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クオール Research Memo(10):製薬会社によるMRのアウトソーシングを取り込み、CSO事業拡大で成長を狙う
2018/3/8 19:24
FISCO
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*19:24JST クオール Research Memo(10):製薬会社によるMRのアウトソーシングを取り込み、CSO事業拡大で成長を狙う ■BPO受託事業の概要と成長戦略 2. BPO受託事業の成長戦略 BPO受託事業は、現状ではCSO事業(一部、医療従事者を中心とする派遣紹介事業を含む)が収益の中心となっており、中期的にもこれらの事業が主たる成長エンジンとなると期待される。 CSO事業は安定成長が見込まれている。背景には、製薬会社がMRを正社員からアウトソーシング、すなわちCSOの活用へと切り替えつつあることがある。CSOを活用する企業数の着実な増加がそれを裏付けている。また、製薬企業の正社員MRからコントラクトMRへと転身する流れを反映して、コントラクトMR数も右肩上がりのトレンラインを歩んでいる。最近の2年間は4,000人弱で横ばいが続いているが、これは切り替わりの端境期にあるためである。 こうした市場の拡大に対し、クオール<
3034
>もコントラクトMR数を着実に増加させてきている。2014年3月期末は442人だったが、2018年3月期第2四半期末では540人へと増加した。今期末までには600人近くまでの増員を図る計画とみられ、来期以降も着実に増加させていく方針だ。 一方でCSO事業には一般的な派遣事業に比較して、業績のボラティリティ(変動性)が高いという特長がある。CSO事業は、製薬会社が新薬を発売し、全国の医療機関に販売攻勢をかけるようなプロジェクトベースで需要が高まることが多い。プロジェクトが終わればコントラクトMRは派遣元に戻されることになる。問題はその人数で、プロジェクトによっては100人を超える規模であることも珍しくない。すなわち、100人単位のコントラクトMRが派遣元と派遣先を比較的短期間に行き来することになり、業績の高ボラティリティへとつながるという構図だ。 これに対して同社は、1件当たりの派遣数を多くても20~30人に抑えているとみられる。これは同社(アポプラスステーション)に所属するコントラクトMRが500人前後であるのに対して契約社数が44社(2018年3月期第2四半期実績)であることから推測したものだ。すなわち、同社は派遣先を分散することで事業リスクの分散・低減を図っていると言える。 弊社では、製薬業界におけるCSO活用推進の流れやCSO業界における同社のポジショニング、調剤薬局事業との親和性という観点から、同社がCSO事業を強化することは、十分説得力が高いと評価している。業界の売上高ランキングで同社の上位に位置する2社がいずれも外資系で、そこにおいてもコントラクトMRの流動化の動きがある点などを考慮すれば、同社がコントラクトMRの保有数を伸ばして業容を拡大するチャンスは今後一段と高まるとみている。 医療従事者を主な対象とした一般の人材派遣事業もまた、BPO受託事業セグメントの成長エンジンと期待される。大手調剤薬局チェーンの出店拡大や大手ドラッグストアの積極的な調剤併設店推進策、看護師の人手不足などを背景に、医療従事者の派遣・紹介へのニーズは右肩上がりが続いている。同社は医療系人材派遣事業については概要だけを開示しているが、2018年3月期第2四半期実績では、人材派遣事業の売上高は前年同期比16%増加し、15億円程度に達したとみられる。今第3四半期累計期間では伸び率が前年同期比20%へと加速したもようで、今期は年商30億円の事業へと成長することが期待される。大手調剤チェーンの一角を占める同社は、その知名度を生かして人材獲得を有利に進め、来期以降もこれまで同様2ケタ成長が続けることが可能だと弊社ではみている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之) 《MW》
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クオールホールディングス
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時価総額 57,226百万円
保険薬局を全国展開するクオールを中核とする持株会社。薬局事業が主力。店舗数は940店舗超。後発医薬品等の製薬事業、BPO事業も展開。第一三共エスファを子会社化。薬局事業ではM&Aや新規出店で規模拡大図る。 記:2024/10/11
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