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シンバイオ製薬 Research Memo(1):「トレアキシン®」は悪性リンパ腫の標準療法として21年度に黒字化達成へ

2019/3/19 15:11 FISCO
*15:11JST シンバイオ製薬 Research Memo(1):「トレアキシン®」は悪性リンパ腫の標準療法として21年度に黒字化達成へ ■要約 シンバイオ製薬<4582>は、患者数が少ないが医療ニーズの高い「がん、血液、希少疾病」領域をターゲットに、臨床試験段階からの開発を進めるバイオベンチャー。主要開発パイプラインは悪性リンパ腫向け治療薬として適応拡大が進んでいる「トレアキシン®」のほか、骨髄性異形成症候群(MDS)向けに開発が進んでいる「リゴセルチブ」の2品目となる。このうち、「トレアキシン®」については2010年に再発・難治性の低悪性度非ホジキンリンパ腫(NHL)/マントル細胞リンパ腫(MCL)、2016年に慢性リンパ性白血病(CLL)、未治療の低悪性度NHL/MCLを適応対象に販売承認が下り、提携先のエーザイ<4523>から販売されている。なお、エーザイとの販売契約は2020年末で終了するため、現在自社販売体制構築に向けて人材の確保を進めている段階で、2020年6月までに体制構築が完了する見通しとなっている。 1. 2021年12月期に黒字化達成の可能性が高まる 同社は2019年2月に中期経営計画を発表、その中で2021年12月期に売上高9,132百万円、営業利益1,225百万円と黒字化を達成する目標を打ち出した。黒字化達成に向けては、自社販売体制の構築と「トレアキシン®」の適応拡大や液剤タイプの承認及び切り替え等による売上拡大が挙げられるが、いずれも現段階では順調に進んでおり、同目標を達成する可能性は高いと弊社では見ている。また、2022年以降についても業績は右肩上がりに成長を続ける可能性がある。「トレアキシン®」で現在開発を進めている再発・難治性の中高悪性度NHLの一種である、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)で販売承認が得られれば、国内での対象患者数が2018年の約1.7万人から約3.5万人と一気に2倍に拡大するためだ。「リゴセルチブ」についても開発元のオンコノバ・セラピューティクス<ONTX>(米)(以下、オンコノバ)が未治療の高リスクMDSを対象とした第2相臨床試験(アザシチジンとの併用)で奏効率において好結果が得られたことを発表しており、2019年は国際共同第3相臨床試験を行う予定となっている。同社もこれに参加予定で、開発に成功すれば数年後に売上貢献が期待される(アザシチジンの国内市場は約150億円規模)。これらの開発にすべて成功すれば、売上成長ポテンシャルは薬価ベースで2018年の85億円から400億円前後に拡大する計算となる。 2. 2019年12月期の業績見通し 2019年12月期の業績は、売上高で前期比16.4%増の4,465百万円、営業損失で3,587百万円(前期は2,656百万円の損失)となる見通し。売上高については2018年7月に日本血液学会の診療ガイドラインにより「トレアキシン®」と「リツキサン®」の併用療法(BR療法)が悪性リンパ腫の標準治療法として推奨されたことが大きく、未治療の低悪性度NHL向けでの使用が進むことが増収要因となる。BR療法の市場浸透率は2017年第3四半期の30%から2018年第3四半期は56%まで上昇しており、2019年も更に浸透率の上昇が見込まれる。一方、費用面では研究開発費用や自社販売体制構築に向けた関連費用(人件費やシステム関連投資等)の増加を見込んでおり、営業損失の拡大要因となる。 3. 財務戦略 同社は今後の事業活動資金を安定的に調達するため、2018年4月にEVO FUNDを割当先とする第45回乃至第47回新株予約権(行使価格修正条項付)を発行した。新株予約権に相当する普通株式数は合計で50百万株となり、希薄化率は92.5%となる。既に第45回(20百万株)については行使が完了しており、残りは2019年と2020年に分けて行使される予定になっている。2018年12月期末の現預金は約48億円で、会社の業績計画を前提にすると2019年から2020年までは累計で88億円のキャッシュアウトが生じることになる。このため2020年までの事業活動資金としては少なくとも40億円が必要だが、現状の株価水準(2019年3月14日229円)で残りすべてが行使されたとすれば68億円の調達が可能となり、十分賄える状況にあると言える。また、中期経営計画の最終年となる2022年12月期の純利益は1,736~2,060百万円を目標としており、47回までの新株予約権がすべて行使されたベースで1株当たり利益を試算すると16.7~19.8円になる。 ■Key Points ・「がん、血液、希少疾病」領域をターゲットに、臨床試験段階からの開発を行うバイオベンチャー ・2019年度は臨床試験の進展と自社販売体制構築に準備を進める ・薬価ベースの売上成長ポテンシャルは400億円前後と2018年実績の5倍に (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《RF》
関連銘柄 2件
4523 東証プライム
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時価総額 1,630,229百万円
国内製薬大手。神経領域、がん領域が重点領域。抗がん剤「レンビマ」が主力製品。一般用医薬品でチョコラBBなど。不眠症治療剤「デエビゴ」は成長。米国でのレケンビ治療は着実に進捗。中長期的に研究開発投資を継続。 記:2024/04/29
4582 東証グロース
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時価総額 11,840百万円
がん、血液、ウイルス感染症分野がターゲットのバイオベンチャー。抗悪性腫瘍剤「トレアキシン」が主力。トレアキシンの処方患者数は3.7万人超。アデノウイルス感染症など抗ウイルス薬BCVのグローバル開発推進。 記:2024/08/19