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日本ライフL Research Memo(1):直近業績は足踏みも成長基盤の整備が進む

2018/12/10 16:36 FISCO
*16:36JST 日本ライフL Research Memo(1):直近業績は足踏みも成長基盤の整備が進む ■要約 日本ライフライン<7575>は、循環器系医療機器の輸入商社であり、メーカーである。設立以来、海外の先端医療機器を国内へ導入して販売拠点を全国に広げる一方、医療現場のニーズにきめ細かく対応した自社製品も開発してきた。こうした販売体制、製造体制に加え、医療機器導入に必要な薬事承認を取得する薬事体制も強化している。加えて独立系ということもあり、日本に販路を持たない海外メーカーにとって、同社は販売パートナーとして信頼と魅力にあふれる取引先と言うことができる。 同社の品目領域は、リズムディバイス、EP/アブレーション、外科関連、インターベンションの4つに大別される。売上構成比は2019年3月期第2四半期で、リズムディバイス14.4%、EP/アブレーション50.5%、外科関連25.1%、インターベンション10.1%である。リズムディバイスでは、心臓ペースメーカなど不整脈治療用の機器などを扱っている。EP/アブレーションでは、不整脈検査・治療用のディスポーザブル式の電極付きカテーテルなどを取り扱っている。2019年3月期第2四半期の心房細動(Atrial Fibrillation, AF)のアブレーション治療の症例数(以下、「AF症例数」)は前年同期比20%増になるなど、近年、急速に伸びている。外科関連では、機能を喪失した血管や心臓の弁などを人工の臓器に置き換えて治療する医療機器などを扱っている。インターベンションでは、主に心筋梗塞や狭心症などを治療するための医療機器を扱っている。 2019年3月期第2四半期の業績は、売上高22,265百万円(前年同期比9.9%増)、営業利益4,860百万円(同0.0%増)となった。しかしながら、前年同期に子会社合併に伴って一時的な売上総利益の増加要因として未実現利益の調整によるプラスが502百万円発生しており、その影響を控除した実質的な営業利益率は11.6%増である。2019年3月期の業績見通しについては、同社は通期見通しを見直し、売上高で5.4%、営業利益で7.3%下方修正した。販管費が保守的な前提になった感はあるが、理由は、大型商品として期待された「Orsiro」の売上高が計画に届かなかったことなどにある。対前期の比較としては、売上高46,762百万円(前期比10.6%増)、営業利益10,383百万円(同2.7%減)を見込んでいる。通期予想の営業利益も未実現利益の調整による影響を控除した実質ベースでは前期比9.3%増ということになる。 「Orsiro」については計画を下回り、下方修正の要因となったが、同社では販売体制の強化やサイズラインナップの拡充に取り組み販売増につなげていく考えだ。また、2018年は従来からの契約関係における変更が複数発生しており、中長期的な成長戦略において進捗が見られた。同社の基盤である不整脈治療領域では、リズムディバイスで心臓ペースメーカ等の仕入先をMicroPortからBoston Scientific Japanへ来年9月に変更することが発表され、また外科関連では人工弁関連の取扱いを終了する旨が発表された。短期的には下方修正というネガティブな結果となったが、中期的には、不整脈治療領域では中長期的に成長基盤が強化されたと捉えられる。また、自社製品については、引き続きEP/アブレーションにおける症例数の増加が継続しており、同社の成長ドライバーとして寄与していく見通しには変りなく、同社の成長ストーリーは大きく変わらないと考えられる。いずれにしろ同社は、2019年5月に新たな中期計画を発表する予定である。 ■Key Points ・循環器系医療機器に特化した輸入商社兼メーカー ・自社製品と独占販売契約の輸入商品が主力で高収益体質を誇る ・中長期的な独占販売契約を締結し、中期経営計画の見直しが待たれる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《RF》
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時価総額 96,970百万円
循環器内科、心臓血管外科領域中心の独立系医療機器商社。メーカー機能も持つ。自社製品売上比率は5割超。人工血管関連は自社製品「オープンステントグラフト」の売上が順調。28.3期売上高630億円目指す。 記:2024/06/13