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窪田製薬HD Research Memo(1):スターガルト病治療薬の臨床第3相試験を開始

2018/12/17 15:01 FISCO
*15:01JST 窪田製薬HD Research Memo(1):スターガルト病治療薬の臨床第3相試験を開始 ■要約 窪田製薬ホールディングス<4596>は革新的な眼疾患治療薬及び医療デバイスの開発を進める米アキュセラ・インクを子会社に持つ持株会社で、2016年12月に東証マザーズに上場※。研究開発等の事業活動は日米で連携して行っている。同社株式の36.22%をSBIホールディングス<8473>傘下のSBIインキュベーション(株)が保有しており、筆頭株主となっている。 ※2016年11月まではアキュセラ・インクが東証マザーズ外国部に上場していたが、国内での認知度向上や潜在的株式価値の向上を目的に、三角合併により窪田製薬ホールディングスを国内で設立、内国株式として再上場した。 1. 医薬品開発パイプラインの進捗状況 医薬品の開発パイプラインでは、スターガルト病を適応症とするエミクススタトの第3相臨床試験が2018年11月より始まっている。スターガルト病は遺伝性の若年性黄斑変性で、症状の進行とともに視力の低下や色覚障害を引き起こし、有効な治療法がいまだ確立されていない稀少疾患となる。患者数は欧米、日本で合計約15万人弱と少ない。エミクススタトを投与することで本疾患の症状進行を抑制する効果が期待でき、第3相臨床試験では欧米の医療施設で約160名の被験者に対してプラセボとの二重盲検比較試験を行う予定となっている。エミクススタトはFDAよりオーファンドラッグ認定を受けている。また、網膜色素変性を対象とした遺伝子治療の開発については、患者の網膜に投与するヒトロドプシン等の最適化に向けた取り組みを2018年に開始しており、2021年のIND(臨床試験用の新医薬品)申請を目指している。 2. 在宅・遠隔医療モニタリング機器「PBOS」の開発状況 網膜疾患患者向け超小型モバイルOCT※「PBOS」では、プロトタイプ機の臨床試験が2018年10月に米国で完了した。網膜の厚み測定の再現性などすべての評価項目で良好な結果が得られたことを受け、現在は量産型試作機の開発に着手している。2019年にも量産型試作機で評価し、医療機器として申請、承認および認証を取得、2019-2020年の量産体制確立を目指す方針となっている。「PBOS」は患者自身が在宅で網膜の厚さを簡単に測定できるため、症状の進行具合を自宅にいながら把握でき、適切なタイミングで治療を受けることが可能となる。加齢黄斑変性等の網膜疾患では適切なタイミングで治療を受けずに、症状を悪化させてしまう患者も多く、「PBOS」を用いることでこうした問題が解消されることになる。対象となる患者数は世界で1億人を超えるだけに潜在需要も大きく、今後の動向が注目される。 ※OCT(Optical Coherence Tomography)は光干渉断層計という網膜の診断画像を撮影する検査機器のことで、網膜疾患や黄斑部の病変の診断用として使用される。 3. 業績動向 2018年12月期第3四半期累計の連結業績は、事業収益の計上がなく、研究開発費や一般管理費などの減少により営業損失は2,341百万円(前年同期は2,922百万円の損失)と縮小した。通期業績は事業収益の計上予定がなく、営業損失で3,500百万円(前期は3,620百万円の損失)となる見通し。なお、当第3四半期末の手元資金は11,373百万円となっており、事業活動資金は確保されているが、当面は研究開発が先行する見通しとなっているため、効率的な研究開発の実施や一般管理費の見直しを継続的に行うことで、可能な限り支出を抑えていく方針となっている。 ■Key Points ・眼科領域に特化して革新的な医薬品・医療機器の開発を目指す米国発のベンチャー企業 ・スターガルト病治療薬、医療デバイスであるPBOSの開発が順調に進む ・スターガルト病の開発費用は新株予約権の行使と手元資金で充当していく方針 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《MH》
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