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ラクオリア創薬 Research Memo(3):イオンチャネル領域初のライセンスアウトを実現

2019/3/28 7:43 FISCO
*07:43JST ラクオリア創薬 Research Memo(3):イオンチャネル領域初のライセンスアウトを実現 ■会社概要 2. 特長と強み ラクオリア創薬<4579>の強みとして2つ挙げることができる。第1の強みはイオンチャネル創薬の技術である。イオンチャネル創薬は難易度が高く参入障壁が高い一方、薬効や製品の市場性の面での期待が大きい、新しい世代の創薬技術である。第2の強みは創薬のためのインフラが充実していることだ。具体的には約38万件の化合物ライブラリーやスクリーニング・ロボット、解析のノウハウなどである。 イオンチャネル創薬は薬の世代としては新しい世代に属している。イオンチャネルとは細胞の生体膜にあるタンパク質の一種で、受動的にイオンを透過させるタンパク質の総称だ。イオンを通過させる経路(チャネル)には、「選択性」という特質がある。すなわち、経路によって通過できる物質が限定され、例えばカリウムチャネル、ナトリウムチャネルなどと呼ばれる。この選択性という特質を活用することで、特定の箇所や疾患に強力に作用するなど、従来とはまったく異なるアプローチの新薬が期待されている。対象となる疾患の領域としては、疼痛、循環器系、消化器系などにおいて効果のある新薬を生み出せるとの期待がある。しかし一方で、副作用をどう分離するかといった点や、創薬プロセス自体にも課題が多いことなどもあり、容易には参入しづらい創薬分野でもある。 同社のもう1つの強みである創薬インフラは、高度な技術・知識を有する研究員チームを始め、豊富な化合物ライブラリー、独自の測定機器を組み込んで効率性を上げたスクリーニング・ロボット、精製・分析のノウハウの蓄積といった要素を包含している。同社はこの創薬インフラを活用して、得意とする消化器領域や疼痛領域での開発を進めるほか、大学や公的研究機関、製薬企業などと共同研究を行っている。前述のようにイオンチャネル創薬では様々な課題も多く、同社の充実した創薬インフラがあってこそ、同社のイオンチャネル創薬技術も生きてくると言える。こうした強みが評価され、イオンチャネル創薬分野では複数の製薬企業との共同研究が進められている。 2008年の同社創立以来、同社はイオンチャネル創薬に取り組んできたが、2017年に大きな進捗があった。同社は自社で創出した選択的ナトリウムチャネル遮断薬についてマルホ(株)との間でライセンス契約を締結し(2017年12月25日発表)、導出に伴う契約一時金を受領した。これまで同社のイオンチャネル創薬技術は、複数の製薬企業との共同研究において活躍し、研究協力金という形で収益に貢献してきた。今回のマルホとの契約はイオンチャネル創薬として初めてのライセンスアウトであり、大きな一歩と言える。今後マルホは、選択的ナトリウムチャネル遮断薬開発を進めて医薬品を開発し、全世界を対象に販売を目指すことになるが、同社は開発に応じたマイルストン並びに販売に伴うロイヤルティを受け取ることになる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之) 《SF》
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旧ファイザー中央研究所が前身の創薬ベンチャー。愛知県名古屋市に本社。胃酸分泌抑制剤「テゴプラザン」、ペット用医薬品等を手掛ける。低分子創薬、イオンチャネル創薬が強み。テゴプラザンは承認国が順調に拡大。 記:2024/08/19