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藤商事 Research Memo(7):開発力および利益体質の強化に取り組む

2017/11/27 15:37 FISCO
*15:37JST 藤商事 Research Memo(7):開発力および利益体質の強化に取り組む ■今後の見通し 2. 2018年3月期の取り組み施策 藤商事<6257>は「変わる挑戦」をテーマとして、開発力及び利益体質の強化を2018年3月期の重点施策として取り組んでいる。 (1) 開発力の強化 開発力の強化では、投入機種の長期稼働の実現、パチンコ・パチスロタイアップ戦略、斬新な演出やアイデアなどの積極的な採用、差別化された商品性の実現をテーマに今までになかったものづくりに取り組んでいる。長期稼働の実現に関しては、投入した機種でほぼ会社目標の稼働週数を達成し、また、パチンコ・パチスロタイアップ戦略も「リング」や「地獄少女」などのパチスロ市場への投入で一定の評価を獲得している。このため、今後も有力シリーズでのタイアップ戦略を継続していくものと予想される。 また、斬新な演出やアイデアなどの積極的な採用については従来から同社の得意とするところであったが、今回の規則改正により射幸性が一段と抑えられるなかで、今後は演出力などによっていかに楽しめる機種を開発できるかが差別化要因となってくる。パチンコ機での大当たり確率の設定機能を生かしたゲーム性や独創的な役物、サイドユニットなどを使った娯楽性の高い機種の開発が期待される。 (2) 利益体質の強化 利益体質の強化では、損益分岐点台数の低減を目標に開発から営業まですべての工程においてコスト低減に取り組んでいる。材料費率の低減施策としては、新規リユース部品の採用や複数回リユース部品の拡充、リユース対象機種の拡充と調達力の強化に取り組んでいる。特に、ホールからのリユース対象機種の回収率はまだ低く、調達ルートの見直しも含めて今後の検討課題となっている。同社はこれらの取り組みを進めていくことで、材料費率を現状からさらに2~4ポイント引き下げることが可能と見ている。 開発工程では内製化率の向上や、開発プロセスの効率化、仕様の見直しを行うことで1機種当たりの開発コスト削減を目指している。また、部材調達では部品の共通化や発注数量の最適化によるコスト削減、製造面ではパチスロ機専用の新工場稼働に伴う生産効率向上、営業面では販促ツールのデジタル化によるコスト低減などに取り組んでいる。 このうち、パチスロ機の新工場については2017年8月に稼働している。部材の自動搬入システムを導入するなど生産ラインのオートメーション化を進め、人員を増やさずに生産能力を従来の日産400台から1,500台と3倍以上に拡大している。能力が拡大したことで急激な受注変動にも対応できる体制が整備されたことになる。当面は年間3機種程度のペースで開発、生産し、市場評価を高めてから機種数を増やして、市場シェアを拡大していく戦略となっている。 3. スマートフォン用ゲームアプリに本格展開 同社は新たな事業展開として、スマートフォン用ゲームアプリの市場に本格参入する。2016年3月に美少女系の本格対戦RPG「マギアコネクト」、同年7月に麻雀バトルゲーム「アドヴェントガール」をテストマーケティングも兼ねて配信、いずれも短期間で終了したが、運営ノウハウが蓄積できたことから、本格的な事業展開を進めていくこととした。タイトル名は「23/7(トゥエンティ スリー セブン)」で完全オリジナルのファンタジーRPGゲームとなる。声優やキャラクターデザイナーに著名人を起用したほか、コミカライズ作品を月刊誌「電撃マオウ」で連載、「東京ゲームショウ2017」にもブース出展するなどプロモーション活動も積極的に行っている。今冬にリリース予定となっており、今後の動向が注目される。 パチンコ・パチスロ機メーカーでゲームコンテンツを開発しているのは、現状ではセガサミーホールディングス<6460>やフィールズ<2767>など一部に限られており、今後の差別化要因となる可能性がある。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《MH》
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