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ワールドHD Research Memo(4):人材・教育ビジネスがけん引

2018/4/16 15:14 FISCO
*15:14JST ワールドHD Research Memo(4):人材・教育ビジネスがけん引 ■ワールドホールディングス<2429>の業績動向 2. 事業セグメント別動向 (1) ファクトリー事業 ファクトリー事業の売上高は前期比38.3%増の41,654百万円、セグメント利益は同24.4%増の2,587百万円となった。製造現場における労働者不足が続くなかで、組織運営につながる管理社員の育成と流動化に取り組むとともに、社員の定着率向上に向けた人事制度の強化等を行うことで、大型案件の早期立ち上げと高い生産性を実現し、顧客からの高い評価を獲得、取引シェアの拡大やチャージアップにより収益増につながった。利益率が6.2%と前期比0.7ポイント低下したが、これは他社受入人材の比率が高い物流分野の売上構成比が上昇したこと、事業拡大に向けた人材採用・育成投資を加速したことなどが要因となっている。 分野別の売上動向について見ると、物流分野が前期比60.0%増と急増し、売上構成比で32.0%を占めるまでに成長した。EC市場の拡大により物流拠点でのより高い生産効率が求められる中で、大手EC事業者向けでの取引シェア拡大が進んだことが要因だ。同分野では、同社がものづくり分野で培ってきた生産管理体制のノウハウを活かし、物流拠点内業務を一括で請け負う事で高い生産効率を実現、品質や生産性の面で顧客から高い評価を獲得しシェアの拡大につながっている。また、スマートフォン部材や自動車電装品向けに電子部品、半導体の生産が活況だったことを受け、電気・電子分野が同37.0%増、半導体分野が同28.4%増となったほか、機械分野が同109.2%増、自動車分野が同21.2%増とほぼすべての分野で高成長を達成した。 採用面では、人材採用サイト「JOB PAPER」の登録者数が5万人超(2016年末3.9万人)まで拡大し、2017年10月−12月の平均在籍数(海外及び行政受託、他社受入社員含む)は前年同期比48.5%増の15,090人となった。内訳は、社員が同17.7%増の8,617人、他社受入社員が同133.1%増の5,072人、海外及び行政受託社員が同110.7%増の1,401人となっている。他社受入社員の大幅増については物流分野での取引拡大によるものとなっている。 (2) テクノ事業 テクノ事業の売上高は前期比17.6%増の12,155百万円、セグメント利益は同24.4%増の1,263百万円となった。同事業では設計開発エンジニアの中途採用に加えて新卒・未経験者を積極的に採用し、社内育成によって戦力化することで収益を拡大している。具体的には、自動車・装置の機械設計エンジニアの育成を目的として2016年に名古屋にデザインセンターを開設したのに続いて、2017年には横浜にもデザインセンターを立ち上げ、さらに、グループ企業の(株)アドバンと連携し、ニーズの高いシステム系専門技術者(サーバー仮想化、JAVAプログラミング、組込制御等)の育成に注力している。その結果、未経験者の採用から機械設計技術者やSI技術者など合計200名以上の人材を輩出し、加えて、既存社員の技術スキルが向上、配属先の拡大や単価アップにもつながっている。 分野別売上動向について見ると、売上構成比の37.8%を占める半導体向けは前期比3.9%増にとどまったが、情報通信サービス向けが同25.0%増、機械向けが同57.0%増、自動車向けが同19.9%増といずれも2ケタ増収となり、その他分野についても2016年7月に子会社化した日研テクノ(株)がフル寄与したこともあって同44.2%増と拡大した。半導体分野の伸びが低いのは、機械設計・SI開発分野の人材育成に注力し、同分野の営業を強化したことが要因となっている。 2017年10月−12月の平均在籍数は前年同期比7.6%増の2,042人となった。内訳をみると、生産技術が同15.0%減の679人、設計開発が同32.0%増の1,052人、建設/リペア他技術者が同3.3%増の311人となり、設計開発エンジニアの育成を進めた効果が出ている。 (3) R&D事業 R&D事業の売上高は前期比17.3%増の6,489百万円、セグメント利益は同11.0%増の634百万円となった。研究者の「正社員」派遣の分野では同社は既に業界でもトップクラスの規模となっており、さらなる高付加価値領域へのシフトを視野に社員の育成に注力している。また、2017年10月には京都大学や大阪府立大学との共同研究も開始している。 分野別売上高を見ると、医薬・バイオが前期比25.8%増、化学が同14.5%増、臨床が同11.1%増といずれも2ケタ増収と好調に推移した。 優秀な人材の採用と既存社員のスキルアップ施策をさらに強化し、高付加価値領域へのシフトを進めたことが奏効した。臨床試験受託事業のDOTワールド(株)に関しても、大型化する案件への柔軟な対応を見据え、戦略的な採用手法の変更や、効率的な業務遂行を可能とする仕組みづくりに注力したことで、増収増益となった。 2017年10月−12月の平均在籍数(現業社員)は前年同期比12.8%増の1,029名と順調に拡大した。業界での存在感が高まっている事や、人材育成に注力していることが奏功している。 (4) セールス&マーケティング事業 セールス&マーケティング事業の売上高は前期比1.5%増の5,741百万円、セグメント利益は同26.1%減の219百万円と人材・教育ビジネスの中では唯一減益となり、期初計画に対しても下回った。同事業は、販売員・コールセンター・軽作業等の繁忙対応の取引が多い中で今まで確実な成長を遂げてきているが、派遣法改正以降を第二成長期と捉え、社員をマネジメントする管理部門やキャリア形成支援等の盤石な成長基盤の構築に向けた投資(スクラップ&ビルド)を優先している。 (5) 不動産事業 不動産事業の売上高は前期比42.3%増の49,080百万円、セグメント利益は同10.4%減の4,635百万円となった。同社の不動産事業は、安定基盤の構築と最適な利益パフォーマンスの追求を両立させる為に、経済環境に大きく左右されるデベロップメント関連をはじめとしたフロービジネスについては緻密な予算立てに対する数値管理を徹底し、リノベーション・ユニットハウス等のストックビジネスについては対前年の数値管理を徹底している。 売上高の内訳を見ると、デベロップメント関連は新築分譲マンションの引渡しが前期の147戸から170戸に増加したことや事業用地の売却を進めたことで前期比17.0%増の26,138百万円となった。当期は特に野村不動産とのJVによる「ONE PARK RESIDENTIAL TOWERS」の引渡しが好調に推移した。また、リノベーション関連については引渡し戸数が410戸から508戸に増加し、同18.9%増の9,767百万円に、ユニットハウス関連については東北エリアだけでなく新たに進出した九州エリアの販売が好調に推移したことで、同12.1%増の2,110百万円となった。2017年1月に子会社化した豊栄建設(株)を中心とする戸建住宅関連は引渡し戸数が343戸と順調に推移し、売上高で8,251百万円を計上、販売受託等については同37.2%増の2,813百万円となった。 利益面では、デベロップメント関連において、2016年度の事業用地高収益物件売却分の差異がある為に減益となっているが、期初計画比では25.2%増と大幅に超過している。これは、市況を見極め、多くの引渡し物件を第4四半期に集中させ利益の最大化を図った事によるもの。リノベーション関連やユニットハウス関連は堅調に推移。豊栄建設(株)については営業利益率で8%弱と安定して推移しており、のれん償却(年間93百万円)後でも利益貢献した。 (6) 情報通信事業 情報通信事業は売上高が前期比18.4%増の9,167百万円と3年ぶりの増収に転じたが、セグメント利益は同89.7%減の25百万円にとどまった。主力事業である携帯電話ショップで既存店舗の改装や移転・大型化、新規出店等への投資を実施したこと、一部手数料の減少や販促費の増加が減益要因となった。直営店については前期末の33店舗から52店舗まで拡大し、携帯ショップの売上高は前期比20.4%増となった。 一方、中小企業向けのコスト削減ソリューションサービスは、新規商材の拡充やLED照明販売等の環境事業が堅調に推移したこと、及び仕入改善に取り組んだことで、増収増益となった。 (7) その他 その他事業の売上高は前期比499.7%増の2,856百万円、セグメント損失は272百万円(前期は17百万円の利益)となった。PCスクールを運営する(株)アドバンは、グループ内外の教育ビジネスが想定以上に好調で、売上高は前期比118.3%増の約3億円となり、営業利益も増益となった。特に、テクノ事業との連携により技術者養成プログラムを開発、グループ内でのシナジー効果を発揮した。売上高の大半は当第2四半期より新たに子会社化した農業公園事業を行う(株)ファームによるものである。(株)ファームは再生案件である為、早期再生に向けて人員体制・業務プロセスの見直しや社員の意識改革に取り組んでいるほか、集客力の強化に向けた施設の再整備などを行っており、利益面では損失計上となった。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》
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時価総額 37,488百万円
業務請負・人材派遣等を行うワールドインテックなどを傘下に収める持株会社。大手製造メーカーなどが主要取引先。不動産事業、情報通信事業等も。配当性向30%目安。人材教育ビジネスでは採用、人材育成を強化。 記:2024/08/02