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ワールドHD Research Memo(7):2021年度に売上高2,000億円、営業利益100億円を目指す

2018/4/16 15:17 FISCO
*15:17JST ワールドHD Research Memo(7):2021年度に売上高2,000億円、営業利益100億円を目指す ■中期経営計画について 1. 中期経営計画の概要 ワールドホールディングス<2429>は2021年までの中期経営計画を2017年2月に発表している。中期経営計画の基本戦略として、中期経営計画の前半では既存の3つのコアビジネスを中心として、経営基盤の強化と既存ビジネスの周辺領域への拡大を目指しており、中期経営計画の後半では、新たなビジネス領域への進出によって事業の裾野を拡大する計画となっている。また、事業の拡大に当たってはグループシナジーが見込まれる企業等を中心に、M&Aの活用も引き続き検討していく。 最終年度となる2021年12月期の経営数値目標としては、売上高で2,000億円(2016年12月期比2.1倍増)、営業利益で100億円(同35%増)、ROE20%以上(2016年12月期実績33.5%)、自己資本比率20%以上(同19.4%)を掲げ、成長投資(M&A資金)として100億円を見込んでいる。主力3事業ともに5年間で約2倍の事業規模に拡大する計画で、営業利益率は5.0%とやや保守的に想定しているが、売上規模が計画どおりとなればスケールメリットにより6~7%の水準は達成可能と見られる。初年度となる2017年12月期に関しては、期初計画に対して売上高で33億円、営業利益で7億円上回るなど、順調な滑り出しとなっている。 M&A案件として2018年2月に、ソフトウェア受託開発及びネットワーク構築支援事業を展開する西肥情報サービス(株)の全株式を取得し、子会社化したことを発表している。西肥自動車(株)のシステム部門が独立した会社で、もともと路線バスの運行システムの開発・保守を永く手掛けていた。システム開発において高い技術力を持ち、官公庁や大学等の案件を数多く手掛けている会社で、同社のテクノ事業とのシナジー効果が期待される。直近の売上実績では2017年3月期に480百万円を計上している。 主力3事業ともに売上高で2倍増を目指す 2. 事業別戦略 (1) 人材・教育ビジネス 人材・教育ビジネスにおいては、人手不足が続く追い風の環境の中、業界内での独自のポジションを確立すべく、明確なリターンを設定した積極的な投資を行っていく。現在の人材業界は一時的な業務ニーズ対していかに人材を動員できるかという「動員力」が競争のポイントになっているが、同社は人材育成への投資を積極的に行い、より専門性の高い技能・技術集団の形成に注力する。現在の業界のボリュームゾーンにだけでは、同社は社員に対する将来的な安定を極めて限定的な人材にしか提供出来ないと考えており、この領域を抜け出し、 より専門的な高スキルが求められる研究・技術派遣やチーム派遣、従来メーカーの社員が行ってきた設計・開発まで含めた一括製造請負案件の受託にシフトしていくことで高収益化を図り、社員に還元することによって強い集団を目指すと共に、アウトソーシングの可能性をさらに高めていく戦略だ。 こうした戦略を実現していくために重要となるのは、人材の採用・育成力にあると考えている。同社では人材採用において、「集める力」と「集まる力」の両面から取り組みを進めている。「集める力」に関しては、従来から自社Webサイト「JOB PAPER」で派遣人材の採用を行っており、既に登録者数で5万人を超える規模となっているが、今後はSNSの活用や事業別Webサイトの新設、ビッグデータの活用による個々の適正に応じた案件の紹介による採用効率の向上等に取り組んでいく。 また、「集まる力」に関しては、同社は会社の魅力を上げていくことが重要と考えている。具体的な施策としては、社員が自らの成長(スキルアップ・キャリアアップ)を確認でき、将来のロードマップを描けるようなシステムを整備すること、人事制度や処遇の見直し、職場環境・育成環境の改善、ブランディングの向上等に投資を行っていく。「集まる力」が備われば、良質な人材の採用増加と定着率の向上によって安定して品質の高いサービスが提供できるようになり、同社の競争力がさらに向上することになる。 (2) 不動産ビジネス 不動産ビジネスにおいては、今後5年間でさらにポートフォリオの再構築を進め、戦略的に地域・市況に合わせた柔軟な仕入・販売を可能とする運営体系を構築し、経済環境に左右されない安定した収益構造を構築することを目指していく。ストックビジネスであるリノベーション、ユニットハウス、賃貸管理、売買仲介等を安定成長基盤として拡大しながら、フロービジネスであるデベロップメントや戸建住宅については市況変動に応じて最適な仕入販売を行うことで、利益の最大化を実現していく戦略だ。ストックビジネスは資金の回収期間も短いため、これら事業が拡大することで、不動産ビジネス全体のキャッシュ効率も向上し、財務基盤の強化が進むものと予想される。また、戸建住宅やリノベーション、ユニットハウスについては新たな地域への進出によっても成長を進めていくことが可能で、各事業で連携を進めていくことで収益の拡大を目指していく。 なお、デベロップメントについては年間供給戸数の適正規模として、首都圏で400~500戸、東北・近畿・九州圏で各100~200戸(合計で1,000戸程度が適正規模)と見ている。現在は不動産市況が上昇し、過熱感が出ていることもあって慎重に開発用地の仕込みを進めている段階にある。このため事業としては端境期となるが、2020年以降は再度成長局面に転じると予想される。 リノベーションは全国展開により、今後5年間で最も伸ばしていく領域となる。販売戸数は2017年12月期実績の508戸から2021年12月期には1,500戸と3倍増を目指していく。営業拠点は現在、福岡、東京、横浜、埼玉、名古屋、大阪、広島、北海道、岡山にあるが、今後、順次エリアを拡大していく予定で、当面は九州、東北、北海道等の地方エリアでトップシェアを目指す方針だ。現在、業界最大手はカチタス<8919>で2016年度実績とした約4,400戸を販売している。 戸建住宅は、北海道内でのエリア拡大を進めていくほか、2018年3月には仙台にも進出した。今後はグループ基盤を活かし、累計4,000戸以上の販売実績に対して、リフォーム・リノベーション等にも繋げていきたい考えだ。当中期経営計画期間内の売上計画は約80億円、年間供給戸数は300~350戸と横ばい水準で織り込んでいるが、当面は前述した通りグループシナジーを最大限に活かし、営業エリアの拡大を狙っていく戦略となっている。 ユニットハウスでは、既存のユニットハウスに加えて2017年より投入したトイレハウスの販売も拡大していく。同製品は、国土交通省が定める 快適トイレの標準仕様に則った仮設トイレを認定する「快適トイレ認定」で最高レベルの二つ星を取得しており、今後もメーカーという立場から独自技術で新製品を開発し、業界での存在感を高めていく戦略だ。 (3) 情報通信ビジネス 情報通信ビジネスのうち、携帯ショップ事業についてはまだ多少のスクラップ&ビルドが続いていくと見込んでおり、今後は既存・新規エリアへM&Aも活用しながら優良店舗網を拡大していく計画で、ドミナント戦略による地域トップシェアを目指していく。まずは北部九州エリアから始め、徐々にエリアを拡大していく計画となっている。一方、法人向け事業については、中小企業に対するコスト削減ソリューションだけでなく、新たに普及が見込まれるIT商材等の取扱いも拡充し、収益の拡大を目指していく方針だ。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》
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