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フリービット Research Memo(1):2018年4月期は大幅営業増益。中期事業方針営業利益50億円へ成長加速

2018/7/2 15:01 FISCO
*15:01JST フリービット Research Memo(1):2018年4月期は大幅営業増益。中期事業方針営業利益50億円へ成長加速 ■要約 フリービット<3843>は、インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)へのインフラ提供やMVNE(Mobile Virtual Network Enabler:仮想移動体通信サービス提供者)としてのMVNO※1への参入支援、バーチャルデータセンター(VDC)※2を中心とするクラウドインフラの提供、インターネット・サービスにおけるコンサルティング、ソリューションなど様々なサービスを、主に法人向けに提供する。また、グループ会社を通じて、個人向けのISPやMVNOサービス、Webマーケティングサービス、集合住宅向けのインターネット関連サービスなどの事業を手掛ける。 ※1 Mobile Virtual Network Operatorの略。NTTドコモ<9437>、KDDI<9433>、ソフトバンク(株)のような無線通信基盤を有する事業者から回線を借りて独自の通信事業を行う事業者。 ※2 データセンターの機能を仮想的に構築し、インターネット上から利用できる仕組みまたはサービス。 2016年9月に連結子会社化した(株)EPARKヘルスケア(現(株)フリービットEPARKヘルスケア)を核にしてヘルステック事業セグメントをスタート、2017年3月には不動産Tech領域進出の足掛かりとして不動産仲介業(株)フォーメンバーズを連結子会社化した。2016年に東証1部に昇格した。 1. 2018年4月期の業績動向 2018年4月期通期連結業績は、売上高が前期比9.7%増の38,653百万円、営業利益が同40.1%増の1,851百万円、経常利益が同76.6%増の1,426百万円、親会社株主に帰属する当期純損失が567百万円となり、増収及び大幅な営業増益となった。売上高に関しては、マンションインターネット等が好調のブロードバンド事業、ヘルステック事業の事業開始などが増収をけん引した。セグメント別の利益では、ブロードバンド事業のマンションインターネットとアドテクノロジー事業の増益幅が大きかった。親会社株主に帰属する当期純利益の減益は、法人税などの増加は想定内だったが、アドテクノロジー事業における非効率資産の減損やヘルステック事業における一部撤退、持分法投資損失等は想定外だった。 2. 2019年4月期通期の業績見通し 2019年4月期通期の連結業績は、売上高が前期比16.4%増の45,000百万円、営業利益が同35.0%増の2,500百万円、経常利益が同64.8%増の2,350百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が250百万円と6期連続の増収と過去最高の営業利益の見通しだ。売上高に関しては、ブロードバンド事業(マンションインターネット)の更なる成長、アドテクノロジー事業の各商品の継続的拡大、ヘルステック事業でのフリービットEPARKヘルスケアを中心としたシナジー創出などにより安定成長を目指す。営業利益に関しては、アドテクノロジー事業が柱となり、前期(2018年4月期)に赤字だったモバイル事業とヘルステック事業が黒字化することで増益に寄与。稼ぎ頭のブロードバンド事業においては、今後の通信トラフィック増に向けた対策や不動産テックへの先行投資も継続する。全社では本来のポテンシャルでは営業利益で3,500百万円前後の収益力を持つ同社だが、先行投資約1,000百万円をするため、2,500百万円を予想する。先行投資する事業と収益を獲得する事業がうまく噛み合い、安定成長する事業ポートフォリオを形成している点を評価したい。 3. 中長期の成長戦略 同社は2016年6月に4ヶ年の中期事業方針「SiLK VISION 2020」を発表し、2020年4月期に売上高500億円、営業利益50億円を目指している。現在残り2期となり、ゴールが見通せる段階まできている。売上高に関しては、2018年4月期の実績から年13.7%成長で目標に達するため、これまでの同社の成長力からすれば確度が高い。営業利益に関しては、2018年4月期の実績から年64.4%成長とハードルは高いが、これまでの先行投資フェーズから回収フェーズに移行するシナリオが実現すれば達成できる射程圏内に入っている。 事業セグメント別では、2020年4月期の稼ぎ頭は、アドテクノロジー事業がブロードバンド事業を抜いて全社の稼ぎ頭となる。いずれの事業も20億円前後の営業利益を稼ぐポテンシャルがあり、先行投資やイレギュラーな事象がなければ安定した業績が見込める。不確定性が高いのはモバイル事業とヘルステック事業の動向である。いずれの事業も2019年4月期に黒字化を目指しており、その進捗いかんが営業利益50億円達成の試金石となるだろう。 ■Key Points ・インターネットやモバイルのインフラ提供に強みを持つメガベンチャー。“ヘルステック”や“不動産テック“の立ち上げに注力 ・2018年4月期は、ブロードバンド事業(マンションインターネット)及びアドテクノロジー事業がけん引し大幅営業増益 ・2020年4月期売上目標500億円、営業利益目標50億円に向け成長加速。盤石な主力2事業に加えヘルステック事業とモバイル事業の動向がカギ (執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫) 《NB》
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