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3Dマトリック Research Memo(6):「PuraStat®」は高成長が見込まれる状況になりつつある(2)

2018/1/12 8:16 FISCO
*08:16JST 3Dマトリック Research Memo(6):「PuraStat®」は高成長が見込まれる状況になりつつある(2) ■スリー・ディー・マトリックス<7777>の業績動向 (3) 中南米地域・カナダ 中南米地域(ブラジル、チリ、メキシコ等)では、現地の販売代理店と販売契約を締結し、販売活動を行っている。2018年4月期第2四半期累計ではブラジルとチリで合わせて2.2百万円とほぼ会社計画通りの販売となった。用途としては、心臓血管外科領域で使われているようだ。 下期はカナダでCEマーキングの認証取得と製品登録が見込まれている。既に、販売代理店は決まっており、製品登録が完了次第、販売を開始する見込みとなっている。また、その他の中南米地域での販売も進む見通しで、通期の中南米地域での売上高は19百万円となる見通し。 (4) 日本 日本では消化器内視鏡領域に限定して、従来の止血法との有効性比較を行う臨床試験を2017年8月より開始しており、現在は複数の医療施設で治験が順調に進んでいる。おおむね1年程度で臨床試験を完了し、2018年中頃を目標に製造販売承認申請を行う予定となっている。消化器内視鏡領域は既に欧州で実績を積み重ねていることから、承認取得の可能性は高いと弊社では考えている。 製造販売承認申請後の審査期間は平均で約15ヶ月とされており、順調に進めば2019年冬、遅くとも2021年4月期の早い段階で承認される可能性がある。承認取得時には販売ライセンス契約先である扶桑薬品工業からマイルストーン収益800百万円を得られることになっているが、今回は契約の適用範囲である3領域(他は心臓血管外科、臓器出血領域)のうち1領域に限定されるため、受領額については今後の交渉で決めていくものと思われる。また、ほかの2領域のうち心臓血管外科領域についてはPMDAとの協議を開始した。消化器内視鏡領域の進捗を見て、心臓血管外科領域での臨床試験も進めていく予定にしている。 (5) 北米地域 米国については「PuraStat®」をオーストラリアで既に販売実績がある耳鼻咽喉科領域における癒着防止材として開発を進めていく方針を決定した。既にFDAと臨床試験の必要がない510(k)申請を行うことで合意している。また、FDAと協議して策定したプロトコルでの動物実験も開始している。 比較対象品としてはMedtronicの「MeroGel」を採用する。「MeroGel」はヒアルロン酸をベースとしたジェル状のパッキン材として既に市販されている製品。実験ではウサギの両鼻の鼻内粘膜に障害を付け、片側に「PuraStat®」、もう一方に「MeroGel」を塗布し、術後30日目に組織評価を実施し、癒着の有無などを確認する。動物実験のため、期間は数ヶ月と短期間で終わる見込みで、2018年夏頃の510(k)申請を目標としている。FDAでは3ヶ月程度でデータを確認し審査を終えることから、順調に進めば2018年中にも販売承認されるものと予想される。このため、米国での販売代理店も並行して探していくことになる。現在、複数社と独占販売ライセンス契約または代理店契約の交渉を進めている段階にある。 オーストラリアにおける臨床データでは、3ヶ月間で実施した60症例の手術において、癒着は1例も認められず、また、4週間の術後フォローアップ期間においての再出血もなかったとの論文発表があり、安全性及び有効性において、既存品(MeroGel)を上回る実験結果が出るものと弊社では見ている。価格面では割高になることが予想されるものの、癒着防止や出血予防、創傷治癒効果などさまざまな効能が期待できることから、機能面での優位性が明らかとなれば十分市場を開拓できるものと弊社では予想している。オーストラリアでは耳鼻咽喉科の癒着防止材だけで販売開始から2年目で年間1億円弱の売上規模が既に見えている。人口がオーストラリアの約13倍となる米国でも有力な販売代理店と契約できれば、2〜3年程度で売上高10億円を突破する可能性は十分ある。 (6) 中国 中国では、2017年4月にCPCと中国市場における開発・製造・販売に関するライセンス契約を締結しており、今後はCPCが臨床試験などの開発を進めていくことになる。中国市場で止血材が上市されることになれば、製品販売額の一定割合のロイヤルティ収入を複数年(5年以上)にわたり受領する契約となっている。 現在は、CPCと1〜2ヶ月に1回の頻度でミーティングを行っており、製品特性等のデータ確認や技術移転作業を進めている段階で、今後の開発スケジュールについては未定となっている。CPCは同社のペプチド原材料の仕入先の1社で、ペプチドの研究開発分野では世界的なリーダー企業の1社として知られている。親会社であるGuizhou Xinbang Pharmaceutical Co.Ltd.(ヘルスケア分野のコングロマリット)の傘下には複数の医療施設や医薬品メーカーがあり、製品が上市されればスムーズな拡販が可能と見られる。 中国の医療機器市場の年平均成長率は約22.5%、外科手術件数は約11%で拡大を続けている。現時点での止血材市場は年間で約200億円超と推定されているが、今後、医療技術の向上や手術件数の拡大に伴って止血材市場も年率2ケタ台の高成長が続くと予想される。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《NB》
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時価総額 11,307百万円
自己組織化ペプチド技術を用いた医療製品を開発する。外科領域、組織再生領域、ドラッグ・デリバリー・システム領域で事業展開。消化器内視鏡領域の止血材は欧米で好調。欧州で次世代止血材の製造販売承認申請。疑義注記。 記:2024/09/19