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学研HD Research Memo(5):学研教室では英語等の強化で拡大を目指す

2019/1/31 16:05 FISCO
*16:05JST 学研HD Research Memo(5):学研教室では英語等の強化で拡大を目指す ■中期経営計画:『Gakken 2020』 2. 教育サービス事業の事業戦略 『Gakken 2020』における教育サービス事業の事業戦略は、“新しい学習コンテンツをグループ横断で開発、リアル教育の場で実践”をテーマに、2つのサブセグメントである学研教室と進学塾のそれぞれで成長を図る方針だ。 (1) 学研教室事業 学研ホールディングス<9470>の学研教室事業では、教室数の維持・拡大が目標となっている。学研教室事業はFC展開が事業モデルであるため、教室数の増減が収益に直接影響することを考えれば、教室数の拡大方針は当然と言える。 問題はそれをどう実現するかだが、同社は英語とSTEAMを切り札に活用する方針だ。英語教育の重要度の高まり、及び顧客側の関心の高まりについては説明の必要はないであろう。前述のように、学研教室の主体は小学生であり、そのカリキュラムは国語と算数をバランスよく教える点に特長がある。ここに英語を組み込み、“算国英”の3科目を効率よく学習できる点をセールスポイントとして打ち出す方針だ。 STEAMとは新たな教育手法で、一般的には“STEM教育”(Science, Technology, Engineering and Mathematics)が知られているが、STEMにArt(芸術)を加えたものである。同社はSTEAMを推進する方針だ。2020年に公教育におけるプログラミング必修化がスタートするが、それに対応したプログラミング的思考を養成するのがSTEAMだ。同社はこれを(株)アーテックと手を結び、学研教室への普及拡大に注力している。2018年5月現在で650教室・1,700会員が参加しているが、これは国内の教室数・会員数を考えれば、今後の開拓余地は大きいと言える。 学研教室に関しては英語塾の立ち上げが戦略の中に組み込まれている。その事業モデルや展開の規模やスピード感等の詳細については現状では明らかにされていない。英語教育の強化は学習塾業界全体のトレンドと言える動きだが、これもそうした動きの1つと考えられる。既存の同社の英語教育や他社と比較してどのような差別化戦略で臨むのか、注目したい。 (2) 進学塾事業 進学塾事業では、1)ドミナント戦略と自立型個別学習システム(G-PAPILS)の拡大、2)新たな学習コースの開発(プログラミング、4技能対応英語、アセスメント)、3)教育アライアンスネットワーク(Networks of Educational Alliance、以下NEA)の普及・拡大、の3点を具体的戦略として掲げている。 1)のドミナントについては、同社の店舗展開が相対的に手薄なエリアをどのように攻略していくかということを念頭に置いたコンセプトと思われる。攻略の糸口として教育サービス事業内の商材で期待がかかるのがG-PAPILSだ。これは映像配信とAIを活用した次世代型の自立型個別学習塾というのがコンセプトになっている。現在は傘下の学習塾を中心に、関東近県をはじめ全国各地に展開している。新中期経営計画においては、これら直営の教室数の拡大に加えて、外部(サードパーティ)へ卸販売まで展開することが目標になっているとみられる。この点については後述する教育アライアンスネットワークが効果を発揮する可能性もあるとみている。 2)については特に4技能対応の英語教育コースの開発が重要だと弊社では考えている。そう考える理由の1つは、2020年度の大学入試制度改革対応という点で最重要ポイントの1つであるためだ。もう1つの理由は、同社本体が傘下の学習塾企業をまとめ上げるツールとして有効に機能する可能性があることだ。これまでの同社は、持株会社体制のもと、各子会社の主体性を尊重する体制を維持してきた。しかしそれでは対応が難しくなってきているのが今の状況と言える(教育アライアンスネットワークの結成もその延長にある)。4技能強化英語教育は進学塾事業の求心力強化につながる魅力的なツールとなる必要がある。これまでのところ具体的な発表はなされていないが、2020年度までに残された時間は短い。今後の展開を見守りたい。 3)のNEAは2018年9月に同社と市進ホールディングス<4645>が主導して結成された一般社団法人だ。全国の130社を超える塾・予備校が参加している。代表理事には市進ホールディングスの代表取締役社長である下屋俊裕(しもやとしひろ)氏が就任し、同社は事務局運営を担っている。同社は前中期経営計画の時代から全国規模の塾のアライアンス網形成を目指してきたがそれが結実した。設立の狙いは学習塾を取り巻く環境が厳しさを増すなか、アライアンスによって持続的発展を目指すことにある。ビジネスの観点からは、同社が有するコンテンツやノウハウを卸売りするプラットフォームができたということになる。その候補としてはまず学習アセスメントが挙げられるが、今後開発されるであろう4技能強化英語教育プログラムなども当然候補となってくるだろう。これもまだ始まったばかりで具体的な活動・成果はこれから本格化するステージにある。同社は新中期経営計画にはNEAの業績を織り込んでいないが、この2年間でどのような進展を見せるか注目される。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之) 《MH》
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