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テクノスJPN Research Memo(2):質の高いコンサルティング力などを生かしたICTシステムサービス企業

2018/9/6 15:32 FISCO
*15:32JST テクノスJPN Research Memo(2):質の高いコンサルティング力などを生かしたICTシステムサービス企業 ■会社概要 1. 事業概要 テクノスジャパン<3666>は、ERP(基幹業務システム)導入支援を主力とするほか、第2の柱としてビッグデータ事業にも注力する独立系のICTシステムサービス企業である。「最適なシステムソリューションを通じて、世界へ活躍の場を広げる日本企業の根幹を支える」ことをミッションに掲げ、情報システムの企画・立案から、分析・設計、開発・導入、保守に至る一連のサービスを提供。質の高いコンサルティング力や技術力、独自テンプレートの活用などに強みがあり、SAPを軸としたERP導入支援では、製造業を中心に130社以上の実績を誇る。また、加速するデジタル化の潮流に対しては、ERP事業における強みを生かし、ビッグデータや最新デジタル技術(IoTやAI、ブロックチェーン等)を組み合わせた「スマート&デジタル化」(スマートファクトリー等)による差別化を図っており、グループとして顧客企業のビジネス展開を支援する体制を構築している。 業種別売上構成比(2018年3月期実績)は、製造業が73.1%、サービス業が14.2%、商業・小売業が8.8%、その他が3.9%となっており、製造業向けを得意としているが、ビッグデータ事業の推進により製造業以外での企業開拓にも取り組んでいる。 事業セグメントは、「情報システムソリューションサービス」の単一であるが、提供するサービスの内容により、「基幹業務システム及び周辺ソリューション」及び「その他」に区分している。さらに前者については、主力の「ERPシステム導入支援業務(以下、ERP事業)」のほか、グループ会社(持分法適用関連会社)のTDSEとの連携による「ビッグデータ活用支援業務(以下、ビッグデータ事業)」に大別される。「情報システムソリューションサービス」が連結売上高全体の98.1%を占めている。 (1) ERP 事業 顧客企業の最適なソリューションを実現する「Best of Breed」※を戦略の基本に据え、世界規模で流通している様々なERPベンダーが提供するERPパッケージ(基幹業務システム)の導入支援を展開している。具体的には、顧客企業のロジスティクス管理業務(購買、生産、販売)におけるモノの流れの適時的確な把握のほか、会計管理業務(財務会計、管理会計)における業績の適時把握及び将来予測、グローバル化する企業グループの業績管理などに対して、上流(コンサルティング)から下流(保守・改善)までを一気通貫で手掛けている。取り扱うERPパッケージは、SAPジャパン(株)のSAP ERPを中心に、生産管理に強い東洋ビジネスエンジニアリング<4828>のmcframe、インフォアジャパン(株)のInfor LN、日本オラクル<4716>のJDEなどである。 ※各分野で最良のハードウェアやソフトウェアを選択し、その組合せでシステム構築を行うアプローチ。 軸となるSAP ERPは、1996年9月にSAPジャパンとパートナー契約を締結(製品の取扱いは創業時の1994年から開始)し、130社を超える導入支援実績を誇る。また、海外関連のプロジェクトにも力を入れており、ロールイン・ロールアウト(日本企業の海外現地法人及び外資系企業の日本法人向けの導入)を支援している。さらには、これまでの導入経験により作成したテンプレート※を活用することにより、短納期・低コスト導入や新たな付加価値の提供も可能としている。 ※同社がERPパッケージや他のソフトウェアの導入実績で得た、他社でも必要と考えられる設定や追加機能をERPパッケージに適用した新たなパッケージを指す。新規導入時に、ERPパッケージとともにそれらの設定や機能を追加することで、導入期間の短縮化や低コスト化を図ることができる。 また、ERPパッケージの導入とともに、周辺技術を組み合わせ、さらに進化したトータルソリューション(需要予測やマーケティング関連など)に対するニーズも高まっており、TDSEとの連携(データ解析)や新技術の獲得(システムデータ連携等)により積極的に対応している。 (2) ビッグデータ事業 ERPパッケージの導入やインターネットの普及等によって蓄積された大量のデータを企業の事業活動(営業、購買、生産等)において活用するためには、「データの一元管理」と「ITの活用」、「予測モデルの利用」が重要となる。同社グループでは、これらの3つの要素を一貫して管理できるプラットフォームを提供するとともに、データ活用のコンサルティングや企業の分析担当者を支援するサービスを行っている。 グループ会社(持分法適用関連会社)のTDSEは、国内トップクラスのデータサイエンティスト(統計解析の高度な知識を持った専門家)を擁しており、ビッグデータを活用する(価値に変える)ための4つのフェーズ、すなわち「ためる」「キレイにする」「分析する」「予測する」に対して、コンサルティングとシステム開発の2つのアプローチでサポートしている。特に、AI製品として自社開発した「scorobo」※1を提供するほか、有力なソーシャル分析ツールである「Netbase」※2のアジアでの主要な代理店になっている。これまでの主な実績としては、顧客企業の様々な業務分野におけるデータ解析支援のほか、IoTデータを活用した社会インフラ(風力発電や送電線など)のメンテナンス効率向上の仕組みなどの構築や、FinTechサービス※3などが挙げられる。 ※1 グループ初の機械学習機能を搭載した人工知能製品。デジタルマーケティングから金融業界、そしてスマート工場へ活用範囲を拡張。今後さらに様々な分野への活用を進めていく。 ※2 NetBase(米国)が展開するソーシャルデータ分析ツール(SNS上の顧客の声をリサーチ)。リスク管理やマーケティング活用で利用企業が急増し、大手自動車メーカーや大手アパレル企業等に導入。 ※3 ファイナンスとテクノロジーを掛け合わせた造語であり、ファイナンス・テクノロジーの略。ICTを駆使した金融サービスのこと。フィスコ<3807>と提携し、株価予測及び経済指標予測を独自の人工知能製品「Scorobo」シリーズで提供している。 今後は、加速するデジタル化への潮流に対応するため、ERP事業で培った生産管理などの業務ノウハウと、ビッグデータや最新デジタル技術(IoTやAI、ブロックチェーン等)を組み合わせた「スマート&デジタル化」(スマートファクトリー等)の推進により、顧客企業のビジネス展開や生産性向上を支援していく方針である。 2. グループビジネス体制 同社グループは、同社のほかに、連結子会社2社及び非連結子会社1社、持分法適用関連会社1社で構成されている(2018年3月末現在)※1。連結子会社には、ニアショア拠点として設立された沖縄テクノス(株)、国際拠点の司令塔として位置付けられている(株)テクノスグローバルカンパニー(以下、TGC)、非連結子会社は米国シリコンバレーのリサーチカンパニーであるTecnos Global Company of America,Inc.(以下、TGCA)※2、持分法適用関連会社は2018年3月期2四半期末より連結子会社から持分法適用関連会社へと移行したTDSEである。グループの全体像は、同社及び沖縄テクノスでERPを中心としたICTビジネス、同社とTDSEでビッグデータ事業を行い、それをTGCとTGCA、新たに買収した米国Lirikがグローバルに展開していく体制である。 ※1 ただし、2018年7月末時点においては、TGCAの連結子会社化及び米国Lirikの買収(孫会社化)により連結子会社2社が追加された。その結果、同社グループは、同社のほかに、連結子会社4社、持分法適用関連会社1社となっている。 ※2 TGCAは、Tecnos Research of America, Inc.(以下、TRA)より社名変更(2017年11月)。 グループ戦略の根本的なテーマとして、自律(グループ各社が、勝ち残っていく力を身につけること)と融合(グループ各社が連携して市場競争力をさらに高めること)を掲げており、グループ各社の強みを生かしたビジネスモデル構築(グループシナジーの創出)により次なる飛躍を目指す方針である。なお、TDSE については、成長資金の確保や経営の自由度を高めるため、将来的には株式上場も視野に入れているようだ。 3. 沿革 同社は、少人数精鋭で質の高いSIサービスを提供することを目的として、1994年4月に設立された。以後、SAPジャパンを筆頭に、東洋ビジネスエンジニアリング、日本オラクル、インフォアジャパンといったERPベンダー各社と提携を行い、ERP導入支援事業体制を整備・拡充しながら事業規模を拡大してきた。特定ベンダー製品に依存しない事業運営体制のもと、質の高いコンサルティング力や技術力、プロジェクトマネジメント力がベンダー及びユーザーから評価されたことで順調に業績を伸ばし、2012年12月に大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)に株式を上場した(2015年6月に東京証券取引所市場第2部へ市場変更に続き、同年9月には同市場第1部へ市場変更)。 2012年のJASDAQ上場後は、ビッグデータ事業をERP事業に次ぐ第2の柱にするための戦略を展開している。2013年9月に米国での情報収集及びベンチャー企業の発掘を目的にTRAを設立したほか、同年10月にはビッグデータ事業を担うデータサイエンティスト集団である現在のTDSE※を設立し、新たな事業基盤の構築に着手。2015年には人工知能製品の販売を開始したほか、(株)ZMP、(株)セールスフォースドットコム、日本マイクロソフト(株)と相次いで業務提携を締結し、ビッグデータ事業の基盤強化及び拡充を図る戦略を加速してきた。2017年にはTDSEによる第三者割当増資を実施(主な引受先は、あいおいニッセイ損害保険及びNTTデータ)。2018年には米国Lirikの買収により北米市場でのビジネス拡大に向けて体制を整えた。 ※設立当初の社名は、テクノスデータサイエンス・マーケティング(株)(TDSM)。ビッグデータ解析にとどまらず、コンサルティングからシステムエンジニアリングまで一気通貫で提供できる体制をアピールするために、2016年4月に現在のTDSEへ社名変更した。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫) 《MH》
関連銘柄 4件
3666 東証スタンダード
780
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時価総額 15,912百万円
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3807 東証グロース
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時価総額 6,243百万円
独立系金融情報配信会社。法人向けリアルタイムサービス、スポンサー型アナリストレポート等を手掛ける情報サービス事業が主力。暗号資産・ブロックチェーン事業等も。高付加価値サービスなどで案件単価の向上図る。 記:2024/08/02
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時価総額 1,932,282百万円
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時価総額 47,520百万円
ERP・基幹系システムを中心としたコンサルティングや導入支援に加え、自社開発ERPパッケージ「mcframe」シリーズ製品の販売等を行う。成長投資に経営資源配分。mcframeライセンス売上は増加傾向。 記:2024/07/05