが見込まれている。一方、第2ステージのインバウンド市場となる訪日外国人旅行者数は2018年で3,119万人となり、政府目標である2020年の4,000万人に向け順調に拡大している。また、第3ステージとなる世界の海外渡航者数の市場規模は2017年で年間13億人規模の巨大市場となっている。同社の顧客平均単価を基に算出した各ステージにおける2018年時点での潜在市場規模は、第1ステージで約1,326億円、第2ステージで約2,183億円、第3ステージで約9兆円超となり、現在主力のアウトバウンド市場だけで見ても、依然、成長余地が大きいと言える。 2018年12月期のグローバルWiFi事業のうち、アウトバウンド全体に占める同社サービスの利用率は14.9%と年々上昇傾向にある。同社の市場シェアが約5割とするとWiFiレンタルサービス全体の普及率はアウトバウンド全体の3割にとどまっており、こうした観点からも成長余地は大きいと言える。同社の調べによると、海外渡航者に関してはWi-Fiルーター1台を平均1.6人で利用しているため、利用率の上限値は全体の6割程度と想定される。このため、同社のシェアが現状を維持した場合の上限値は30%程度となり、現在の2倍までは拡大できる計算となる。 また、インバウンド需要(訪日外国人客)に対する利用率は2018年12月期で2.5%とまだ低水準にとどまっている。同社では、タッチポイントや「スマートエントリー」の増設など利便性の向上に取り組むだけでなく、国ごとに効果的な販売プロモーション施策を打つことで需要を掘り起こしていく戦略だ。例えば、旅行者が出国前に利用する有力ポータルサイト(旅行サイトや鉄道サイト等)とタイアップして広告を打つほか、現地のクレジットカード会社と連携し、付加サービスとしてWi-Fiレンタルサービスを組み込んでもらうケースなどを想定している。 一方、第3ステージに関しては、既存進出先である韓国、台湾、米国等で現地需要の取り込みを進めていく方針となっている。最大市場である中国市場に関しては価格競争が激しく、採算性の面から同社は参入を見送っている。また、欧米市場についてはWi-Fiルーターをレンタルする文化が根付いておらず、競合事業者もほとんどないため、当面はWebプロモーション施策によって需要の掘り起こしを進めていく方針となっている。 情報通信サービス事業に関しては、顧客企業の成長ステージに合わせ最適なサービスを最適なタイミングで提供するストック型ビジネスモデルを強化していくという従来の方針を継続していくことで、安定成長を目指していく方針となっている。同社の主要ターゲットとなるスタートアップ、ベンチャー企業は今後も年間で10万件を超える企業が新設されるものと予想され、同社にとってはこれら新規顧客を確実に取り込むことで、事業の拡大を目指す。 そのほか、グローバルWiFi事業の顧客基盤を生かした旅行関連サービスプラットフォーム事業についても、前述した「ProDriver」サービスなど、新規サービスを今後も提供していく予定にしており、これら新規事業の収益化によって更なる成長に結び付けていく考えだ。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《MH》
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グローバルWiFi事業、移動体通信サービスの加入取次業務などを行う情報通信サービス事業が柱。グランピング施設の運営等を行うグランピング・ツーリズム事業も。訪日外国人向け日本用Wi-Fiレンタルは順調。 記:2024/10/10