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ロックオン Research Memo(3):マーケティング効果測定のクラウド市場で国内シェアNo.1

2017/12/1 15:23 FISCO
*15:23JST ロックオン Research Memo(3):マーケティング効果測定のクラウド市場で国内シェアNo.1 ■事業概要 1. マーケティングPF事業 (1) 事業特性、商品特性 ロックオン<3690>はマーケティングPF事業として、顧客のマーケティング活動を支援する様々な商品・サービスをクラウドベースで提供している。例示すれば、マスメディアや広告に対する反応(上流)から、リスティング広告のクリック履歴(中流)を経て、自社サイトでの申し込み(下流)に至るまで一気通貫で顧客行動やマーケティング施策の効果を把握できる。別の言い方をすれば、消費者に関して、1)最初にどんな広告を見て、2)どの広告をクリックして、3)どのランディングページを通じて、4)どうページを遷移して、5)どんな買い物をして、6)結局どんな特徴の人々だったのか、という6つの情報を把握することができる。デジタルマーケティングの世界では、「潜在顧客向け」「育成型」マーケティングの重要性が増しており、同社の提供する商品・ツール群へのニーズは高まる傾向にある。 同社の商品ラインの中で中核となるのが「アドエビス」である。このツールは、各広告(最大150万件)の成果を一元管理・可視化し費用対効果の良し悪しを簡単に把握することができる。料金体系は、利用ツール毎に異なり、月間1,000クリックまで10,000円といった使用量により段階的に料金が上がっていく。2017年9月期通期の平均単価は79,952円/月であり、アップセル促進や大型解約の防止により、前期比で3,011円増加した。 同社のマーケティングPF事業の事業特性は、ライフタイムが長いストック型ビジネスである。顧客獲得のためのマーケティング及びセールス投資が先行するものの、回収後の長いライフタイムを通じて、安定収益を獲得していくモデルとなっている。1回契約すると平均では3年以上継続し、過去から一貫して顧客数が積み上がってきた。従って、同社はマーケティングやセールスへの積極的な投資を先行させ、中長期的な収益拡大を目指す方針をとっている。マーケティング及びセールス部門費用の対売上高比を、2016年9月期の24%から、2017年9月期では29%に比率を上げて積極的に投資している。当面は売上対比で30%程度のマーケティング及びセールス費用を使いながら、成長を優先する戦略である。 (2) 顧客・流通 顧客はデジタルマーケティングを行う企業・団体・広告代理店などである。広告費用が月50万円を超える頃から「アドエビス」を使い効果・効率を求めるニーズが高まる傾向にある。営業に関しては、約300社の代理店経由と自社による直接販売がある。ちなみに、公開可能な導入実績(「アドエビス」及びDMP活用)として、ライオン<4912>(トイレタリー)、(株)ECC(教育)、(株)インテリジェンス(人材)、(株)イトーヨーカ堂(小売)、(株)やずや(通販)、アイフル<8515>(金融)、NTTデータ<9613>(通信)など多様な業種で活用されている。 (3) 市場・競合 インターネット広告市場は継続的に成長しており、同社には追い風となっている。スマートフォン広告の増加、動画広告の増加、SNS広告の増加、アドテクノロジーの進化を背景にした運用型広告の拡大などが主な要因である。出稿するメディアの多様化は一元管理のニーズを高めていると考えられ、この点でも一気通貫のプラットフォームを持つ同社にとっては追い風である。 広告効果測定に限定して市場及び競合状況整理をすると、3つのセグメント(ローエンド顧客、ミドルエンド顧客、ハイエンド顧客)に分けることができる。ローエンド顧客は、ネット広告出稿量が少なく、Google Analyticsなどの無料サービスでニーズが満たされている。ミドルエンド顧客は、同社の対象顧客であり、月額50万円以上のネット広告出稿を多様なメディアに行っており、一元管理や効果効率を求めている層である。ハイエンド顧客は、さらに大規模な広告出稿を行い、カスタマイズの自由度が高く専門性が高い。Adobe Analyticsがこのニーズに応える代表的なツールであり、同社の月額単価とは5倍以上の価格差がある。同社は、ミドルエンド市場に特化して展開しているため、競合サービスとは棲み分けが成されている。 (4) 重要な経営指標(KPI) マーケティングPF事業の重要な経営指標(KPI)は、「アドエビス」の顧客数と顧客単価である。2017年9月期末のアクティブな顧客数は1,358件であり、前期末比で117件増加した。特に2017年9月期の第4四半期は50件増加するなど、成長ペースは加速している。顧客単価(平均月単価)においても、79,952円(前期比3,011円増)となっており、増加傾向だ。これは、アップセルの促進や大型解約防止が奏功したことが要因である。 2. 商流PF事業(EC-CUBE部門) EC-CUBEは同社がプロデュースするECサイト構築ツールである。世のツールの中で「高いカスタマイズ性」と「低コスト/簡単」を両立し、ECサイトの質を求めるユーザーから高い支持を得てきた。現在、国内シェアNo.1のオープンソースとしてWEB制作に欠かせないプラットフォームとなっている。 特筆すべきは、そのビジネスモデルで、次の特徴が挙げられる。 ・ 無料配布 ・ 開発は外部コミュニティが行う(一部は同社も担当) ・ 営業はパートナー企業が行う ・ 物流や決済などは外部のEC関連事業者が行う ・ 同社はEC関連事業者からのマージンを収入とする 同社からは人材や設備などの大きな投資は行わずに、顧客を含めたプレーヤーすべてが満足するエコシステムを構築している。 EC市場全体としては、Amazonなどの大手事業者に取引が集中する傾向になり、中小EC事業者の自社サイトの取引は伸び悩む会社もある。同社としても、EC-CUBE部門の売上は横ばいである。今後も大きな投資などはしないものの、デザイン性やセキュリティの強化策を着実に行っていく。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫) 《NB》
関連銘柄 4件
3690 東証グロース
596
10/4 15:00
-1(-0.17%)
時価総額 3,798百万円
広告効果測定プラットフォーム「アドエビス」などのマーケティングDX支援事業、ECサイト構築の「EC-CUBE」などのコマース支援事業を展開。マーケティングプロセス領域における新サービスなどで成長目指す。 記:2024/06/07
4912 東証プライム
1,585.5
10/4 15:00
-9(-0.56%)
時価総額 463,816百万円
トイレタリー用品や医薬品等を展開。オーラルケア国内首位。衣料品洗剤や石鹸も有力。ホームケア分野の競争力強化図る。薬品分野はニキビ薬等の売上が伸びる。23.12期通期は増収。24.12期は2桁営業増益計画。 記:2024/04/16
8515 東証プライム
324
10/4 15:00
-3(-0.92%)
時価総額 157,017百万円
大手消費者金融会社。無担保ローンや事業者ローンの提供が主力。カードローンやキャッシングローン、事業サポート等の融資に関するサービスを提供。貸倒費用増加も新規顧客拡大で吸収。組織統合など合理化を進める。 記:2024/06/01
9613 東証プライム
2,551.5
10/4 15:00
-17.5(-0.68%)
時価総額 3,578,479百万円
国内最大の専業システムインテグレーター。NTT傘下。世界50カ国以上でITサービスを提供。金融分野、公共・社会基盤分野向けに強み。海外売上比率は6割超。製造業領域を強化。データセンター事業は積極投資継続。 記:2024/08/10